魔女のレビュー
10点 ドロドロするさん
上手い絵を描く人はいっぱいいるけど、こんなに凄い絵を描く人はあんまりいないんじゃないか。繊細で、有機的。独特の世界観や、死生観。この漫画は日本人にしか描けない…と思う。
全編に渡って自然や霊魂への畏敬の念が感じられる。これは五十嵐先生の作品ほぼ全部に言える事だけど、そう言う意味では「魔女」という題材は、五十嵐先生の頭の中を表現する一つのツールでしか無いのかもしれない。
二巻の第一編、PETRA GENITALIXに出てくるセリフ、「一度も空を見た事がない人が"晴れた空は青い"と言ったら、言葉は間違ってなくてもそれはウソなんだわ」「"言葉"でなく"行い"を見ろと教えられたよ」
ここまでグサリと来るセリフはそうそう無いでしょう
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2009-12-27 19:45:23] [修正:2009-12-27 19:45:41] [このレビューのURL]
10点 くっしいさん
この人の漫画も絵を一目見るだけでこの人の漫画だと判る個性があります。
細密画の様に細かく書き込まれた線が輪郭や面を作り、そこから音を紡ぎ出して広がりのある空気を作り出しています。B6判の単行本を読んでいることを忘れてしまいます。
勿論漫画である以上、絵だけでは評価になりません。この人の漫画は音と広がりのある空気が物語りを進める推進力となっています。絵と物語りは完全に一体となっています。この人は自分の絵で何が語れるのかが良く判っているのだと思います。
このような漫画が読めることは幸いだと思います。そして商業誌で制作されている点は大きな意義があります。日本漫画はハリウッド映画の様にならないことを願っています。個人的には日本漫画でも少年誌はかなり厳しい環境になっているのではないかと感じます。
漫画が商品に終わるか文化にまで昇華されるか、この人は後者への可能性を感じさせる漫画家の一人ではないでしょうか。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2009-10-25 23:12:04] [修正:2009-10-25 23:12:45] [このレビューのURL]
6点 DEIMOSさん
現代マンガにおける、ファインアート系表現の極致ともいえる作品。
主たるテーマは、形而上的存在の描出か。
言語ツールでは表現し得ないものを、マンガという媒体で描き出さんとする作者の力量は感服に値する。
「一枚絵」というよりも「表現力」のレベルでは漫画界屈指の実力といえるだろう。
ただ、作者の努力は、圧倒的インパクトを与えるとともに「わかりやすさ」を喪失しており、個人的評価としては6点どまり。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2008-10-11 22:04:02] [修正:2008-10-11 22:04:02] [このレビューのURL]
7点 小嘘騙りさん
魔女をテーマにした連作短編集。
同じ作者の「はなしっぱなし」はストーリー性は薄く詩に近い印象を受けるが、本作品にはかなりしっかりとしたストーリーがある。
相変わらず高い表現力と豊かな発想が骨太なストーリーの中で活かされており、読みごたえがある。
「はなしっぱなし」より読者を選ばないので誰にでもお薦めできる。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-09-19 20:50:28] [修正:2007-09-19 20:50:28] [このレビューのURL]
10点 健太(99)さん
2006年6月8日の時点で10点をつけたいと思っている漫画が8つありそのひとつです。
三番目に好きな漫画です。
1巻に二つの話と短い書き下ろしが載っています。
魔女を自然と共に生きる女性として描いています。
戸たたきに男が気づかない場面ねずみに殺される占い師、
嵐の神ウォーダンの話、
森の精霊を視せられた場面、
宇宙飛行士が旅立つ時のニュースを聞いてトンネル工事で亡くなった人の話をする場面、
月を歩くおばあさんの場面に注目して読むと面白いと思います。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2006-06-09 03:56:56] [修正:2006-06-09 03:56:56] [このレビューのURL]
PR