「ガクちゃん」さんのページ

総レビュー数: 47レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年01月24日

途中からのぶっ飛び方にあぜんとしたが、それは当時の事。現代だったら、なんだか本当にありそうな話。ということは時代を先取りしていたんだな。
学生時代の鬱屈をうまく表現しているが、だから?
作品をルサンチマンで作ってはいけない。と言ったのは故伊丹十三氏だったか。
まあ、ラストでそれを乗り越えた形を作ってはいるが、いかにもとってつけたような感じがする。

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[投稿:2009-04-19 22:07:57] [修正:2009-04-19 22:07:57] [このレビューのURL]

あまりの絵の巧さに当時、アニメーター志望だった私はすごく刺激された。著者の絵はそういう魔力がある。
躍動感とカッコよさと色気。
ただ、巧過ぎてなにかが足らないと思ってしまうのは私だけか。
ものの表現がステレオタイプな部分が若干鼻につくからか。
ストーリーの展開はやけにドロドロとしていて人間の業が作者の哲学をフィルターに展開されていく。作者の漫画デビュー作だが、いきなりの長編でストーリーテラーとしての資質もなかなか。この作品の直前に書かれた「シアトル喧嘩エレジー」という著者の小説も読んだ。著者の本質は若々しい熱さなのだ。

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[投稿:2009-04-19 21:56:53] [修正:2009-04-19 21:56:53] [このレビューのURL]

当時としてはとても絵がていねいで描き込まれていると感じていた。プロレスの存在がきっちり確立されたいた良き時代とタイアップした秀作だと思う。
今、読むとそりゃ古臭いし、現実に登場した佐山聡は漫画もアニメも超えた動きをするしで、あまり評価されることもなくなってしまったのだろうが。
ギミックのオンパレードで、しかも実在のプロレスラーの比率がアニメよりも多い。
決定的に違うのはラスト。
賛否両論間違いなし。

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[投稿:2009-04-18 01:20:52] [修正:2009-04-18 01:20:52] [このレビューのURL]

良作ゆえにここまで続いた、いわゆる大人のおとぎ話。
酒を描こうとすれば、人生を描かにゃならんのよ。という漫画界のど演歌ですな。球慢の第一人者らしく同ジャンルであれやこれと仕掛けていった作者の一つの到達点であり、ライフワーク。南海編しか読んでないけど、まあ、いいんじゃない。ゴルゴ13だって全巻読破してるなんて少数派でしょ。
私の読み方はBOOK OFFなんかで購入した本作をサウナに持ち込んで読むというパターン。作者にゃ申し訳ないんだが。
でもあぶさんがプロポーズした時にゃびっくりしたわい。

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[投稿:2009-04-15 23:39:45] [修正:2009-04-15 23:39:45] [このレビューのURL]

著者は漫画界では先駆的すぎて、むしろ現代でこそ評価を高めるべき一人だと思う。
本作にしろ、秘密探偵JAにしろ、夜明けのマッキーにしろ、今読んでも全然あせないどころか、これら作品に匹敵するアクション漫画はなかなか見当たらないのではないか。
グローバル化するジャパンコミック業界だが、奇をてらわない本当のナショナリティーを感じさせる。
007シリーズのエッセンスがぷんぷんするが、漫画でなかなかこうアクション映画のスケールを巧くは取り込めない。
ただ、作者に限って言えば駄作も相当数ある事も個人的には否めず、だからこそ、良作と思われる本作をもっと多くの人に読んでもらいたいと思う。

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[投稿:2009-04-14 22:38:54] [修正:2009-04-14 22:38:54] [このレビューのURL]

ばかばかしく真面目に面白い。
作者のヘンにリアルな作風は、漫画界にミョーなリアルギャグというジャンルを生み出しのたのではないか。ヘタウマ的な画が個性を際立たせている。しかし、個性的過ぎるがゆえにメジャーには決してなれない運命に。
プロレスという題材、世間様からは日陰者扱いの親父のキャラクターが哀しいくらいに作者の方向性とマッチしている。
リアル×リアルはシュールなのだ。

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[投稿:2009-04-14 22:25:59] [修正:2009-04-14 22:25:59] [このレビューのURL]

主人公は、フリーライターを宣言した直後から次から次へ災難に見舞われる。
務めていた職場は倒産、振り込まれるはずだった給料も入らず、アパートは立ち退きの目に。
私自身がそうだが、自己破産とか、そういう目にあえば、自分のアイデンティティーを振り返り、贅肉を削いだ生活とはなんだろうかと考える。何話目かの扉絵で、主人公とワープロ、エレキギターにラジカセなどが無造作に描かれたものがあったが、前述のまあいわば自分の依って立つにあたってのささやかな身の回りの小物達って結構、人生に重要なのではないかなどと思ってしまう。そういった気分をとてもよく表現していると、そして本作のテーマである、独り身の女性の自立という微妙にアダルトで、リアルでかつ生活臭がある世界観をよく表していると思う。
エッセイを土台にして描かれた作品らしい。作者はこうした地味だが気骨のある女性を描くのが上手だと感じる。

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[投稿:2009-04-14 22:16:44] [修正:2009-04-14 22:16:44] [このレビューのURL]

手塚治虫が漫画の絵は記号なんですみたいな事を言っていたような気がするが、著者の絵は今や完全に記号化している。
しかしおもしろい。
映画化された本作だが、原作をきっちり読んだ人はかなりの少数派ではないか。登場する一匹一匹の猫の個性も面白いが、一番面白いのは、主人公(つまり大島弓子本人)である。彼女の限りない猫への愛情が滑稽なほどで、漫画自体の魅力になっている。
擬人化された猫を経て猫を猫として描く本作は、なにかふっきれたものを感じる。

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[投稿:2009-04-09 22:53:32] [修正:2009-04-09 22:53:32] [このレビューのURL]

サルマタ、ラーメンライス、四畳半…。1時期を表現するアイテムって実はとても少ない。なぜだか、それらがとてつもなく懐かしく思い出される日が来る。若いと苦いって字が似ているよなぁなんてそういう味わいの作品。
作者は、おとぎ話の語り部のように戦争を語り、宇宙を語り、そして男を語る。
当時としては、ブ男が主人公の作品はとても珍しく新鮮だった。いや、かっこいいんだけど。

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[投稿:2009-04-02 22:56:14] [修正:2009-04-02 22:56:14] [このレビューのURL]

7点 鬼市

著者は歴史の絡んだホラー、というイメージが一般的だが、かなりとぼけた味わいあり、登場人物のりりしさがあったり、シュールな描写がありと、かなり独特な存在だと思う。
特に本作は、作者のそれぞれの味わいが絶妙に混在していて良作である。
(個人的な趣味もあるだろうが、作者のとぼけた一辺倒の作品やシュール面を強調しすぎた作品はあまり好きではない)
表題の「鬼市」の世界観は漫画よりも実写で見たい。作者のやぼったい画風(すまぬ)での味わいよりももう少しだけシリアスで緊迫した空気が生まれると思う。
しかし、この作者の絵は何年経っても垢抜けしない。まあ、これだけの大家ならそれもまた味か。
ちなみに私は著者の愛読者です。

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[投稿:2009-04-02 15:24:36] [修正:2009-04-02 15:24:36] [このレビューのURL]