「ほげ」さんのページ
- ユーザ情報
- S.5X年生まれ(性別:男性)
- Webサイト
- http://
- アクセス数
- 35555
- 自己紹介
-
好きな漫画:ドラゴンボール、ブッダ、アドルフに告ぐ、火の鳥、ブラックジャック、僕の小規模な失敗、僕の小規模な生活,つげ義春全作品、めぞん一刻、ホムンクルス、ピンポン,天才バカボン,ナニワ金融道,カバチタレ!,AKIRA,魔太郎が来る!
最近気になる漫画:プルートウ、殺し屋1、七色いんこ、風の谷のナウシカ、三つ目がとおる,童夢,極悪がんぼ
好きな漫画家:手塚治虫,藤子不二雄A,藤子・F・不二雄,つげ義春,黒田硫黄
気になる漫画家:福満しげゆき,赤塚不二夫,東風孝広,大友克洋
基本的に好きな漫画は全て10点をあげちゃってますので、点数を見ても読みたいなと思われる漫画は少ないかもしれません。この漫画はここが良いと思ったから高得点、悪いから低得点であるというような点の決め方はしません。
手塚治虫やつげ義春,黒田硫黄なんかが好きで,『ナニワ金融道』とか『カバチタレ!』なんかも好きとくれば,筆っぽい絵というかきたねえというか,スタイリッシュな絵は好きじゃないみたいですね。
『ホムンクルス』の山本英夫は上手いですが,彼の漫画は汚いから許せちゃう。大友も上手い訳ですが,劇画劇画した絵ですし,やっぱりグロですからOK。『クロサギ』もヒロイン風の女の子の設定さえなければ・・・と思います。反面,現代漫画の最高水準という感じの小学館の浦沢直樹なんかは,受けつけませんね。『MONSTER』なんかは,ストーリーの導き方はまあまあだけれど,長すぎるし,残酷じゃなさすぎて飽きてくる。
大して面白いと思いませんでしたが,『刑務所の中』の絵は嫌いじゃないですね。まあ,ここまで言えばだいたい僕の漫画の好みが分かってくるかと思います。少女漫画なんかは全然受け付けませんよ。

10点 めぞん一刻
浪人生と未亡人との恋愛を軸にして、古びたアパートの住人、浪人生の恋敵、未亡人の両親などとの関係をギャグをちりばめて描いた、高橋留美子の代表作。連作長編の体裁を取っている。TVアニメの他劇場用アニメ化もなされたほどのヒット作となった。
連作のため一話完結とみなせるが、浪人生・五代裕作は漫画の最後には社会人になっていて、時間の流れは時系列である。五代と未亡人・響子との関係は、一進一退といったもつれが延々と続いているが、実際の時間だけは動いているという設定である。また五代の恋敵・三鷹と響子との関係も一進一退であり、そこに楔を打ちこむまでに五年近い歳月を費やしている。
進まない響子と五代との関係やうまくいかない大学入学や就職活動、卒業試験などを見ると、浪人生として登場した五代は、「永遠の浪人生」、いわゆる「モラトリアル人間」に見えなくもない。だがそれは限定的であって彼は恋愛において「永遠の浪人生」というだけである。大学入学にしても就職活動にしても、彼は意志もあれば実行力もある。単に能力が備わっていないだけのことなのだ。だから彼は巷間で言う所の「モラトリアム人間」ではない。だが前述のように、恋愛においては「モラトリアム」(猶予)を求める。あと一歩のところで彼は、響子に思いを告げることができないでいるのだ。
そうかといって本作では、響子の方が五代により積極的かというとそうではない。「モラトリアム」があるということを除けば響子の恋愛観は男性主導の原理を守っているのだ。そうであればこそ、彼女は、三鷹と五代との間で、積極的な男は誰かを考えているし、そういう男と男との間で揺れ動いている。
大学入学や就職活動といった実践的なレベルでは「モラトリアム」であることを拒否する五代青年は、社会人になった暁に響子に告白することになっていて、響子もそれを待ち望んでいるのだから、益々彼等の関係は古典的であることが分かるだろう。恋敵だった三鷹の方は、自己消滅するという形で五代に響子を譲ることになっており、響子の迷いも五代の就職待ちだ。
面白いのは、五代の職業で、就職浪人時代に行った保父がそれなのには驚かされる。恋愛関係は「モラトリアム」であることを除けば(これが大事だったりするが)古典的であるのに対し、大学卒の男性で保父を選択するというのは、今でこそ多様な働き方として受容しやすいが、1980年代当時の成長期において、この選択は先見性があると思う。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2005-05-28 21:31:53] [修正:2005-05-28 21:31:53] [このレビューのURL]