ブラック・ジャックのレビュー
10点 十歩神拳さん
この作品が名作と呼ばれる理由として、漫画史的な価値やクオリティ、重厚なメッセージ性などは勿論、キャラクターのリアルな存在感が挙げられると思います。
例えば主人公であるブラック・ジャックには紙の上の人物とは思えない深みがあります。
彼の理念には作中通して一貫性があり、さらに彼の心理描写は非常に繊細に描かれているため、多くの読者は自分の中でのブラック・ジャックというキャラクター像をまるで知り合いのようにはっきりと確立しているはずです。
ところが、作中に登場する多くのキャラクターは彼の内面を知る機会などないので、彼の言動に不快感をあらわにする場面が目立ちます。
ここまで表面上と内面で相手に与える印象が異なる2次元のキャラクターというのもそうはいないでしょう。
またブラック・ジャックは、彼を深く理解していると思っている読者すら予想だにしない言動をとる場合もあります。なぜなら彼は非常に気まぐれ屋さんだからです。このイレギュラーな思考が、さらに彼の存在にリアルさを与えているように思えます。
240話以上のエピソードを重ねても、その片鱗しか掴めないほど彼の心は奥深く、未だ解明されていません。だからこそ漫画の登場人物という枠組みを超えた存在感を放ち続けているのでしょう。
そして、記憶に残る「名言」が多い本作ですが、そんな彼が放つからこそ、彼の言葉は読者の心の奥底まで響くのだと思います。
ここではブラック・ジャックについて語らせてもらいましたが、ピノコやドクター・キリコをはじめとする多くの骨太な登場人物からもまた、確かな存在感を感じます。
多くの読者がブラック・ジャックをはじめとする魅力的な登場人物に魅せられた、これが連載終了から20年以上たった今でもこの作品が多くの人に愛される一番の理由ではないでしょうか。
ナイスレビュー: 3 票
[投稿:2009-12-24 12:12:24] [修正:2009-12-24 12:32:20] [このレビューのURL]
9点 ひらがなさん
手術料に多額の金を要求する医者。
実は無免許医・・・しかし、腕は確かで、
普通の医者なら治すのが困難な病気も、高確率で治せてしまう。
その為、死を宣告された患者は皆泣いて頼みに来る。
払うのを拒んだ患者や、患者の身内には決まって
「良いですかい、金を払えば命が助かるんですよ?」
と問いただす。
それでも助かりたい患者、助けたい身内は
「払います、だから助けてください!」
と依頼する。
基本的にはコレの繰り返し。
しかし、この漫画の凄い所は手術後の患者の
人生をも描写しているところだ・・・。
治してもらっても、無駄に過ごしてしまう者・・・
それでも、自殺してしまったり、死んでしまったり・・・
万能であって、決して万能ではない、其処がこの漫画の面白いところ。
また、ブラックジャックにも甘い一面があり
恩を受けたり、約束をした人には、
「恩を返さなくては・・・。」
「約束は守ってもらわなくちゃ困る・・・。」
と言って、無償に近い金額で治療する。
こういう人間臭い所も、ブラックジャックの面白いところです。
載っている病気や怪我は、基本的に作者の創作、或いは
本当に在る病気を大げさに描写した物・・・。
結構色んなことを考えさせられる漫画です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-09-30 14:09:02] [修正:2009-09-30 14:09:02] [このレビューのURL]
9点 イカ墨さん
さすが手塚先生だと思います。一話完結では個人的にマスターキートンよりも好きです
ぜひ読んでみてください
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2009-08-23 12:06:27] [修正:2009-08-23 12:06:27] [このレビューのURL]
9点 Mr.Xさん
これをなしにして、今の手塚治虫の知名度はなかったでしょう。
よく、スランプの時代を抜け出して、これだけの作品を作り上げたものだと関心します。
手塚独特の温かい絵と完成されたストーリーは圧巻です。
まさに誰もが知る傑作漫画だと思います。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2009-08-20 13:14:42] [修正:2009-08-20 13:14:42] [このレビューのURL]
9点 薫海宏幸さん
医療漫画の金字塔。
もともとは手塚治虫の引退作として描かれていたものだったが大ヒットしたため、同氏の名声を高めた作品。
ほとんどの話が一話完結で、そのジャンルでは最も完成された作品。ちなみに1,2巻の初版には30周年のロゴが入っていません。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2009-07-18 19:48:40] [修正:2009-07-18 19:48:40] [このレビューのURL]
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