「can」さんのページ

総レビュー数: 63レビュー(全て表示) 最終投稿: 2008年08月28日

アニメ化決定だそうで・・・
マジか・・・

たぶん素直に喜べない読者がわりと多いんじゃないかと思う。つまり『それ町』とはそういう作品。

アニメ化か・・・いつかはなるような気がしてたが、ファンとしては喜びたいところが、でもやめてほしい・・・複雑だ・・・

こんなことになってようやく気づいたよ。俺、『それ町』のことが大好きだったんだな・・・

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-28 23:52:05] [修正:2010-04-29 00:49:16] [このレビューのURL]

漫画というよりは小説に近い印象です。
「ワンピースおもしれー」とかそういうノリで読むと失敗すると思います。
あ、ここ1年くらいのワンピースはホントに面白いですよね。

本作は神戸在住の大学生の日常を描いたエッセイ風漫画です。
日常を描いたと言っても、よくある日常系漫画とも一線を画しています。
日常系漫画に求められているのは日常の中のくすりという笑いであったり、魅力的なキャラクターたちの掛け合いであったりするわけですが、
この作品ではそういった「漫画的な楽しみ」の部分が、意図的にかなり抑えられています。
淡々とした描写は人によっては退屈としか感じないかもしれないので、読み手を選ぶ作品だと思います。
事実私も一読目は、最初の2巻で退屈すぎると思い読むのをやめてしまいました。
しかし日を置いて読み直してみて、作品全体に漂う雰囲気がようやく体になじんだのか、私はこの作品を面白い、いや、それ以上に素晴らしい漫画であると感じるようになりました。

抑えた表現で描かれる日常の風景。それはどこまでもリアルで、読み手に神戸に住んでいるという錯覚さえ抱かせます。
震災のエピソードは上質なドキュメンタリーを思わせる出来で、ここは一読の価値があります。
そして物語に時折差し込む冷たい死の影は、深い悲しみを私たちにもたらし、生きることの尊さを教えてくれます。

作品を見て涙を流したのは久しぶりでした。
『神戸在住』は人間賛歌の物語です。私はこの本に出会えたことを感謝したいです。
最後に。本書のキャッチコピーはこの作品の本質を非常に的確に表しているので、それを締めくくりの言葉として、レビューを終わりたいと思います。

「一生読み続けられる本」

ナイスレビュー: 4

[投稿:2008-08-28 20:10:13] [修正:2010-04-09 22:01:45] [このレビューのURL]

少年漫画の最高傑作。
誰が何と言おうと、私の中でこれを超える少年漫画は存在しません。
『ドラゴンボール』も『スラムダンク』もついでに『ジョジョ』やその他もろもろの名作たちも、『うしおととら』には敵わないです。もちろん異論は受付中。

さて。本作のレビューとは無関係ですが、私はこのサイトで他の方のレビューを見るとき、その人が10点をつけた作品に注目するようにしています。
なぜなら10点はその人が「最高評価」を下した作品であり、その人のひとつの評価基準となっていて、その人の感性や趣味趣向が一番色濃く表れていると思うからです。
そして10点がつけられた作品を眺めながら、「この人とは趣味が似てそうだな、参考にしよう」とか、「これが10点か、うーん・・・」とか、好き勝手な感想を抱いたりしているわけです。
私の10点は『うしおととら』です。胸を張って言うことができます。自分の中で絶対の評価基準となるべき漫画は、この作品しかありえません。


『うしおととら』の何が素晴らしいのか。語りつくすことは不可能でしょうが、時間が許す限り列挙していきたいと思います。

まずはタイトル。何を置いてもタイトル。覚えやすい、響きがいい、本編に合う、最終回後はタイトルを見ただけで感動できる。

次に主人公。蒼月潮、中学2年生。イケメンとは言い難い丸顔に太い眉毛に短髪という顔の造形。しかしどこまでもまっすぐな瞳。
性格は一本気で嘘が嫌いで涙もろい。少年漫画の主人公とはまさにかくあるべき。行く先々でモテモテなのも納得。・・・いや、やっぱりちょっとだけ納得いかない。半分くらいは俺によこせ。真由子と小夜だけでもいいから。

