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8点 進撃の巨人
戦慄した。
めちゃくちゃ面白いです。
1巻を読んだ時点で既に興奮していてすぐにレビューしたかったのですが、作品の内容上、もしかしたらすぐに失速してしまうんじゃないかという不安があったため、逸る気持ちを堪え待機していたのですが、2巻を読んだ時にきっとそれは杞憂に終わるだろうと思えたので堂々と高得点を付けます。
皆さんの仰る通り、巨人に蹂躙される人類が抵抗を続けるというシンプルなお話なのですが、容赦ない絶望感と凄惨さを描くことで強烈なインパクトを放っていて、とにかく刺激的です。しかし、過激な描写に頼りきっているわけではなく、しっかりと物語をつくり込んでいるので、心の底から「面白い」と思わせてくれます。
おそらくこの作者は、とてつもなく激しく野性的な感性を持ちながらも、それをまとめ上げる理性と知性を持ち合わせているのでしょう。
また、このようなシンプルな題材は過去に別の漫画家が使っていそうなものですが、私の知る限りでは漫画でこのような内容のものはなかったように思います(本当はあるのかもしれませんが)。
その理由は、題材がシンプルで地味だからこそ扱う側のセンスや実力が問われるからではないでしょうか。おそらく、大半の漫画家はこんな華のない題材で作品を描こうなどとは思いもしないでしょう。
地味な題材を扱った名作として私が真っ先に思い浮かべるのは「寄生獣」ですが、「寄生獣」はまだ青年誌での連載であり、時代もあくまで「実力主義」の傾向にあったはずなので、多少地味でも読者層を考えればそれほど問題は無いでしょう。
しかし本作はこの時代に、能力者もいなければ萌もない、綺麗な絵面でもないこの作風で少年誌に掲載されているのです。これはものすごいチャレンジです。
結果的に掲載誌と内容のアンバランスさがこの作品の魅力を増強していると思います。
とにかく、時代の波に逆らう硬派な作風と、自分が本当に面白いと思うものを創りあげようとする作者の姿勢に感銘を受けたので8点で。
ただ、登場人物の描き分けだけはしっかりできるようになってほしいと思います。でも画力が上がりすぎても、作品の魅力の一つである「巨人のキモコワさ」が無くなりそうで不安ですが。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-08-11 14:03:34] [修正:2010-08-11 14:35:00] [このレビューのURL]
【全巻読了】
前半は正直あまり面白くないが、
20巻を超えたあたり(ハドラー親衛隊)が出るあたりから急激に面白くなっていく。
僕の中で歴代ベスト1位の漫画。
この漫画の魅力は間違いなくキャラクター。
計算してつくられた個性じゃなく、
「一生懸命描いていたら
キャラが一人歩きを始めちゃいました。」というような印象。
敵も味方も魅力的なキャラクターが満載。
僕のお気に入りはポップ。
賢者じゃなく、大魔道士のポップ。
弱くても、
地べたを這いずり回っても、
時に逃げ出しても、
何も分からなくても。
強くなろうとし、
立ち上がろうとし、
歯を食いしばって立ち向かい、
少しだけ何かを得る。
僕の永遠のヒーローポップ君。
彼の生き様こそ人間だと思う。
閃光のように、僕も生きたい。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-08-08 15:42:13] [修正:2010-08-10 01:32:21] [このレビューのURL]
8点 モテキ
自分が主人公に感情移入できるか否かで、この作品の面白さも変わってくると思う。
この漫画はかなりのリアリティをもって描かれている。しかし、これがリアルかどうかは、人それぞれだ。
でもこの漫画を120%楽しめるのは、やはり自分が今でいう「草食系男子」である必要があると思う。というか、そうであれば嫌でも主人公に自分を重ねてしまえるのだ。そうなると、ストーリー的に面白いかどうかはどうでもよく、自虐感に苦笑さえしてしまえる。
しかし痛みを感じるのは序盤だけで、中盤以降この作品は指南書的な役割を果たすかもしれない。読んでいて「やっぱそうだよなぁ」と思えることも多々(わかっていても実践できないのが問題なんだけどね)。だが、そこに大きな希望を抱かせてくれるのは、作者が女性であるということ!女性が描く、男性の恋愛コンプレックス話なので、「あ、やっぱ女性もこう思ってるんだ!」って感じるのは、もうこれ以上とない援護射撃だ。
女性のタイプも1通りでなく、様々なので、自分に近い状況も見つけやすい。別にに自分が草食系男子じゃなくとも、どのキャラでもいいから感情移入できてしまえば、この作品は「面白い」という枠組みを超えた価値をもつはず。
従来の恋愛漫画とは違う、現代的な作品。
あなたにとって、このお話は「現実的」なお話ですか?それとも「現実」なお話でしたか?
