あらすじ 父の死の謎を追う少年飛鳥了。その内に悪魔(デーモン)は人間の理性が無くなったときにその体を乗っ取れるという仮説を打ち出す。親友の不動明を誘い,逆に悪魔の体の方を乗っ取ってやろうという計画を打ち出し,結果として不動明はデーモンの勇者アモンと合体し意識を乗っ取り,デビルマンになった。そして来たるデーモン軍団を迎え撃つ!!
備考
既存の少年漫画になかったエログロ、終末的思想、後半からの凄まじい展開は当時の読者に衝撃を与え、後年輩出された名作には少なからずこれの影響を受けたものも存在すると言われる。
70年代を代表する作品。
また、作者にとってもお気に入りの作品らしく文庫化や豪華版などにされたときには大幅の加筆修正も行っている。
デビルマンのレビュー
7点 shunさん
衝撃的な内容であるが、これは明らかに時代と共に楽しむ漫画であり、
連載当時からすると鮮度が落ちている。連載当時の中高生で見た人が一番得をする鮮度重視漫画だと思う。
古典として読む形になったが、当時作者が作り上げたコメディタッチの中に、バイオレンスを大胆に織り交ぜ、
衝撃的な展開と圧倒的なアクションシーンの迫力は、当時の読者を大いに楽しませただろうことは予想がつく。
今見ると古臭さが鼻をついて、読むのが少々辛い部分があるが、退廃的な漫画の元祖として学んだという印象。
現代の漫画がこの漫画を経由して、整理された展開になっているのだと痛感した。
画は作者特有のクセがあり、キャラクターデザインはさすがに古さを感じるも、とても印象的。
暗い世界観を、濃くて重い画と緊張感のある構成で構築できている。
終盤は、漫画界を越えて色々なジャンルの文化界に影響を与えたというのも理解できる衝撃的構成。
作者の狂気と作品の勢い、魂に訴えかけてくる熱いチカラを感じた。
この重厚さで全5巻というまとまりの良さも素晴らしい。できれば連載当時に見てみたかった。
そして、これ以降の作品達の、アイデアの源泉となった事実を大きく評価したい。
しかし、今の私の(できるだけ)フラットな目線で漫画的評価をすると、少し下げざるを得ない。
これは鮮度の落ちた漫画を評価するにおいてしかたのないことで、経典・古典としての評価と相殺した評価をした。
ホラー・バイオレンス・SF漫画の教科書として、漫画ファンなら読むべき漫画の一つであろう。
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[投稿:2015-02-09 11:01:31] [修正:2015-02-09 11:01:31] [このレビューのURL]
9点 hinohikariさん
評価が良かったので読んでみましたが衝撃的な作品でした。
自分が生まれる20年も前の作品なので、勧善懲悪もののヒーローモノかなと期待をしていなかったのですが、、、
スゴイです!!!期待を超えすぎ
ベルセルクなど、絶望系の漫画は何作品か読んだことがありますが、これ程絶望させられる作品は初めてでした。
というより救いが無さすぎです。。。。
どんどん回りの人間、世界が狂い、主人公までも狂い始め、救いがあるのか!!!と思わせた所で、今では考えられない様な絶望が起こされる、ラストの流れの勢いは期待していなかった分、心が震わされました。
たぶん・・・今やれば批判が殺到しそうな・・・
やはり40年も前の漫画なので、昔だなーとか思う点、気になってしまう点は多々ありますが、
それでもたったの5巻でこの衝撃、勢いは最近の作品では味わった事がありませんでした。
ぜひ同じ平成生まれの方にも読んでもらいたい作品です。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2014-08-26 06:21:41] [修正:2014-08-27 08:33:41] [このレビューのURL]
9点 ITSUKIさん
今更ながら読みました。
大した事はかけませんが、この短さでよくここまでまとめられるなぁと。
設定の勝利って感じです。
序盤に贅沢にページを割いているので、その奇抜な設定を違和感なく導入させています。
某シーンは非常に有名だったので知っていたのですが、それでもそれに至るまでの過程の描写が物凄い。
永井豪先生の作品をまともに読んだのは初めてでしたが、
終盤はやはり何かが作者にのりうつったかのような狂気を感じます。圧倒的。
ちなみに文庫版で読みましたが、他の方も触れているように、偉人編を無理に本編の途中にねじ込む必要があったのかと疑問です。
絵柄が明らかに前後と違っていて洗練されており、後で描かれたのが一目でわかりますし、本編の後に影響あるような伏線もありません。
単純に外伝としてよかったんじゃないかと思います。
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[投稿:2013-04-30 23:23:26] [修正:2013-04-30 23:23:26] [このレビューのURL]
10点 pazzoさん
最終巻の怒濤の展開は完全に永井豪に何かが乗り移っている。
一気に読み終えてしばらく何もする気になれなかった。
ガンメン、シレーヌなど、印象的なエピソードも多い。
粗も多いが、永井豪に乗り移った何かがそれをすべて吹き飛ばす、漫画というものが成熟していないからこそ生まれてであろうざらざらして、それでいて飛び抜けた作品。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2013-03-11 17:10:54] [修正:2013-03-11 17:10:54] [このレビューのURL]
9点 gkjさん
内容の多くは他の方も語っていますが、
子どもの時にテレビをみてから漫画をよんでみました。
そのあまりにリアリティのある恐ろしい内容に
恐怖するとともに なにか自分のまわりにも起こりうるような
人間の弱さ、社会のもろさを感じてました。
今のまんがは売れていればいつまでも引き延ばしてしまいますが
この漫画は作者の思った通りの長さでおわっています。
それがすばらしい。ぜひ一度フラットな気持ちでよんでみてください。
レビュー内容を忘れて。。(笑)
5巻という短さを感じない叙情詩。
作者自身この作品を超えられず 連載終了後に
デビルマンネタで何度も作品を書いています。
おそらく当時の永井さんに何者かが描かせたんじゃないだろうかと思うくらい
別格で本人も超えられない壁なんじゃないかなとおもっています。
ところで他の方もレビューに書いている
後半の偉人編は不要では?とありますが
あれこそが「新・デビルマン」と称して連載終了後に描かれた作品の1つです。
正直本編に組み込ませて読ませる今の文庫版のやりかたは
納得いかないですね。
勢いがそこで損なわれてるのがわかります。
新・デビルマンは今沢山量産されているデビルマンオマージュの単行本と並列にあつかってほしいとおもっています。
みなさん、あの部分は絵柄も違う事からわかるように
別作品です。
できれば飛ばしてよんでください(笑)
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-12-07 15:24:03] [修正:2012-12-11 19:51:22] [このレビューのURL]
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