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4点 境界のRINNE
高橋留美子先生の久々のコメディ物。
犬夜叉に辟易していた読者には待望だったはずのライトコメディだが、残念ながらいまいちな出来だと思う。
細かく気になる点を挙げれば枚挙に暇がない。
舞台設定がありきたりだったり、犬夜叉の途中から顕著になった大ゴマ多用のわりには書き込みが少なく画面が白いなど・・・。
ただし、それらはどれも大きな問題ではない。
何より厳しいのがメインの2人のキャラがどちらもとぼけた天然系でともにテンションが低く、何を考えているかわからないことだ。
それに伴って作品全体がスローで「うる星やつら」や「らんま」の頃の勢いが全くといっていいほど無い。
当時なら1話で納めていた話を2話3話と引き延ばしている。
そんな印象すら受ける。
はっきり言って作品自体にパワーがないのだ。
これが青年誌やマイナー誌掲載作ならそこまで致命的ではない。
しかし、この作品はそうではない。
本来ならばメジャー少年誌・週刊少年サンデーの看板を背負わなければならない作品のはずである。
大御大には酷な話ではあるがサンデーの現状をみるにまだまだ頑張ってもらわなければならない・・・。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-07-19 19:22:46] [修正:2010-07-19 19:22:46] [このレビューのURL]
10点 ハレグゥ
これ以上面白い漫画はないと思う!
私は前作から全部持っているし、この人の絵がすごく好きで、ファンブックとかも持ってる。絵がめっちゃ上手いし、話の展開がすごく好き(>・<)
私が好きなのは、何といってもグウ!謎だらけでかっこいい!
終わっちゃったのはすごいさびしいけど、らしい終わり方だった!
ハレグウ最高!
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-07-19 18:14:18] [修正:2010-07-19 18:14:18] [このレビューのURL]
10点 ブラック・ジャック
基本的に漫画は一度読むと読み返したりはあんまりしないのですが、何か迷いがあったりすると自然に手がのびてしまうそんな作品です。深く考えなくても読めるのに、内容がとても深い!歳をとるたびに読み返すと、そのたびに違った印象になり何度でも見てしまう。
名作なのは当たり前だけど、一度は読まないと人生損をしていると言っても過言ではないと自信をもって人に勧められる数少ない作品ですね。
永遠にブラックジャックはあこがれのヒーローです。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-07-18 13:29:45] [修正:2010-07-18 13:31:29] [このレビューのURL]
9点 鋼の錬金術師
この作品は完結するまでレビューを書かないつもりでした。先ほど連載誌で完結したのでレビューします。
等価交換という錬金術の仕組みはシンプルであるようで画期的なものであると思っています。
ジョジョのスタンド並みの発明といっていい。
私は漫画で魔法が出てくるものが苦手でした。印を結んだり呪文を叫ぶだけで火柱が立ったり凍結したりするのが納得できなかった。
漫画だから、といえばそれまでですが虚構の世界だから求められるリアリティというものがある。
現在の少年漫画に出てくる能力モノはどうもご都合主義で、私には読めないものが多かった。(ただのババアになって感性がにぶくなっちゃっただけだろ、とツッコれたら言い返せないけどね)
錬金術は等価交換、つまりその場に材料があってそれを錬金術師が練成して物を作る、火をおこすという仕組み。これは裏を返せば材料がなければ何もできないという弱点でもある。
さらにはそういったバトルだけの要素ではなく、物語全編において等価交換の概念が主人公(とすべての登場人物)に課題を与え、悩ませ、最終回で答えを見つけ出すという構成のうまさもすばらしい。
以下ネタバレですが、主人公たちがたどり着いた、等価交換を壊すたった一つの冴えたやり方は、交換するものに、少しだけでもこちらから上乗せするというもの。
シンプルな等価交換のルールの鎖をとくのはやはりシンプルな答えだったけれど、それだけで壊れる。世界は変わる。
私は上乗せして与える人になりたい。そう思いました。
で、ここまでほめているのに9点。
あと1点は何かというと、この漫画が後世にちゃんと語り継がれるかどうか、もう若くない私には判断できないから。
メディアミックスなどで、その時代において一時バーッと売れる漫画は実はけっこうあるけれど、次の世代まで感動を受け継ぐ漫画って少ないんですよ。
つまり名作は次世代に受け継がれて完成するんです。
私は若人の君たちが、この漫画をどれくらい受け継いだか見届けた暁に1点をプラスしようかなと思っています。
・・・・って健康で事故に遭わず生きれば平均寿命まであと40年はあるんですけどね。
若人よ、三十路なんて遠いようであっという間だぞ。面白い漫画にたくさん出合えよ!