(2010年8月追記、全巻読了)
締め方は、後書きで言っている通り、フジの成長譚として十分だったと思う。結局この話は恋愛物語ではなく、フジの自信のなさやモテないというレッテルが根拠のない妄想であったことを気付かせる話だったのだ。
作者は、世の草食系男子達に警鐘を鳴らしているのかもしれない。
「モテ期は向こうからやって来るものではなく、自分で行動を起こして手にするもの。
自信を持てない自分に嘆き、草食系なんて枠組みに甘えて、時間があなたに出会いをプレゼントしてくれると思ってるの?
さあ、行動するんだ!!
周りの人間に頼ったっていい、フジでさえ動き出したんだ、乗り遅れるな!!」
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-03-30 15:46:34] [修正:2010-08-05 22:27:41] [このレビューのURL]
10点 ジョジョの奇妙な冒険
独特の絵がら、擬音、セリフ回しでぐいぐいと引き込む力を持った有名作品。他の方のレビューでそのあたりに関しては十分語られているので省きますが、とにかくセンスの塊のような漫画だと思います。
また、自分がこの作品で好きなのは、主人公はもちろん悪役キャラもが常に「前向き」であること。カーズやDIOのように勝利のためには手段を選ばず、そしてそれに堂々と胸を張るもの、吉良のように悪である自分を受け入れ、肯定したうえで幸福に生きようとする執念を持つもの。彼らは自分が悪であることを知りつつ、自分への自信に充ち溢れています。そのよな生き生きとしたキャラクター同士の魂のぶつかり合いであるからこそ、ジョジョの戦いは観ている方まで心が躍るのだと思います。
「人間賛歌」の名に恥じぬ、熱さを感じさせてくれる作品です。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-08-03 11:30:27] [修正:2010-08-03 11:30:27] [このレビューのURL]
5点 モテキ
正直、久保ミツロウさんの描く漫画は、評価はするが苦手、むしろ嫌いなタイプの作品だった。
やはり男性名の女性作家という事もあり、結局描きたいのは女性視点の漫画じゃないのか?要は女性の望む男性像を描いてるに過ぎないのではないか?という疑問が湧くからだ。
しかし、この「モテキ」という作品は、一番「素の久保ミツロウ」像が見える作品ではないかと思う。「非モテ」ならば男女問わず主人公の藤本のような経験があると思う。
「面白い」とまでは思わなかったが、久保ミツロウさんの描きたいものは葛藤して悶々としているコンプレックスを抱えた人間や、自虐に向かう人の姿ではないかと思う。
この人は今まで「あとがき」を書かない(私の記憶では)作家さんだったと思うので、それが逆に「女性作家という事がわからないようにしているんだな」と思えて不満だったが、この作品ではあとがきでも生々しい姿をさらけ出してくれていて、大変好感が持てた。
私にとっては、今まで久保ミツロウさんに持っていたモヤモヤ、不満観を払拭してくれた作品だった。主人公が最後誰ともくっつかないのも、作者が主人公に対してあえて「情けない非モテ」である事に固執したからだと思う。雑誌によっては誰かとくっつくラストを強要する編集者もいたのではないだろうか?(実際、レビューのほとんどがラストが不満だったという感想が多いし)
個人的には、この後の久保ミツロウさんのこの作品のように「素の見える」新たな新作に期待したい。(次回作、どうなるんだろう??)
