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9点 鋼の錬金術師
間違いなく良作である。
世界観、設定、少年の苦悩、生命への賛歌。
しかしそれらの全てが、すっきりさっぱりきっちりかっちり、まとまってしまった。
あくまで作家の特性なのだろうが、
まとまりすぎて、小さく見える気がしないでもない。
が、しかし、
なんと科学的なSFであったろうか?
根っこにどすんとでたらめ(錬金術)を置いて、その上に構築された精密な科学的事象の数々。
小中学生、いや。ヘタしたら大人にも、等価交換の原則がどうのこうの、練成によって錬金術が云々…。
本気で信じた者はいるのではないだろうか?
一つ、改めて指摘しよう。金以外の物質から、金を作ること。これは今のところ、そしておそらく永久に、人類には不可能である。
身近?なところでは、水素からヘリウムを作る、核融合反応が、太陽の中で起きているのみ。
興味があったら元素表を確認されたい。金を合成するには、太陽が持つ質量のエネルギーでは、はるかに及ばないのである。
それがさらっと可能な世界。
これぞSF。ジスイズSF。
そんな世界観においても、人は生命は作り出せない。
こんな人間賛歌がかつてあっただろうか?
そして
それをたかだか10ヶ月でやってしまう女性達への言及。
この世界観の構築を、
あえて言う。
美しいゴシック建築の教会を味わうように、じっくりと味わってもらいたい。
残念ながら知識と感性のない者に、アーチの美しさを楽しむことはできないけれどw
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[投稿:2011-07-09 17:45:52] [修正:2011-07-09 17:45:52]