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-07-16 21:13:31] [修正:2010-07-16 21:13:31] [このレビューのURL]
5点 YAIBA
私が小学校低学年の頃に、初めて自力で全巻集めた長編少年漫画。
はっきり言って今読むとくだらないものに見えるし、大人が読むのには少し幼稚すぎるかもしれませんが、少なくとも小さい頃の私にとっては傑作でした。
現在のコナンといい、青山先生の作品には多くの子供の心を掴む魅力があると思いますし、少年が漫画という媒体に触れる上での入門書のような役割を果たしていると思います。
近年の少年漫画はもはやターゲットとなる層が「少年」ではなくなりつつあるためか、絵柄や内容にこだわりすぎて、本来のターゲットであるべき層には取っ付き辛いものが多くなっているように思えます。
このような傾向が、近年の少年少女の漫画離れの一因になっているのではないでしょうか。
私を含めた多くの漫画好きの人にとっては、今更ベタベタで大雑把な漫画をやられてもあまり嬉しくはないかもしれませんが、「YAIBA」のような純粋に少年のために描かれた少年漫画も必要なはずです。
大人にとって5点でも子供にとっては満点。
「YAIBA」は少年漫画として名作だと思います。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-07-09 11:16:52] [修正:2010-07-09 11:16:52] [このレビューのURL]
8点 みゆき
この作品が終了して四半世紀が過ぎるのですね。 連載が始まったのは、私が小学6年生の夏だったと記憶してます。 同時期に連載されていたタッチよりもこちらのほうが好きでした。 もちろんタッチも好きですけど。
先日子供がクロスゲームをTVで見ていたので、“おっ、あだち充だ! なつかしい!!”と思い、最近あだち充先生の作品を読み返しています。 大人っていいなぁ?と改めて感じながら(みゆきのみならず)コミックを“大人買い!”して。 さらにアニメのDVDも探しまくって、やっと見つけ出して購入して。 当然妻には飽きられています(笑)
中学生になって少々色気づいて(?)から、若松真人君が随分と羨ましく思っていました。 二人のみゆきに挟まれて、優柔不断でおっちょこちょいな性格も災いしてふらふらしながらでも、妹のみゆきのこともガールフレンドのみゆきちゃんのことも、二人の事を、二人の気持ちを大切にして、葛藤しながらでも自分ができることを一所懸命していく真人君がです。
この作品で一番印象に残るシーンは、最後から3話目で、椅子に座って祝辞を考えている真人君に、妹のみゆきが背後から抱きついて耳元でささやくシーンです。 読者のご想像にお任せしますというあだち充先生のスタイルの中で一番だと思います。 今でもみゆきは何てささやいたのかなと考えるときがあります。
普通なら10点満点をあげたいところなのですが、2点減点の8点です。 その理由は2つ。 一つはスケベな描写は別にいいのですが、真人君が妹のパ○○ィーを手にとって“ムフッ!”という描写は?です。 それと最後の妹みゆきの結婚式の描写はちょっと残酷かなと。 今でもこの話だけは素直に読むことが出来ません。 コミックを読んでいてもその話だけは飛ばしてしまいます。 これがもし、妹みゆきが真人君に対して感謝の気持ちを述べるとして、みゆきが自分の正直な気持ちを抑えきれなくなり、真人に告白するというのであったのなら違っていたのでしょうけど(この方がかなり残酷かなと思いますが、私個人の意見としてはこちらのほうで描いてほしかったという気持ちが未だにあります)。
ラブコメは自分の趣味の範囲外なのですが、この作品、というよりあだち充先生の作品は別です。 なぜなのかは未だにわからないのですが。。。 ただこれだけはわかっています。 それは、みゆきは今までン十年生きてきて、全てを対象にした中で生涯印象に残る一つであるということです。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-03-22 11:50:15] [修正:2010-07-08 12:16:26] [このレビューのURL]
10点 めぞん一刻
永い間お蔵入りしていた単行本を、先日久しぶりに通し読みしました。
そして、連載当時、リアルタイムで読んでいたときと同じく、
