「メカざわ」さんのページ
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自宅が漫画喫茶化しています。つけたレビューは、全巻所持・全巻読破・連載中は8割以上読破したもののみです。
レビューは「5」を基準につけていて、4以下は駄作扱い、6以上は良作、7超えで名作、9以上は神の領域としています。他の方と比べると辛口の評価なので、5以上の作品は悪くない作品たちですよ。極力、自分個人の採点ではなく、客観的に作品の完成度をみて得点をつけています(おもしろいと思ったから10点、自分は好きだから10点というつけかたはしません)。ただ、嫌いな作品はとことん叩きます。
私のレビューはこれから読もうとする人の参考となるように描いているつもりです。どうぞご参考までに。

10点 ONE PIECE
冒険漫画。絵はかなり良い。迫力あるシーンもあり表情に表現力がある。
そもそも漫画に一番必要なものというのは?キャラの個性?テーマ?画力?うん、どれも必要だとは思うけど、やはり一番重要なのはメリハリ。シリアルなだけでは堅い漫画になるし、深い取材によりリアリティを出しただけでは凡な作品になる。ギャグだけならばバカな作品に成り下がる。理想を言うならば「全てを取り入れた上で作品が暴走しないこと」これが重要。本作品は全てを取り入れ、それを上手くコントロールしている。完璧な芸術品である。
さらに言うならば表現力が多彩。戦闘シーンではドキドキさせる迫力満点に描き、回想シーンでは感情移入させ思わず涙がポロリと漏れる。キャラに個性がたっており数々の名言を残している。無理のない構成力で少年漫画にありがちな崩壊現象は皆無。
なにより評価すべきところは、作者が漫画を愛しているところである。縁の下の力持ちというか、細部にこそ手を抜かない。コミックにあるSBSを読んでくれれば分かることだが、普通に読み流していれば絶対に気づかないところに「作者のお遊び」を残しているのだ。このことから、どんな描写のコマにおいても、作者が手を抜かずに表現していることが伺える。そう、読者を楽しませるには作者も楽しんで描いていなければならないのだ。多くの漫画家はそこで勘違いしてひとりよがりなものを描いてしまうのだが、本作品は実に読者との調和がとれている。
とにかくすごいのは、少年漫画にありがちな勢いで描いてしまうということがないことだ。一つ一つの描いたことに根拠があり、設定の一つ一つに無理がない。背景で動く根本の壮大なストーリーは生きているし、どの話もそれを引き立てるコーヒーのミルクのような存在になっている。
これ以上私の受けた感動を表現すると、本作品以上の長編になってしまうかもしれない。一度は尾田先生に生まれて初めてのファンレターを描こうかとも思ったが、本レビューを捧げることで先生へのラブコールとさせていただこう。20世紀を代表すると名作がドラえもんであるならば、21世紀を代表する名作はワンピースで決まりだ。先生、いつまでもお元気で作品を描き続けてください。
ナイスレビュー: 5 票
[投稿:2009-08-19 21:52:01] [修正:2009-08-19 21:52:01]