ホーム > 不明 > 別冊少年マガジン > 惡の華

7.06点(レビュー数:16人)

作者押見修造

巻数11巻 (完結)

連載誌別冊少年マガジン:2009年~ / 講談社

更新時刻 2012-02-08 02:28:13

あらすじ ボードレールを愛する少年、春日高男。ある日、彼は、放課後の教室に落ちていた、大好きな佐伯奈々子の体操着を、思わず盗ってしまう。それを、嫌われ者の少女・仲村佐和に見られていたことが発覚!! 盗んだことをバラされたくない春日に、彼女が求めた“契約”とは…!?

シェア
Check

惡の華のレビュー

点数別:
6件~ 10件を表示/全16 件

7点 ジブリ好き!さん

大なり小なり思春期の内に鬱屈としたものを抱える少年というのは多いと思う。自分の心の中だけに存在する、誰にも知られたくない中二病、あるいは変態性。誰に打ち明けるでもなく自分の中だけで育んでいくからこそ、その妄想は自身の精神バランスを保つ鎮静剤となりうる。
しかし主人公の隠し通さねばならないそれは、ドS女にばれてしまうのだ。
そうして主人公は仲村さんの操り人形となる。仲村さんもまた、自身の中に底なしの鬱屈さを抱えていた。一見、彼女はそれを大々的にぶちまけているように見えるが、二人だけが見ることのできる本当の心の闇━━悪の華は、大きく、気高く、成長していくのであった……

漂流ネットカフェは合わなかったけど、これは面白いです。

(追記 第2部 1点UP)
文学(?)少女との交流、そして彼女の抱えていた孤独感に共感できて、最近の展開が面白いです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-08-24 12:34:56] [修正:2012-11-18 22:46:21] [このレビューのURL]

7点 ITSUKIさん

表紙も凄いですがクラスのマドンナ佐伯さんの体操着を盗んで帰ってしまうという導入のインパクトが非常に強かったです。

ドSヒロイン仲村さんにそれがバレても、「自分は純情で一途な恋をしていて、盗んでしまったのは事故だ」と主張を続ける主人公。
(しかもなんと主人公はそれがきっかけで佐伯さんと恋人になってしまいます)
確かに作中で表現されている限りだと主人公の言い分も最もに思えます。

しかしこの作品で仲村さんが無理難題を「契約」と称して主人公におしつけているのは、そういう表面上は最もそうに見える部分を取っ払って心の奥底で隠し持っていた本音や黒い部分をハッキリさせる為でしょう。
特に意味もわからずボードレールの「惡の華」を好んだりしている中二真っ最中な思春期男子のごちゃごちゃした感情をど直球に暴いていく様に今後も注目です。

画力も有りますし、特に仲村さんの目つきは素晴らしいです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-06-04 18:02:31] [修正:2011-06-04 18:02:31] [このレビューのURL]

5点 amazonlyさん

物語終盤にあたる巻はすぐ読み終えてしまうほど内容が薄く、意外と高く評価されてるのが不思議。
これ系の陰湿な題材を扱った漫画って誰もが納得するようなスッキリする結末が描かれてたのを見たことがない。
聲の形やアイアムアヒーローや善悪の屑よろしく、読んでて気持ち悪くなることが多々あったけど怖いもの見たさの感覚で次の話を早く読みたいと思わせるエンタメ性は高かったかな

ナイスレビュー: 0

[投稿:2024-02-21 16:10:02] [修正:2024-02-21 16:13:30] [このレビューのURL]

7点 勾玉さん

[ネタバレあり]

第二次成長が始まり心身ともに変化の訪れる思春期、不安定なバランスの中で
鬱屈した感情が衝動的な行動に走らせる、というのはよく聞く話だ。

この漫画の主人公もそんな思春期の真っ只中にあり、
そこに中村さんという存在がトリガーになって暴走を始める。
だが特別不幸な生い立ちにあった訳でもないのに、
あそこまで自暴自棄な行いを繰り返したことは実のところあまり共感できていない。
周囲を巻き込みながら罪を重ねていく様子も
現実から必死に逃避しようともがいているようで痛々しく、
ページをめくる手も重くなっていった。

自分がこの漫画を楽しんで読めるようになったのは、
高校生になった彼が過去を背負いつつも前へ踏み出そうとし始めた後半の物語の方だ、
同級生の常盤さんとの恋愛模様も加わり前半とはうってかわってスラスラと読むことが出来た。
後半の展開は割と普通の青春漫画のようでもあるが、
前半の後ろ暗い過去がバックボーンとなり思春期の浮き沈みをより引き立たせている。
終わり方もまた良い、女子の体操着を盗んだところから始まり破滅の道を突き進んでいた物語が、
まさかこんな晴れやかな結末見せてくれるとは、予想外の嬉しい誤算だった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-12-15 09:56:30] [修正:2020-03-23 02:31:41] [このレビューのURL]

8点 yumenneさん

 この漫画家はさながら昔の小説家のように、真摯に自分の内面に向き合っていてその姿勢がとても好きです。

青年漫画ではそういう人間的な内面を浮き彫りに語ろうという作品はよく見られますが、結局著者に自らに没入し人間を見つめ直すだけの気概はなく、大げさな空回りをしているような作品が多いと感じます。
この作品では、前衛的な独創的な構えを取りながらも、人間の内面に踏み込むことについてはむしろ慎重であるのがよかったと思います。

多分小説、文学が多少好きな人とかはこういうの気にいる人多いのではないでしょうか。

自分の趣味嗜好とはずれるところもあるのですが、全般的な姿勢は気に入っています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-05-13 18:38:46] [修正:2018-05-13 18:38:46] [このレビューのURL]

PR


惡の華と同じ作者の漫画

押見修造の情報をもっと見る

同年代の漫画

別冊少年マガジンの情報をもっと見る