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7.58点(レビュー数:29人)

作者沙村広明

巻数30巻 (完結)

連載誌月刊アフタヌーン:1994年~ / 講談社

更新時刻 2009-11-25 06:27:00

あらすじ 国中の剣という剣を滅ぼし、あらゆる流派を統一せんとする剣客集団、逸刀流。彼らに両親を奪われた少女・浅野凛。復讐を誓いながらも、己の剣技が逸刀流には遠く及ばぬことを八百比丘尼に諭された凛は、「最強の用心棒を雇え」という助言のままに万次と出会う。凛に妹の面影を見た万次は用心棒を引き受け、逸刀流剣士たちと壮絶な死闘を繰り広げることとなる。

備考 1997年に第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。また、英語版が2000年にアイズナー賞最優秀国際作品部門を受賞している。2008年夏よりテレビアニメ全13話も放送された。

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無限の住人のレビュー

点数別:
11件~ 15件を表示/全25 件

8点 フクポルさん

<所持歴:全巻。収集中>

これが作者の初連載作品とは思えない素晴らしい出来。

最初に読んだ時、
・序盤は黒鉄(冬目景)っぽい(人物描写も冬目景ちっくになる)
・ベルセルクみたいな重々しい感じ
なんてことを思いましたが、全くもってマイナスポイントではないです。
冬目景好き・ベルセルク好きな自分なので、そういう風に見えるんでしょう。
(作者は冬目景先生の大学の後輩らしいので、その辺りも影響してるかも)


さて本題。
序盤は万次・凛の主人公目線で物語が進み、それにより相対する逸刀流は
いわゆる「悪役」の位置付け。
しかし、1方から見れば裏であっても逆から見ればそれは表となるように、逸刀流の目線での話になると、そこにはキチンとした筋があり、一概に「悪役」とは言えない程。
更に無骸流が出てきて、もう単純に「こいつは悪役」なんていう見方は出来なくなります。
他作品のように「悪役にカリスマ性を持たせた」というのとはちょっと違う気がします。

主人公サイド(万次・凛)
逸刀流サイド(天津、他)
無骸流→六鬼団サイド(吐、他)
幕府サイド(英、他)
これらが入り乱れ、積み重ねられて描かれてますので、物語は重厚です。
(英はちょっと噛ませ犬的な感じですが)
どの立場に立って読んでも違和感無く読めます。
それは長所なんですが、1歩間違えれば短所にもなり得るかと。

このまま最終章を上手く纏められれば、文句なしに名作の仲間入り。



ちなみに、自分は単行本を最新巻(25巻)まで一気読みしたんですが、そのせいもあってか、他の方が言われる「監禁編がだるい」ってのはそれ程感じませんでした。
あくまで「それ程」であって、確かにちと長いかなとは思いましたが。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-01-09 22:18:35] [修正:2010-02-07 21:20:06] [このレビューのURL]

10点 B・Aさん

○最初に連載された当時から、あまりにも上手すぎて、新しくてびっくりした記憶のある作品です。

○何がすごいって、この人の描く時代劇は本当にそこに生活している感じが匂ってくるんですね。ネオ時代劇なんて喧伝されていますが、もし時代考証をちゃんとやっていたら、ものすごくつまらない世界観になっていたかも知れません。

○ただ、この作品。通常の意味で面白いかと言われれば、そこまで面白くはありません(笑)。

○話のバランスは悪いし、話自体も逸刀流との復讐劇まではよかったのですが、そこに幕府の人間事情が絡んできたり、本筋なのか微妙な『不死解明編』が長大な分量になっていたりで、漫然と読むにはいいですが、ちゃんと読もうとすると、どこに腰をすえて読めばいいのか分からなくなってしまうのではないでしょうか。

○ただ、それを差し置いても、マンガ界では数少ない作家の一人だと思っています。


○まず何よりしびれるのは、そのデッサンです。

○アクションシーンのかっこよさはもとより、ただの会話のシーン、何気なく話しているときの手のアップの時とかに、そのセンスの良さにしびれてしまうんです。(もちろんデッサンがうまいということとは別の話として)

○例えば、卍が通行手形を手に入れようと逸刀流を街道で待ち伏せるシーン。
後に卍が敵だとばれてしまうという演出的な意味もあり、逸刀流の三人の足のアップを撮り続けるシーンがあるのですが、あれをあれだけ情感豊かに描ける人っていうのは、そこまでいないんじゃないかと思います。

○そして、そのデッサンの動きが実に見事なんですね。
ただ歩くシーンにしても、普通なら足を踏み出す所と両足が地面に着くところの2パターンだと思うんですけど、彼は違うんです。
歩き出そうとして重心が前のめりになった瞬間を描くんです。

○これが、とてもしびれる。だからこそ、例えその回が何の興味のない事を話しているだけの回だとしても(失礼!)その絵を見るために読んでしまうんだと思います。

○エロティックな表現やサディスティックな表現にも魅力的な部分は(その分野に興味はなかったとしても)多々あると思いますが、それだけ色んな部分に魅力を感じれる作家っていうのは、やはりすごいことなんだと思います。


○絵の魅力というと『バガボンド』も同じような立ち位置だと思うんですが、井上雄彦先生の魅力は主にキャラクターであって、沙村先生のそれはやはりデッサン(動き)の魅力だと思っています。

○もちろんバガボンドもおすすめだし好きです。
これも話は面白いとは言い難いですが(笑)。


最後にこの作品、点数を7点にしようか10点にしようか悩みました。
自分の基準で言えば7点でもよかったかな、とも思ったのですが、やはりマンガ界で自分の中で屈指の存在でもあることを考慮して10点にしました。

『難あれど名作』そんな感じでしょうか。



ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-01-24 09:58:46] [修正:2010-01-24 10:03:36] [このレビューのURL]

8点 bugbugさん

加賀編までは文句なしに面白いんですが、最近の展開が微妙
連載中で、今現在最終章なので、結末に期待です

NEO時代劇と銘打っているだけに
時代考証をすっ飛ばした世界観は新しくて好きです
ただ、絵は一級品ですが、バトルの描写があまり上手ではない印象を受ける
それよりはむしろ、登場人物とエログロ描写が魅力的

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-01-22 21:31:40] [修正:2009-01-22 21:32:29] [このレビューのURL]

8点 カメ田さん

連載当初から質の高いおもしろい漫画でした。
ただ監禁編は長くてだるくておもしろくなかった。

最終章が始まってますが好きな作品なので、
しょーもない終わり方しないでほしいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-12-12 01:44:33] [修正:2008-12-12 01:44:33] [このレビューのURL]

8点 たにやんさん

どんどん惹き込まれた作品。
キャラクターが魅力的!

監禁編の評判は悪かったのですが、単行本でぱーっと見たら全然面白かったです(´・ω・`)
でも残酷で読み手を選んじゃうかも。



ただ、この作品、
どういう最終回を迎えるのだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-06-07 02:14:00] [修正:2008-06-07 02:14:00] [このレビューのURL]

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