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-07-31 19:07:04] [修正:2010-07-31 19:14:58] [このレビューのURL]
採点が4点未満ということはないと思いレビュー。
個人的にはこの平均点に組織的な悪意すら感じる。
言われているほど絵が見難いとも思わないし、
設定が漫画として破綻しているとも感じない。
定番から流行モノまで様々な科学的?概念が
節操なくストーリー上に登る様は素直に楽しめた。
ただ、後半に行くほど各章のスケールが肥大しすぎて
物語の展開が一本調子になったのは残念。
外伝話や本来の奪還系の小話を織りまぜればメリハリがついたのかも。
そういった意味では、続編があったら読むだろう思います。
採点は素直な気持ちで。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-07-28 01:09:38] [修正:2010-07-28 01:09:38] [このレビューのURL]
9点 夏子の酒
お酒とは?日本酒とは?
マンガという媒体でそれを描ききった傑作。
お酒造りに関わる蔵人達、杜氏達のお酒に欠ける情熱がすごく伝わってくる。
そして夏子の情熱全てが注がれた幻の酒完成のシーン。
涙なしに読めるでしょうか。
ちなみに元になった久須美酒造。
「清泉」、「夏子物語」、幻の米で造られた「亀の翁」etc・・・
本当に素晴らしいお酒を造っているので、読んで興味がわいた方、ぜひお試しください。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2009-01-13 02:43:14] [修正:2010-07-23 12:51:19] [このレビューのURL]
6点 金色のガッシュ!!
ティオがでてくる4巻?あたりまでなら10点あげてもよいくらいの展開。
ジュビロ先生から受け継いだ?熱さ?、そして不思議なギャグセンスが見事に絡み合っていました。
ただストーリーが進むにつれてちょっとあらが目立つようになってきた。
同じような展開では飽きるだろうと考えで石版魔物編やらファウード編やらをやったんでしょうがこれが正直微妙でした。
できるかぎり最初決めたルールの枠内で描いてほしかったかな。
個人的にはラスト10体をきったあたりでガッシュ対ガッシュの仲間(ウォンレイやキンチョメとか)を絶対やると思っていたし、やる必要があったと思う。
そう言っても最後はやっぱり感動しました!
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2008-12-22 18:03:44] [修正:2010-07-23 12:10:17] [このレビューのURL]
5点 シマシマ
不眠に悩む女性にイケメン男性の添い寝を斡旋するお話。
序盤はすごくおもしろかったですが・・・
主人公とシープのメンバーの恋愛にシフトしてきてしまい、当初の添い寝を必要としている女性との絡みが少なくなってきたのがマイナス。
添い寝屋と、不眠に悩む女性との話のが心動かされるものがある。
まー、ぶっちゃけ前のダンナのよさが全くわからず、あれだけのイケメン2人に言い寄られているのにはっきりしない、どっちつかずなシオさんに共感できないだけなんですが・・・。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2009-09-28 15:58:18] [修正:2010-07-23 11:57:58] [このレビューのURL]
9点 テニスの王子様
0点をつけた人の気持ち、すごくわかります。
全国大会編のエスカレートするぶっ飛びっぷりは、ある意味見事、歴史に残る暴走作品です。
ただ、中盤までの本作品は本当に面白かったし、本作品を見てテニスを始めた人とかって結構な数いるんじゃないかと考えると、本作品は名作だと思うし、そもそもこれだけ議論が起きているって時点で名作(迷作?)の条件は満たしているのでは!?
まぁ、なんだかんだで全巻買った上で、新テニスの王子様も買ってしまっている自分がいるというのは秘密の話です。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-07-19 21:21:46] [修正:2010-07-19 21:21:46] [このレビューのURL]