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高橋しんは好きだけど、この作品はちょっとどうだろ?
高橋しんの魅力って、ふわっとした雰囲気でいろんな人間の姿を描けるところだと思ってるんですけど、この作品はそれが生かせていない気がしました。

展開もちょっとイマイチです。
巧く描けば名作に転換できる世界設定なんですけど、最初にほとんどそれを説明しちゃったもんだから、物語の中で「実は…」という部分を明かす展開にしかもっていけてないし、キャラクター中心の描写に頼るしかなくなってしまってます。

そのキャラクター描写もちょっとクドくて、常に泣いてたり笑いっぱなしだったりで読んでてしんどいものがありました。
その空気を明るくしようとギャグをたくさん盛り込んでいるも、どうも逆効果感が否めない。

なんて言うか、空回ってるような感じがする作品です。
作者のイメージでは「千と千尋の神隠し」+「風の谷のナウシカ」みたいなものを描きたかったのかもしれないが、それらは違うタイプの良さがあるものだと思うので、互いの良さを打ち消しあってるのではないでしょうか?

やはり高橋しんは、壮大な世界観より繊細な心理描写のほうが向いてる。

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[投稿:2006-02-23 02:49:05] [修正:2006-02-23 02:49:05]