「オレってどうかしてる…」と思うほど、のめり込んでしまい、
早速、本棚の一番目立つ位置に鎮座させました。
ラブコメ漫画の金字塔と言われるこの作品が、今ではどう評価されているのかがちょっと気になって、そのあと、このサイトを訪ねてみたところ。
ここ数年で初めて読んだ方々からも高い評価を得ていることにビックリ。
ファンの思い出の中でのみ語られる、過去の名作と思い込んでましたから。
今の恋愛には必須の携帯電話やメールがなかろうが、
リアルに描かれているだけに、余計に今とのギャップを感じる時代背景があろうが。
お互い好き合っているクセに、意地の張り合いやら優柔不断、すれ違い(+この場合はヒロインの過去)のせいでなかなかくっつかない、という普遍的なシチュエーションと、あの超個性的で魅力的なキャラクターたちは、時代に関係なく、支持されるということなんでしょうね。
一部の方が評されているように、たしかになかなかくっつかない、じれったい期間が長いです。でも、そのじれったさ=切なさがこの作品の醍醐味だと私は思います。
物語が終結に向けて一気に突き進んで行く終盤は、むしろ寂しい気持ちで読んでました。
あと、今でもつくづく思いますが、ヒロイン「管理人さん」の何気ない表情や言動が、いちいち魅力的。ヤキモチ焼きで怒りっぽいのも愛おしく感じてしまうのは、現実の人じゃないからなんでしょうか。
この作品に出会った25年前、高校生だった自分は、いつの間にか「管理人さん」に恋してしまっておりました。
あれから自分自身が浪人、就職活動、そしていくつかの恋愛と結婚を経た今、改めて読み返してみると、また新たな感慨がありますね。
挫折するたびに自分を情けなく思う五代君の気持ち、
娘を想う響子さんの父親の気持ちが、痛いほど良く分かります。
あの美しく完璧な結末のあとを想像すると、あの響子さんのことだから、五代君も幸せだろうけどたいへんだろうな、とか思ったりw
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-07-08 01:43:56] [修正:2010-07-08 01:43:56] [このレビューのURL]
6点 おどろき!ももの木笑店街
ドラえもんやこち亀のノリやオチをベースに、あられちゃん的な笑いと下品さを調味料程度に散りばめ、ズッコケ3人組を彷彿させながらもどこかぶっ飛んでいて個性的なキャラで仕立てたギャグ漫画。
マイナーだけど、子供対象のギャグ漫画としてかなりのクオリティを誇る作品。
コロコロや別コロの他の子供騙しな(子供のころにしか笑えないような)ギャグ漫画とは明らかに一線を画していて、シュールながらも子供に受けるギャグ漫画だったと思う。
ギャグだけでなく、ドラマ性のあるちょっといい話も混ぜられ、後味の悪い話もない。
松本先生の真の魅力と秘められた才能がここにあると思う。このころがコロコロ・別コロ最盛期だったとも思うし。
今読むと、昔懐かしの良質なギャグ漫画といった郷愁感にかられてしまいます…
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-06-12 09:37:44] [修正:2010-07-08 00:23:15] [このレビューのURL]
7点 ベントラーベントラー
全3巻通読
首都圏民営警察外星生物警備課の面々が外星生物絡みの事件を解決するために、自称”善良な外星人”のクタムさんの協力を得つつユル〜く頑張る漫画。
良質なSFってのはこういう作品のことを言うんでしょうね。
宇宙人やらほんの少し未来っぽい小道具なんかのSFな要素が風景の中にうまく溶け込んでいます。
「侵略するでもなくお説教するでもなく、かといって純粋無垢でもない(第1巻あとがきより)」
そんな宇宙人たちのいる日常が、イイ感じに力の抜けた(ただし外星人に関しては緻密な)絵柄で描かれていてすごく心地良い作品です。
ラストは少しビターなハッピーエンドって感じで、締めるところはきっちり締めてます。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2009-06-28 01:52:20] [修正:2010-07-06 23:57:44] [このレビューのURL]
6点 金剛番長
