「ガクちゃん」さんのページ

にやにやして読んでしまう好きな作品ではある。

なぜ、久住昌之と谷口ジローが異色合体? どんないきさつがあるか知らんが、泉昌之の「夜行」や「かっこいいすき焼き」と比べてしまう。

「旅人にとって人生は一回一回の食事すら勝負なのである」というテーマから透かして見ると「旅なんか出るんじゃなかった」で終わる「夜行」の方が強いメッセージ性を感じる。

そうでなくとも決定的な差はある。それはずばり、食いモンの旨さと感動みたいな部分である。本作は店を探す状況から始まって、たどり着き、そして食すというパターンの繰り返しである。画力があり場の雰囲気は非常に出ているのだが、いかんせん読んでいて腹が減りはしない。料理の説明は多いが「食いてぇー」とはならない。
少々淡々と過ぎる物足りなさがある。主人公が酒を飲まないというのも結構マイナスポイントではなかろうか。まあ個人的な好みだろうが。

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[投稿:2009-02-22 16:34:21] [修正:2009-02-22 16:34:21]