海皇紀のレビュー
6点 鈴森一さん
ジャンル分けが難しい作品ですが、私はファンタジーものだと思いました。
プロットがしっかりしていて、フィクションの世界が見事に構成されています。
ストーリーもしっかりしています。
読みやすいのもいいです。
ところで、優れたファンタジー作品は、風の谷のナウシカが人のエゴと環境問題を考えさせたように、フィクションでありながら、現実の世界の問題に切り込み、考えさせることが多いものです。
しかし、この作品に、そういうところはほとんどありませんでした。
現実の世界へ切り込む素材として、「カガク」という面白いプロットがあっただけに、残念です。
ほかに、この作品の特徴として、大ゴマが非常に多い、というのがあります。
船や海の場面は大ゴマでもそれほど気になりませんが、人物の顔のアップで大ゴマが多いのは、やや萎えました。
正直、人物を大ゴマ連発で描くのが冴える程の画力はないと思います。
また、登場人物が舌を出す場面が何度もあり、ややうっとおしいと感じました。
いろいろ酷評しましたが、ファンタジー作品としては良作です。
最後の終わり方もよかったです。
ぜひ一気読みしてください!
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[投稿:2011-02-27 14:02:07] [修正:2011-02-27 14:02:07] [このレビューのURL]
6点 TOMAKAKUさん
個人同士での戦いは別として、この漫画の醍醐味といえる海戦や陸戦を明らかに物理的に不可能な必殺技やテクノロジーでの解決に頼らずに描ききった素晴らしい作品です。
連載中は物語の展開がじれったいくらいに遅く感じましたが、次々繰り出される戦略や艦船の動きを丁寧に描いた結果でしたので単行本でまとめて読んでみると気になりませんでした。
点数が低めなのは終盤での失速が理由です。
フォレスト戦は個人の好みとして、いわゆるラスボス戦が体術戦とSF展開で決着がついてしまったことは好みの問題を超えて失敗だったと思います。これまでの数々の戦いはなんだったのかという気分でした。船乗り達が主役の物語なのですから、海戦が最終決戦であってほしかったです。
SF設定は魔人が出てきた当初はともかく、終盤では盛り上がりの邪魔をしていただけに思えました。ロナルディアはカノン砲をはじめとする火薬武器の技術があるだけで十分に強敵だったからです。
この理由付けをSFにしたおかげで、ロボットやら卵やら普通の剣や弓矢が効かない敵が相手になり戦略での決着が付けられなくなったのではないでしょうか。
凡人が過ぎた兵器を振り回すのはお約束の負け展開ですし、結局一番白熱したのは対等な技術や知恵をもっている海の一族の内輪争いでした。長く時間を割いていただけあってこの辺りまではファンのペテンに振り回されっぱなしの面白さでした。
全く知識がなくても帆船の魅力が伝わってくる作品でしたが、どのようにして完結させるか楽しみだっただけにどうにも不完全燃焼です。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-02-15 10:18:58] [修正:2011-02-15 10:18:58] [このレビューのURL]
5点 kamekameさん
文明が衰退した時代に、天才的な船乗りで武道の達人でもある主人公が
帆船を巧みに操り世界のうねりに身を投じていく・・・。
海皇紀の名に恥じないスケール感のある物語。
特に帆船による海戦は、本当かどうかは別にして
大変リアリティを感じさせ読むものを一瞬で虜にする。
素晴らしい作品・・・になるはずだったが、個人的には失敗してしまったと思う。
プロットは完璧だったと思う。
古の文明が残した魔道と言う名の科学、魅力的な海の一族、若き大陸の霸王と天才軍使、
大陸一の兵法者、闇の魔神衆、主人公の母、魅力的?なヒロイン達等々、
ライバルから味方まで主要なキャラクターを早い段階から配置する巧みさ、
なによりも帆船の操船というほとんどの人間が知り得なかった世界の真新しさ。
事実、王海走という次代の海王を決める大型帆船レースの直後までは10点満点の出来映え。
しかし、最終的な敵(もしくは敵勢力)に魅力がなかったこと、
序盤から暖めてきたキャラを生かし切れなかったこと、
満足のいく伏線の回収が出来ぬまま尻すぼみにエンディングをむかえてしまう…。
決してひど過ぎる作品と言うことはない。
序盤の出来に過度に期待し過ぎて、私が勝手に裏切られた思いになっているだけかもしれない。
でも45巻と言う長さを考えてもいまひとつやり切れない。
そんな気持ちを言葉にすると「ヘメロペカペカ」…。文字通り言葉にならない。
作品の完成度が低い訳ではないので、5点の評価です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-10-30 21:50:08] [修正:2010-10-30 22:14:33] [このレビューのURL]
7点 トトさん
大陸を制覇した男の影には、海の覇権を握った一族がいた、という海戦記。
小さい頃に横山光輝の『三国志』を読んだものとしてはたまらないストーリーでしょう。
そしてなんといってもはっきりとマンガとして理解できる旧世紀の海戦を戦術を交えて描いた漫画は初ではないでしょうか。
ただキャラクターがあまり好きになれなかった。
主人公も微妙でしたし、女性キャラに至ってはただの背景。
まあウェルシェイロンとか大陸一の兵法者は好きでしたが。
ラストもキレイに終わる一代戦記。
ぜひこの物語の空気に浸ってください。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2008-12-17 20:34:47] [修正:2010-07-23 12:08:12] [このレビューのURL]
9点 ビゼンさん
基本的に川原正敏の作品は全て好きですが、海皇紀は、そのスケールの大きさが半端ないマンガだったと思います。
ファンガンマビゼンのとぼけたセリフと息の詰まる予測不能な展開を毎回ドキドキと楽しみながら読んでました。
本当はもっと続いていて欲しかったけど、ラストにも大満足!
新連載も頑張って欲しいです!
(本当は修羅の門第四部が始まって欲しかったけど…。)
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-07-19 20:56:37] [修正:2010-07-19 20:56:37] [このレビューのURL]
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