週刊少年サンデーといえばかつては「漫研部室のサンデー」とも言われたような優等生的な安心感のあるブランドだったが、近年は編集部と作家との間のドロドロした確執の話題が表面化し、雷句誠や藤崎聖人といった同誌の人気作家が他社へ移籍するなどして何とも不穏な空気に包まれている感がある。両氏とも移籍先の講談社では激しくビミョーな感じではあるが…。
そのような中にあっても、本作『金剛番長』からは、少なくともそういう不穏さは微塵も感じられなかった。作家もノリノリ、編集も輪をかけてノリノリ、互いの悪ノリが異様な相乗効果を生み、この21世紀の現代に学ラン系超人バトル番長漫画をメジャー誌で堂々連載するという究極の酔狂を貫徹、潔く「筋を通して」みせたのだから。
近年の超人バトル漫画は互いの能力や心理的駆け引きなどを重視する傾向が強いが、本作の主人公である金剛晃は「細けぇ気にするな」「知ったことかー」と居並ぶ多彩な強敵たちを次々と拳一本で粉砕していく。敵も番長、味方も番長の学ラン番外地、敗れた敵の多くは主人公の男気に惚れて仲間になり、物語演出は終盤地球規模にまで加速度的にインフレを遂げる。もう今となってはギャグにしかならないようなこれれらの意匠を確信犯的にたたきつけてくるのが本作の流儀である。作者の鈴木央はジャンプから移籍してきた過去もあり、そういう往年のジャンプ的なノリを意図していたのは間違いないだろう。
編集サイドもそんな作者の本気に最大限こたえる姿勢を示しており、単行本の帯文や巻頭巻末の煽り文句などを見ても
「せっかくだかrた俺はこの金剛番長1巻を買うぜ!」
とか
「タフすぎてそんはない」
とか
「ゲーーーーッ!?」
とか、もうやりたい放題の傍若無人、わかる奴だけわかればよし!的な酔狂が暑苦しいほどに充満していた。しまいには『キン肉マン』よろしく読者投稿による「僕の考えた番長」コンテストまで開催され、登場キャラとして採用されるなど、とにかく編集サイドの熱意が非常に感じられる作品となったのである。
ただ、このように書くと本作が悪ノリだけで構成されたような作品に感じられてしまうかもしれないが、実は結構本気で「番長」という存在の魅力を描こうとしていたのも本作の良いところだ。
物語中盤、「熱くない男は死んでよし!」をモットーとする熱血主義の化身・爆熱番長との戦いが描かれるエピソードがあるが、ここでは同じ熱血系キャラである爆熱番長と金剛番長が対比され、人の弱さも受け入れる金剛番長の度量の広さが示される。よき番長の魅力とは強さや厳しさと共に他者を受け入れる度量も併せ持った存在なのであることを改めて気付かされた格好で、作品の大半を覆う酔狂の陰で輝く真っ当さが、何とも絶妙な読後感を提供してくれた。
以上のように作品のノリとしては非常に自分の好みにあう作品だったが、しかし期待していたがゆえに残念な部分も多かったのも事実である。皮肉なことにそれらの欠点の多くはこの作品の長所が裏目に出た点が多かったのだ。
本作の魅力は単純明快で強力無比な金剛番長という主人公による部分が大きかったが、この金剛番長があまりにも強く、どんな危機に陥っても「知ったことかー」「気合いだー」で形勢を逆転させてしまうため、バトルがどうしても単調になってしまうのだ。これは近年の洗練された能力系バトル漫画を読みなれた読者には最初は新鮮にうつっても、次第に飽きられる結果となる。
また、当初は東京23区の各地区で行われていた番長達のバトルも物語の(意図された)インフレに合わせるかのように規模が拡大化し、しまいには地球を破壊しかねない勢いに膨れ上がった。むろんこれは”そういうノリ”を狙った作劇だが、さすがに酔狂だけであんな人が万単位で死んでもおかしくないような展開はちょっと…と思った。物語のラスボスである日本番長(金剛番長の兄)の悪行の動機にしても、
「母さんが愛したこの世界は母さんを拒絶した。だから俺はこの世界を憎む。」
といういかにもなセカイ系の典型で、この手の作品とは食い合わせが悪いように思い非常に萎えた。この終盤のせいで、番長漫画の復権を謳った本作が結果的に番長というイメージを風船のように肥大化させ、しまいには逼塞させたのでは?という思いもぬぐいきれない。だが、まぁそんな細けぇ事は気にせず読んで充分おもしろく、奇抜なキャラ設定のおかげでネタ漫画としても一級品の良作には違いない。単行本は全巻買う。それがせめてもの自分なりのスジの通し所だッ!
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-07-03 02:04:35] [修正:2010-07-04 23:01:19] [このレビューのURL]