さらにもう一人の主人公。雷獣とら。500年間獣の槍に封じられていた大妖。いつか潮を食うために潮にとりつく。そのくせ成り行きで潮を助けたり、現代の文明に翻弄されっぱなしなので憎めない。香水でくしゃみが止まらなくなるところとかガムを踏んでるところとかが超かわいい。ハンバーガーを食べてるところも最高。でも決めるときは決める憎いあんちくしょう。真由子がベタ惚れなのも納得。・・・いや、だから真由子は俺によこせよ。

そして何より最終決戦。33巻に渡る作品のピークがラストにあるというのはそれだけで驚嘆に値する。今までのエピソードひとつひとつが思い出され、読んでる方も潮たちとシンクロして「お前たちの旅は無駄ではなかった」状態。脳からアドレナリンや変な汁が出っぱなし。白面の最後も切ないんだよなぁ・・・。本当にいいラスボスでした。
とらのあのセリフには、何度泣かされたことかわからない。

それからついでにおまけ漫画。読者を少しでも楽しませようという藤田先生の心意気に脱帽。てゆーか藤田先生の方が楽しんでますよね。そうですね。
超難解クイズではいつも頭を悩ませていました。
1 真由子に変身
2 木に変身
3 ほふく前進
3番のギャグがわからんようではまだまだだな!
「秋葉流!」の登場シーン3連発とかも最高。


・・・勢いだけで挙げてみるとこんな感じです。書いてるだけでテンションが上がってきて、『うしおととら』を再読したくなったので一旦終了。登場人物の生き様とか死に様とか、他にも見所はたくさんあります。ネタばれになるので名前は伏せますが、あの人とかあの人の最後はもう・・・
「今帰ったよ、あけとくれ・・・」
「ああなんだ、風がやんだじゃねぇか・・・」
涙なしには語れないですね。あ、凶羅は最高のツンデレキャラだと思います。


少年漫画の金字塔『うしおととら』。
連載終了から10年以上経った今でも色褪せることのない、文句なしに不朽の名作です。

ナイスレビュー: 5

[投稿:2008-08-28 20:05:39] [修正:2010-04-09 22:01:19] [このレビューのURL]

タイトルを見たときに不健全な妄想をしたのは、自分だけじゃないはずだと信じたい・・・

完全版?を購入して読了。
絵の美麗さと、各話ごとの完成度の高さが素晴らしかったです。
自分も観用少女(プランツ・ドール)を購入したような高級感に浸れる漫画でした。プランツがミルクを飲む姿は、本当に心が癒されるなぁ・・・

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-31 19:23:35] [修正:2010-04-09 22:00:59] [このレビューのURL]

『彼らが共産主義者を攻撃したとき
 私は声をあげなかった
 私は共産主義者ではなかったから

 彼らが労働組合員たちを攻撃したとき
 私は声をあげなかった
 私は労働組合員ではなかったから

 彼らがユダヤ人たちを連れて行ったとき
 私は声をあげなかった
 私はユダヤ人ではなかったから

 彼らはついに教会を攻撃した
 私は牧師だったから行動した
 しかしそれは遅すぎた』


表現の自由、規制・・個人的にはひどく馬鹿馬鹿しいと思っています。
作者の全霊を込めて作られたものに貴賎なんてない。
小説を全部いっしょくたに「文学」としてくくるのは間違いだし、
漫画を低く見る人たちも、逆に「芸術」だと声高に叫ぶ人たちも嫌いです。
各媒体にはそれぞれの長所と短所があり、どうしても上下が決めたいならば
自分の中だけでやればいい。


「ではテレビゲームは青少年になんの影響も与えていないとお考えですか?」
「いいえ 少なくとも自分の携わったゲームは影響を与えています」
「それは問題のゲームが原因であると認めるということですか?」
「ゲームというのは何時間も 場合によっては何十時間とかかります
 他人の人生をそれだけ拘束しておいて 何も残らないようなモノなど
 いったいなんのために作るというんです?」


読んだときには鳥肌がたった。
これが真理で、そしてすべてであると思う。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-17 00:48:12] [修正:2010-04-09 22:00:28] [このレビューのURL]

