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7.81点(レビュー数:32人)

作者尾瀬あきら

巻数12巻 (完結)

連載誌モーニング:1988年~ / 講談社

更新時刻 2011-08-27 01:12:06

あらすじ 東京でコピーライターの仕事をしている佐伯夏子の実家は佐伯酒造という造り酒屋。
コピーライターの仕事が波に乗った矢先、兄が急死。亡き兄の意志を継ぎ、実家に戻った夏子は伝説の米「龍錦」で最高の酒を造ろうとする。

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夏子の酒のレビュー

点数別:
16件~ 20件を表示/全30 件

6点 もも治良さん

 夏子は人間じゃない、あれじゃ酒造サイボーグ010だ。
 強すぎるし美しすぎる。

でも、兎にも角にも感動はできました。イブニング連載中のもやしもんに日本酒について書かれている所があるのですが比べてみるのも面白いです。夏子の酒ともやしもんには16年の差があります、結構昔の漫画なんですね夏子の酒って。


 ・・・しかし、二日酔いの日には絶対に思い出したくないし考えたくもない漫画だ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-12 06:18:54] [修正:2009-12-15 14:05:46] [このレビューのURL]

9点 いーいす。さん

 
 夏子の酒造りに対する情熱に疑問を持ってしまったところがありました。

 なんでここまで頑張るのだろうかと?私が白けた人間なのかも知れませんがそれは置いておいても、酒蔵の娘なら当然このように考えるし、当然読者も納得する筈(しなければならない筈?)だと作者が思っていたような気がします。

 天才は理解できませんと言われれば「ああ、成程まったくその通り。」と思いますが・・・現実ならともかく読者には理解させて欲しい。それに他の漫画の話になりますが、昴のバレーへの情熱に読んでて疑問を持ったことは一度もなかったので・・・

 
 でもそれらの疑問も完結まで読めば納得できる様になっているなと思えました、何度も読み返せますし登場人物達の感動といったものと、何かを創る喜びも確りと伝わってきます。それに日本酒に対するものの考え方を変えてくれました。


 読んで良かったと思える日本酒の啓蒙作です。ぜひ他の人にも読んで貰いたいと思いますし、お薦めしたいと思います。
 

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-12 04:49:56] [修正:2009-12-12 06:00:04] [このレビューのURL]

7点 DEIMOSさん

酒造り、を題材にしたクリエイター漫画。

作り酒屋の娘、夏子が、亡き兄の思いを受け継いで、日本一の吟醸酒造りに挑む作品。
全巻とおして描かれるのは、ただ、それだけである。プロットとしてはそれ以上でもそれ以下でもない。
ただ、その過程で紡がれる困難と解決、人間同士のぶつかり合いを丁寧に描く姿勢にはただ感服するばかりである。

また、この話における酒造りとは、畢竟、エンターテイメントのプロデュースである。コンテンツ製作とのアナロジーでは、蔵元=プロデューサーだし、杜氏=ディレクター、醸造職人=スタッフ、農家=原作者であるといえよう。酒という娯楽作品にかける情熱は、往々にして、利潤追求とは反した行動原理を導く。現実的農薬農法と理想的有機農法の対立は、ポスト資本主義社会の環境調和指向型社会の到来を彷彿とさせる。もはや、夏子の酒は、ものづくりに携わる全ての人間に通じる普遍性をもっているのである。

そして、その熱い魂に共感した読者は、
自然と酒屋で酒選びをしてしまうことだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-11-01 19:44:49] [修正:2009-12-24 02:05:44] [このレビューのURL]

9点 taroさん

ストーリーも良く、扱うテーマは大きいが説教臭くない。
なにより面白い。
あまり漫画を読まない人にも、ぜひ読んで貰いたいと思う作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-06-19 22:46:40] [修正:2009-06-19 22:46:40] [このレビューのURL]

10点 鋼鉄くらげさん

普段、私が読んでいる漫画が「ジュース」や「スポーツ飲料」の様なものだとしたら、この作品は正に「酒」。甘みは無いが、渋みと旨みを感じさせてくれる作品です。

優れている。というだけの言葉で表現していいのか。安易に品評するのもおこがましい様な、実に味わい深く、崇高な作品です。

作品に対して明確なテーマ設定を行ない、それに基づいて入念な下調べや調査、事前準備を行なっていく。また、製作中も1ページ、1ページ。1コマ、1コマ。細部に渡るまで入念な書き込みを行ない、手間や労力を惜しまない。

その姿はまるで、たった一言の「美味い」を聞くために、長い期間を掛けて酒造りを行なっている職人達の姿そのもののようです。そんなストイックで朴訥な姿を見せられると、本来の「漫画家」の仕事とはこういうものを指すのだと、改めて実感させられる作品です。

一方、恐ろしいのは、この作品が世に出されたのが、実に二十年以上も前の事であること。つまり、この時から既に、農業の問題点が、作品中で指摘されているように、問題視されていた、という事。今現在、日本の酒造業がどのような酒造りを行なっているのか。そして、今現在、市場に出回っている酒類はどのような醸造工程を経て作られた物なのか。また、日本の農業は、どのような土を使って作物を育てているのか、とても心配でなりません。

この作品を通して、米作りや酒造りの大変さや苦労を改めて見てみると、万物には霊魂が宿るといった、アニミズムの信仰も決して原始的な発想から生まれたものではないように感じます。それは言うなれば、命を育てるという事がいかに苦労の果てに生まれるものであるか。そしてその苦労は決して軽んじられるものではなく、また無下にされるものでもない。それはつまり、生命への感謝であるという事。この作品を通して、私はそのように感じました。

最後に、漫画に限らず芸術というのは、結局、価値観や感性の共鳴だと思っているので、ある一つの作品が万人に受け入れられるとは決して思っていないのですが、それでも、この作品はぜひ多くの人に読んでもらいたいと思える作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-06-16 20:34:48] [修正:2009-06-16 20:34:48] [このレビューのURL]

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