「shinpe-」さんのページ

総レビュー数: 22レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年02月15日

この方の漫画はセンスと情熱が同時に感じられるところが凄いなぁと思いながら読んでます。

兄が夢を追う。しかも弟がすでに叶えてしまった夢。
この設定だけでも劣等感がむき出しになった暑苦しい展開になりそうですが、魅力のある脇役たちの力と時折入るセンスのよいギャグが漫画にいい意味での軽さとスピード感を加えてくれているような気がします。

だからと言ってメッセージ性が薄いかというとそんなことも無く。万人が憧れる宇宙を目指す人たち(兄弟のみならず)のお話なので、夢やロマンがいっぱいです。

個人的には目標を忘れそうになった時に読み返したくなる漫画です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-17 22:43:40] [修正:2010-09-23 13:33:45] [このレビューのURL]

9点

山岳レスキューもの、という括りで読み始めるとまず肩すかしを食らったような気持ちになります。確かにレスキューは沢山あります。日常茶飯事です。しかしレスキューが物語として語られる場合にはハッピーエンドとして語られてきたのが一般的ではないでしょうか。その類いの漫画の系列には含められないです。なぜならバットエンドも数えきれないほどあるのだから。

この作品は人がもの凄く沢山死にます。それも自発的に登ってきた山で。現実のそのようなニュースを見るたびに山に対する認識の甘さとか、自然を舐めちゃいかん的な発想をしてしまいがちになるのですが、この漫画を読んで考え方が変わりました。ベストの状態で、かつ細心の注意を払っても死ぬことがあるのが山なのだと。

そんな山の厳しさと美しさを誰よりも知る三歩とそれを取り巻く人々を描いた物語です。山そのものというよりも、山という特殊な環境でしか見る事の出来ない人間の姿を描こうとした漫画だと言う風にも感じます。ほぼ一話完結型で、12巻までクオリティを落とす事無く書き続けている作者の力量と三歩という特別なキャラクターを生み出したパーソナリティには敬服しっぱなしです。長く長く続いて欲しい漫画の一つです。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-09-17 13:10:03] [修正:2010-09-17 13:10:03] [このレビューのURL]

一介のロードバイク乗りがレビューします。

何故人は自転車に乗るのか?特に何故高い金をかけてロードバイクなんてヤクザな乗り物に乗るのか?答えはそれに乗る事でしか得られない類いの快感が有るからです。これは誰かに説明するのがものすごく難しい。その言語化、可視化が出来る人は漫画のレベルと自転車のレベル(単に速いと言う事ではなく、自転車に対する姿勢や考え方そのもの)がもの凄く高い次元でリンクしているということだと思うんです。

のりりんは、まぎれも無くその域に居る作者が「自転車って楽しいかもよ?」と全力でつぶやいている漫画だと思います。決して叫んでは居ないんです。あくまで鬼頭節で淡々と進んでいきます。

主人公がロードに乗った事が無い、というは最近の自転車漫画ほぼ全てに共通する初期設定だと思います。ほとんどの読者がロードに対して未知という現状を鑑みた結果なのでしょうが、その中でも「自転車の楽しさが伝わる」という点では白眉の出来だと思います。これからもきっとこのテンションで続いていってくれる事でしょう。期待を込めて8点で。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-09-17 12:58:57] [修正:2010-09-17 12:59:37] [このレビューのURL]