個人的に谷川史子さんの最高傑作は、この『積極―愛のうた』であると思っています。
短編集にあまり高得点をつけるのもどうかとは思いましたが、もう本当に大好きなので9点。


短編の名手として知られる谷川先生ですが、そもそもその魅力とは何でしょうか?
それは作品全体から漂うほっとする雰囲気と、そこに時折差し込むどきりとする瞬間に他ならないと思います。

読んでいて癒される、ふわふわとした温かい絵柄とストーリー。いいですね、素晴らしいですね。疲れたときなんかに最適ですね。人に優しくなれる気がしますね。
そしてそんな優しい雰囲気の中に不意に差し込む、孤独や淋しさを感じさせる一瞬――。
谷川先生はこの「落差」の表現が非常にうまく、特に本作『積極』では、その演出が際立っています。
本作の結末はハッピーエンドとは言えないかもしれませんが、私は読後に切なさこそあれ、悲壮感は感じませんでした。それはなぜか。

温かくほっとする雰囲気の中に、時折ふっと、どうしようもないほどの悲しみが混じる。
これは生きることそのものです。生きてゆくこと、恋をすることは幸福ですが、幸せなばかりではいられない。それが人間の営みである以上、避けられない寂寞が付きまとってくる。
谷川先生の作品はひどく感覚的に、この生きることの本質を捉えています。幸せなだけではいられない事実を、私たちに突きつけてきます。
しかしその読後感が決して悲しみに満ちたものでなく、むしろ前を向いたものになるのは、作品が生きていく上で避けられない不幸を肯定し、それでも生きることは素晴らしいのだと、読者に訴えかけてくるからです。

他人とわかりあえなくても、一人でも、いつか死んでしまっても。
悲しいことはたくさんあるけど、それでも生きることは幸福であり、
私たちは生きているかぎりは前に進むべきなのだ。

表題作の『積極―愛のうた』を読んだあと、私はそんなふうに思いました。
一発で谷川先生のファンになり、翌日には周辺の本屋を駆けずり回って、既刊を片っ端から買い漁っていました。

いつの間にか作品のレビューではなく作者のレビューになってしまいましたが、あしからず。
あ、おまけ漫画の「告白物語」は、このためだけにお金を払ってもいいくらい好きです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-02-08 20:30:20] [修正:2010-04-09 22:00:07] [このレビューのURL]

6点 BLEACH

以下、主観と偏見に凝り固まったレビューとなっていますのでご注意ください。読んでいて不快になる可能性も高いと思うので、最初に謝罪しておきます。それでも書かずにはいられなかった。

私は自分の好きな作品を否定されたとき、自分自身を否定されたように感じてしまう類の人間です。誇張ではなくわりと本気で。なるだけ表には出さないようにと注意していますが、自分が好きな作品を喜々として貶めている人を見ると、激しい不快感を覚えます。これはたぶんどうしようもない。

『BLEACH』は私が大好きだった作品です。中高生の頃は、アホかというほどはまっていました。「大好きだった」と過去形にしているのは、ここ数年の展開はファンとして「ああ、少し残念だなぁ」と思う箇所が多いからです。今でももちろん「好き」なのですが、「大好き」とまでは言えなくなった。「好き」と言い切る部分に多少の贔屓目も入っているのでしょうが、これが私の本音になります。

多くの方が述べている通り、本作は尸魂界編の前後(コミックスで言えば20巻くらい)を境に、面白さが大幅に失速します。
尸魂界編までは8点をつけたい出来ですが、それ以降は引き延ばし、ループ展開が目立ってきます。
気がつけばジャンプに散見する「長く続けば続くほど評価が下がる漫画」の代表みたいになっていました。このへんは反論し難いですね・・・。連載当初からのいちファンとしては、一発逆転の完結劇を願うばかりです。

