封神演義のレビュー
6点 コステロガーデンさん
原作への挑戦状!
この作品はなんといっても数多く登場するキャラの個性と
時代背景をイイ意味で無視した遊び心溢れるアンバランスな世界観だと思います。
登場人物達が身に纏う、特徴あるデザインのコスチュームは古代中国風でありながら、
しばし近未来的だったり、近代的だったりしています。
そんな個性的なコスチュームをまとった彼等の人物像もまた個性的で、
本来ならば古典的雰囲気漂う人物像を、見事アレンジし現代人に馴染み易い人物像に組み替えています。
特にセリフは各々の個性を適格に表しており、セリフだけを読んで、それが誰のセリフなのか判ってしまうくらい。
これは、キャラが多く誰が誰やらという状態になりうるこの作品を
より分かりやすくする為の最良の方法だったと思います。
そして世界観。
民衆の格好や建物は古代中国そのものなのに、
一方ではバスケでインターハイに出たことのある人間がいたり、いきなり「3分間クッキング〜!」が始まったり、
時代という枠が取り外され、ストーリーのシリアスな部分とギャグとが境界線を持たずに混在しています。
それも違和感なく見事にミックスされており、作者のセンスを感じずにはいられません。
そのアンバランスな世界観も最終的にはSF的な広がりすら見せていて、ある意味原作を超えてます。
内容とは関係ないのですが、個人的に気に入っているトコロがひとつ。
それは表紙。
全23巻、それぞれ表紙を飾る人物が異なり、
その表紙を飾った人物は必ず同巻内で活躍(当てはまらない巻も存在するが)をしているという、
この作者の遊び心にも似たこだわりが、なんとも好印象。並べると結構圧巻。
◇この作品の個人的価値=全23部で 2800円也
ナイスレビュー: 5 票
[投稿:2005-10-13 21:05:17] [修正:2005-10-13 21:05:17] [このレビューのURL]
8点 aaaaaaさん
俺的には真面目に完全版集めようかと思ってます。
藤崎竜の壊れ感覚がベストマッチ!
ミスマッチだって?いやいやホントはベストマッチですよ!
ミスマッチだけどそれがベストマッチ!なんです。
これは見た人にしか判らない感覚です。
とりあえず壊すところはトコトン壊してます!なのに壮大な背景&真面目な展開もあますとこなく…。
この人しか書けないものが失敗せずに良い形になってます!
ただこれは途中から見ても全然面白くないです。
というか話がわからないんですね、イミフって奴です。
ちゃんと1巻から順々と、なるべくなら一気に読んだ方が良いかなぁ。
<追加>久しぶりにまた読みました。
この人は本当にオンリーワンな漫画家さんだと思います。すごい。
そういやこの漫画とスラムダンクみて漫画家にマジでなりたいって思ってたことあったなぁと小学校のときの思い出にふけてました。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2005-10-13 23:46:47] [修正:2005-10-13 23:46:47] [このレビューのURL]
9点 N0Bさん
完結しています。 全巻読みました。
原作は中国の古典長編怪奇小説で原作そのものは歴史上の人物や、道教や仏教の仙人、神話の中の神々などが入り乱れて登場する『封神演義』ですが、「フジリュー」こと藤崎竜先生の独自の世界観で大胆なアレンジをふんだんに加えられて、かなりコミカルかつファンタジーな仕上がりになっています。
大筋の話は主人公が仙人界で道士として修行しながら、仙人達を人間界から追い出していく「封神計画」を進めて行き、人間界でも新たな王が生まれたり、時代の道標という裏の存在が出てきたりと、スケールの大きな話なのですが、一人一人のキャラクターの個性をうまく引き出しながら描いていますし、何よりも当時のジャンプでは珍しく、弱いけど頭脳戦で勝利する主人公が非常に魅力的に描かれていて良かったです。
私は中学時代に原作の文庫(分厚い上中下巻セットの長編です)も読んだのですが、登場人物が多すぎたり、表現が難しかったりで、文庫版の読者の為に発行されているガイドブックまで買ったのですが、原作を読めば読むほど、藤崎先生のデフォルメ力というかアレンジ力の凄さを感じました。
藤崎先生の線の細い綺麗な絵と独特なキャラデザがものすごく活きている傑作だと思います。面白いです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-08-15 15:57:06] [修正:2012-08-20 17:35:04] [このレビューのURL]
7点 たこやきさん
まとまっていて完成度が高い
ただ最後のへんは物語が大きくなっているのに話としてうーんといったところ
初期からライバルとしていたキャラと結局戦わないのも・・・
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-10-28 03:12:34] [修正:2009-10-28 03:12:34] [このレビューのURL]
7点 右から左へ。さん
仇敵が魅力的な漫画。原作は読んでいない。
原作があるから、難解な哲学っぽくならなくてよかった気がする。もっとも、原作をかなりアレンジしたようではあるが。藤崎竜の漫画はある程度歯止めがないと、分かりづらくなって少年漫画に向かなくなるだけでなく、一般の読者にも読むのがつらくなる。ここらで話を戻すと。
何より妲己が最後まで魅力的な悪役を演じられたということが、この漫画を面白くさせた。紂王を操り、国を乱す悪女という初めの設定は、いかにもな悪役像である。だが、その真意が、話を進めていくごとに徐々に明らかとなっていく。その大筋の流れが決定していたからこそ、様々な伏線が回収でき、壮大なスケールの話となっても話が破綻せずに、持ちこたえることができた原因であると思う。
また、読者と等身大の主人公に好感が持てた。常に精一杯、力一杯、限界まで頑張る、既存の少年漫画の主人公像のイメージが、私の中ではこの作品で変えられた。ダルいダルい、と普段はサボっているが、やらなければならないときには力を入れて頑張る。そういうメリハリのよさが見てて好感が持てた。この後に続くだるだる系主人公にも影響を与えたのではないだろうか。
全体的に、少年漫画としては伏線を何とか回収しつつ、ラストまでうまくまとめた感のある漫画である。さらに、脇役にも恵まれて、華のある漫画となった。夢中になって読むことのできる、良作の少年漫画。ぜひ一読していただきたい。7点。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-10-19 16:06:46] [修正:2008-10-19 16:06:46] [このレビューのURL]
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