覚悟のススメのレビュー
9点 佐々木裕健さん
『うしおととら』が少年漫画の正統派の道を進みきっているのであれば、『覚悟のススメ』は道ならぬ道を強引にかき分けている感じがする。不器用な人がのた打ち回りながら前進し続けていったら、誰にも真似できない独特の王道を獲得してしまったという点では、福本伸行にも通じるものがある。
最終回のまるで劇団のカーテンコールのような演出は感動の涙と笑いの涙が同時に出てくるような、異様なテンションがある。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2007-06-12 18:58:16] [修正:2007-06-12 18:58:16] [このレビューのURL]
9点 オカシューさん
今、人気の王道少年マンガを挙げるならば「ワンピース」「ナルト」「ブリーチ」辺りであろうか。
しかし王道イコール、ワンパターンでもある。それ系バトルは巷に溢れている為高校生くらいになると批判的な目で見てしまう諸氏も多かろう。
そんな時は「ハンタ」の出番だがそれ以外にお薦めしたいのがこの「覚悟のススメ」だ。
一癖も二癖もある内容はドリアン的漫画といえる。味にハマると癖になる。
作者は「シグルイ」で人気作家の地位を確立した山口貴由。しかしここは作品「シグルイ」は忘れていただきたい。シリアスのみの「シグルイ」の作風とは明らかに違うからだ。
原作無しの山口貴由の本質はなかなかのぶっ飛び具合なのだ。
1994年に開始された本作品、編集部が求めたのは「北斗の拳」タイプの漫画であったように思う。
事実、初巻では北斗の拳ばりの悲鳴シーンもでたりする。壊滅した近未来の地球が舞台であり主人公と悪の構図や兄弟どうしの戦いなどモチーフは非常に近しい。
しかしそれだけだ。
上記のかなりのかぶり具合をもってしてもそれだけだと言いきれる程の突き抜けたオリジナリティがそこにある。
いくつか挙げるとするならば。
一、名シーン、名セリフの数々
本当にもう名セリフのオンパレードだ。この辺は「シグルイ」を読まれた方には分かってもらえるのではないだろうか。
エピソード「後方支援」は最高傑作。
二、ちょいエログロ
「シグルイ」レベルはある。男性のイチモツとか下の毛とか妙に強調されているのでちびっ子は大きくなってから見よう。
三、完結してる。
流れるようにキレイに終わっている。最近の漫画に「だらだら引き延ばすなよ」と不満を漏らしている人にはピッタリあうはず。
ラストのオチのぶっ飛び具合もそうとうではなかろうか。
以上まとめるならば異色変身ヒーロー物。ただ異色の度合いがハンパないだけだ。
よって賛否両論なのはこのサイトの評価でも充分承知。しかし最近マンガを貸し続けていた知人に「薦めてくれた漫画の中で一番おもしろかった」との感想を聞きレビューを書く気になった次第だ。
ぜひ山口貴由の本気具合を一度確かめてみてもらいたい。
おっと、そうこうしているうちに「パソコン使わせろ」と我が家の戦術鬼(息子)がやってきた。
最後に名セリフの一つを引用してこのレビューを締めくくりたい。
負けるのが恥なのではない!
戦わぬのが恥なのだ!
そんなセリフを胸に秘め、また一つ稚拙なレビューを書きなぐる。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-05-04 03:23:59] [修正:2010-05-04 03:45:49] [このレビューのURL]
2点 FSSさん
<1巻のみの評価>
いわゆる「変身ヒーロー」ものだが、好き嫌いがはっきり分かれる作品である事は間違いない。
「シグルイ」にハマった私も、これは無理w。
確かに他には無い独特なテンションや熱意のようなものは感じるが、あまりにも絵柄やノリがB級的と言うかカルト的と言うか…。ギャグなのかシリアスなのかもさっぱり分からない敵のキャラデザや世界観に戸惑わされる。
絵柄が劇画調という事もあってか、出てくる敵キャラは明らかにギャグ路線なんだけど、主人公が思いっきりシリアスにヒーローを演じているせいで、主人公の存在自体もギャグになっている、しかし「本質的にはギャグではない」という、実に奇矯なアクション漫画。
作者の初期作品だけあって作画が未熟な事に加え、内容が内容だけに、「ブリーチ」や「ナルト」のように真っ当な少年向けバトル漫画を読むような感覚では読めない。
正統嫌いな人や、既存の漫画に慣れ切っている人が斜めに読んで楽しむという作品だろう。これを好きな人は、映画などでも「スターウォーズ」より「スペース・ボール」といったB級作品を好んで観るタイプだと思う(笑)。
何にせよ、間違っても万人にはお奨め出来ないので、バランス調整のためにもこの点で。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2007-12-31 14:51:20] [修正:2007-12-31 14:51:20] [このレビューのURL]
3点 ごまあぶらさん
いやこれぶっ飛んでるよ!
テンションおかしい。
突き抜けてる。
悪玉から善玉からここまで突き抜けてこられたら屈服するしかないわさ。
いい意味でキモい。
こんな言葉を使っちゃうべさ。
げうぇえへっへっへへへっへへへへへへへ
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2007-10-10 23:37:27] [修正:2007-10-10 23:37:27] [このレビューのURL]
6点 フィロさん
世紀末的な暴力がはこびる世界で、強化外骨格「零」をまとい、戦術鬼と戦う少年、葉隠覚悟が主人公のバトル物です。
葉隠、という名字でもわかるとおり、武士道精神が熱く語られる漫画でもあります。
残虐な世界観の中、強化外骨格の「零」の悲しみや痛みを背負う覚悟の深い優しさがあったり、罪子の心の強さや慈愛があったり、ラスボスの散は部下には器が広かったり、
昨今の薄っぺらいデスゲーム(それはそれで面白いです)が一番流行りのジャンルになっている現代には、失われてしまったような真逆のクドい人道をこの漫画から感じたりもします。お爺ちゃんのお説教を聞くような懐かしさというか、真っ直ぐに一本筋の通った漫画です。
正直画風が今風ではなく、さらに薔薇で囲まれて耽美だったり、内臓がでてグロかったりしてこってりとしているので、ライトな漫画好きには敬遠されると思います。しかし、前述の理由から、その濃さや武士道にハマる人はハマると思います。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2017-03-25 21:55:30] [修正:2017-03-25 21:59:31] [このレビューのURL]
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