・・・と、ここまで書いておいて、いよいよ本題に入ります。きわめて個人的な意見になりますので、適宜聞き流してお読みください。
長期連載にあたり欠点の目立ってきた『BLEACH』ですが、本作に対して0点や1点の低評価をつけるのは「ない」と思います。人によっては評価が下がるのはわかりますが、いくらなんでもそこまでひどくはない。
「読む価値のないクソ漫画」だの「さっさと終わらせるべき」だの、そんなレビューは正直論外。そもそも本当に人気がないのなら、44巻(2010年4月現在)まで続かず早々に打ち切りにあっています。
「アニメ化したのでだらだら続けている」という意見もあるかもしれませんが、ジャンプはアニメ化しようがゲーム化しようがお金にならなくなったら早々に打ち切る雑誌だと思います。少し前に完全版が出た「みかん」のシャーマン漫画がいい例です。あの作品の打ち切り当時は、編集部にかなりの怒りを覚えましたが・・・。

まあそれは置いといて。現在まで続いているということは、一定以上の人気を保っているということ。
「それはあくまで世間での評価で、作品の評価とは別だ」という意見もあるかもしれませんね。そうですね。
作品を評価するということは、言うまでもなく非常に難しいです。必ずしも「売れている作品=いい作品」とは限らないですし、その逆もまた然りですから。何がいい作品なのかは、最終的には個々人が自分の中で判断を下す以外にありません。そういった判断の手助けとなるために、このようなレビューサイトが存在しているんだと思います。
しかし。
レビューの場で大した説明もなく「クソ」だの「ゴミ」だの書いて低評価を下しているレビュアー。また、そんなレビューに恥ずかしげもなくナイスレビュー票を投じている人たち。ぶっちゃけネットのレビューサイトなんてそんなものなんですが、あまりに不快かつ見苦しいです。そういった評価を下す場合は、その作品のファン全員に喧嘩を売る覚悟を持った上でやってください。もしくは「あまりにひどい漫画だ!読んだ時間がもったいなかったし、その上不快だ!こんな思いを他の誰にもさせちゃいけない!」と義憤に燃えた場合に限る。「もう読んでない」とか、そんな報告もいらないですから。このへんは本作のレビューだけに関わらないです。

・・・えー、話がだいぶ逸れてきたので、最後に『BLEACH』に戻して終わります。

20巻までは8点だよね。誰が何と言おうと面白かったよね。その後だんだんだれてきたけど、それでも読めないほどではないよね。
ていうか砕蜂隊長の涙だけで、ぶっちゃけ30点分ぐらいの価値があるよね。ご飯三杯はいけるよね。以降はなかなか隊長出てこないから、もう悲しくて悲しくて・・・。ちなみにアニメではあまりにも百合百合しすぎててびびったけど。ちょっとスタッフ狙いすぎだろ・・・
白哉の卍解が『万本桜』だったらどうしようかと心配していたのはいい思い出。
あ、あと、『BLEACH』って基本的に、一護が出ない方が面白いってことに気づい・・・いや、なんでもないです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-08-29 00:16:53] [修正:2010-04-05 21:30:51] [このレビューのURL]

珍しく鬱じゃない鬼頭莫宏作品。

読んだあとは「なんだ、こういうのも描けるんじゃん! ていうか鬼頭先生、こういうのでも全然いけるじゃん!」ってなりました。
まあところどころに怪しい雰囲気が漂っているので、まだまだ油断はできませんが・・・

まだ1巻なので評価は暫定ですが、以降の鬱展開を期待している自分もいたり、「もうそういうのはいいよ。ほのぼの行こうよ、ほのぼのさ・・・」と思っている自分もいたりで、鬼頭先生の術中にまんまとはまっちゃってる感じですね。とりあえず続きを楽しみに待ちます。

作中の世界観というか、作品内で説明されている科学理論(?)に非常に感心しました。長々とした説明が続きますがくどく感じず、なんというかとても「それ」っぽいです。まあこのへんは、読者の趣味にもよると思います。興味がない人は流してもいいかも。ほのぼのコメディを楽しむのが吉です。

読後に再認識しましたが、鬼頭先生は本当にロリコンの変態ですね。原稿からそれが滲み出ています。(・・・たぶん褒め言葉です。たぶん)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-03 00:22:45] [修正:2010-04-03 00:22:45] [このレビューのURL]