MONSTERのレビュー
1点 霧立さん
かなりがっかりした作品。
導入部はとても面白く、深いテーマ性を
感じさせる展開に見え、期待も大きかったのだが
見事に裏切られたのでこの点数です。
もっとも残念だったのは、ヨハンが「描かれなかった」こと。
彼を通じて、作品中にも出た言葉「絶対悪」を
いかに表現し、読者に問うのか。人が狂い、狂わされる道程、
そこに至る絶望や苦悩をどれだけ説得力を持って紐解いてくれるのかを
期待していたのだが、全く読み手に伝わってこず、
彼自身から何の恐怖も悲しみも見いだせない、
なんとも薄っぺらなキャラクターになってしまった。
本人の思考の遷移が納得のいう形で読者に提示
出来なかったのも致命的。
結局彼は何がしたかったのか。
思わせぶりに色々なことに手を出した挙句、
妹に勘違いを諭されて破滅の道を歩むとか、
小物感が満載です。
とはいえ、見方を変えれば
この物語はヨハンを中心とした一連の流れに巻き込まれた、
テンマを中心とした多くのサブキャラクター達の心の傷、
葛藤を描き、また前へと踏み出していく心の勇気の物語。
ヨハンはその人々の心に影を落とす亡霊のようなもの。
そういう風に割り切れば展開もまとまっていますし
粗末にされているキャラクターもなく、物語として完結して
いるといえます。
つまるところこの作品に何を求めるかで評価が変わってくる
作品だと思います。
そうした意味ではこの点数は一面的かもしれません。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-06-25 12:54:58] [修正:2010-06-25 12:54:58] [このレビューのURL]
4点 いーらびさん
伏線張りまくった割りに不完全燃焼で物足りない。
もう少しどうにかすれば凄く面白くなりそうな題材なのに、
決定的な何かが抜け落ちている。
その意味で「20世紀少年」とダブる。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-04-16 10:43:22] [修正:2010-04-16 10:43:22] [このレビューのURL]
7点 ジブリ好き!さん
完成された世界観とヨーロッパの街並みが魅力の作品。
最初、この作者のスタンスは、伏線ぶちまけといてある程度は回収してやるけど後はお前らで拾え、って感じだと思っていたが、この作品に限らず、話の中で補完できないなら自分で補完してしまえばいいと思うようになった。もちろん、この話の続きを勝手に想像するとかじゃなくて、この話を読んで感じたことや、少ない情報から推測できることを繋いでいけばいいと思う。
ラストに何を含んだのかは確かに不明瞭ですが、作者がどんな意味を込めていようが、この物語の意味は自分自身の感性で求めればいい。それは、作者がこれはこう読め、と補完できるように情報を与えられ盲目的に読まされてしまう作品ではできない、こういった作品でのみ許された特権です。
ただ、やはり伏線化してストーリーを引き延ばしていく手法が、自分には終始じれったく感じました。連載では続きを気にさせる良い方法かもしれませんが、長引いて話がわかりにくくなるし、単行本では終始まだかまだかと生殺しにされた気分でした。
ところどころストーリーと関係ない話がありますが、その部分も面白かったりします。あとは、ヨハンを巡る、もしくはテンマ達を巡る冒険で、僕らが何を感じられたかで、評価が決まるのだと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-03-20 10:41:39] [修正:2010-04-07 01:53:26] [このレビューのURL]
6点 かずーさん
面白いし夢中になれる作品には間違いない。
ただ伏線張りすぎで、途中話の相関関係が分からなくなったり、ちょっと
頭がこんがらがったりする。かなり気合いを入れて読まないと・・・。
また張りすぎた伏線を回収できたか疑問が残るし、ラストが少し拍子抜けの
ような気がする。最終的にラスボス(敵)の伏線の張り方に疑問が残った。
だから拍子抜けするのかなあ、と感じました。
良くも悪くも浦沢ワールド全開。
アンチ浦沢以外は読んで損のない作品です。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-02-16 19:16:46] [修正:2010-02-16 19:16:46] [このレビューのURL]
7点 フクポルさん
<所持歴:全巻>
これぞ本当のミステリー。
けどラストもミステリアス・・・
そこが良いのかもしれませんが、後読感という点では
もう少しスッキリさせて欲しかったかな、と。
そんな意味で、他の作品(ARMY、キートン)より-1点。
でも、間違いなく名作。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2008-03-06 22:12:37] [修正:2010-02-07 21:13:29] [このレビューのURL]
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