おおきく振りかぶってのレビュー
8点 ジブリ好き!さん
勝利の際に大喜びするでもなく、ひたすら淡々と進んでいく野球漫画。
かといってテンポが速いかといえばむしろ遅い。試合に3巻以上かけるのは当たり前。また日常的な部分もかなり丁寧に描いている。
それでも個人的に面白いと思うのは、従来の野球漫画のような暑苦しさがないからだと思う。勝っても騒がない淡々としたテンポや、女性作者の画、恋愛のないストーリーに、主人公の武器が速球ではなくコントロールとスローボールという珍しい設定が、一切の暑苦しさを排除してくれているのだ。
高校野球らしい戦略野球、スモールベースボールを女性作家がここまで描いているのは凄すぎる。
主要キャラ以外のキャラが薄く、ピッチャーキャッチャー田島(4番)くらいしか感情移入できないのが難点かもしれない。でもそれも巻を重ねるごとに徐々に解消されつつある。
くよくよな主人公と強引な捕手、2人の極端な性格は葛藤と成長の材料。
二人が心を通わせ、真のバッテリーになるまで、長い目で見守ろうという心持でないと、この作品は辛いかも。
(2010年7月、最新15巻読了につき更新)
リアル志向のくせに綺麗すぎるという意見があります。
全くもってその通り、確かにたばこなし、反抗なしで綺麗すぎる。15巻では特に顕著。
でもそこが良いんです。
青春全部つぎ込んで、生活全部野球に捧げて、真っ直ぐで素直でモチベーション高く、親の理解・協力も万全。
こんなチーム、マジであったら1年だけでも確かに強い。
でもこんなチーム、どこにもあるわけないんすよ。
つまり、この作品、試合や練習法とかはリアル風味に仕立ててるけど、根本部分は漫画らしい「ぶっ飛んだ」設定なんです。
漫画の醍醐味、「虚構だからこそ楽しめる部分」をしっかり残してる。
というかむしろそこから出発させて、ただの超人スポーツ漫画にならないよう理論だった努力を付け加えたら綺麗になりすぎたって感じなのかな。
綺麗すぎて本格派じゃないって言う意見は確かに最もだけれど、じゃあルーキーズが非の打ち所なく満点、ってわけでもないはず。
要するにどちらも漫画らしく一点に突き進んだ作品で、かたや「不良の成長」を、かたや「真っ直ぐで理想的な野球生活」を描いたわけです。
だから個人的には、この漫画にはどこまでも綺麗であり続けてほしい。
それがこの漫画の楽しみ方だから。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-12-17 23:24:44] [修正:2010-07-12 00:51:16] [このレビューのURL]
4点 金魚さん
「野球好きなら楽しめる」という噂を耳にして、それならばと読んでみましたが…。
リアルなようでリアリティのない作品、というのが一番の印象。自分が元高校球児なので言えますが、この作品に出てくるような爽やかでピュアな高校球児は現実にはそうそういないと思います。奴らはもっとずる賢かったり、ドロドロしてたり、もしくは何も考えてないアホだったりします。
あと、ところどころ経験者からすれば「ん?」と思うような描写があったのも残念。たとえばサードランナーがファウルライン上にリードをとってたりとか。普通はフェアゾーン内で打球にあたらないようにファウルゾーン側にリードを取ります。リアル志向なだけにかえってこういう細かいところのミスが目立ってしまっています。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-07-07 01:09:42] [修正:2010-07-07 01:09:42] [このレビューのURL]
5点 kenkenさん
これは野球漫画ではなく野球部漫画だ、というレビューを見て納得しました
なるほどそれで野球のシーンが今一なワケだ
空間を表現する力に欠けるのかグラウンド内の距離感が酷い事になってた
はっきり言って迫力は皆無。でも野球自体はメインじゃないのか
でも部内描写も決して上手くできてるとは思えないけどなあ
部員達もいかにも「女が想像するリアルな男子」って感じだし
全員赤面症かよって位ちょっとした事で赤らめるし
非現実的なくらい「性」を想起させる場面がない。意図的なんだろうけど
でも部内をリアルに描きたいんならそういうのは切り離せない要素だと思うけどな
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-07-18 19:27:01] [修正:2008-07-18 19:27:01] [このレビューのURL]
8点 電光石火さん
9点をつけるかどうか迷った。
いわゆるスポーツものだが、野球に詳しくないと描けない漫画で、野球好きにはたまらない。
それぞれのキャラも魅力的に描かれているし、(何故だか腐女子人気が高いのが少しアレだが…)心情描写も細かくていい。負けたチームの選手が泣いているシーンでは思わずもらい泣きしそうになってしまう。
作者のほかの作品もかなり秀逸なのでオススメ。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-04-12 23:53:48] [修正:2008-04-12 23:53:48] [このレビューのURL]
7点 なめくぢさん
この作品の作者は野球を知っている。
それ故にグラウンドで実際にプレーをする
選手達の心理を子細に描写できている。
この作者はむしろ知りすぎているのかもしれない。
かけ引きを濃密に描くがあまり、スポーツ漫画における
大事な要素であるスピード感を失った。
更に痛いのは、どうしても登場人物が多くなるスポーツ物を描く上で、描き分けることが出来ていないこと。
「こいつとあいつの区別がつかねぇ」
ってこともあるかもしれない。
斬新な野球漫画だし、夢中になって読むことも出来るが、
例えば「アイシールド21」のように
爽快感をひたすら追求した漫画とは対極に位置する漫画。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2007-05-09 19:03:15] [修正:2007-05-09 19:03:15] [このレビューのURL]
PR