「shinpe-」さんのページ
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レビューの数が10を超えたあたりで、平均点が異常に高いことに気がつきました。きっと腐すことが好きではなく、褒めるレビューを書くのが好きだからだと思います。
一服の清涼剤のような漫画、強い酒を飲んだ時のように腹の底が熱くなる漫画、読んだ後に現実が輝いて見える漫画が好きです。つれづれ暇つぶしのように書いていきますが、見てあげて下さい。

7点 7人のシェイクスピア
シェイクスピアという人間の不可思議さ。それは物語の洗練され方と彼自身の人物像の乖離にあります。都会的かつ奇を衒わない王道を行き、人間の存在の不条理そのものを深くえぐるような物語を書きながらも、彼自身は何てことはない田舎者だった。王族でも無ければ貴族でもない。そんな彼がなぜ、シェイクスピアたりえたのか?物語はこの疑問からスタートしていくようです。
もちろん史実なんてどーでもよいのですが、ハロルドさんはきっと虚実を織り交ぜながら、物語の深みと面白さを獲得していくのだと思います。この人は本当に、人間を描くのが上手ですね。歴史物だろうがバンドだろうが野球小僧だろうが無口な高校生だろうが、その才能は遺憾なく発揮されているように思います。
現行で発売されている一巻は、チャイナタウンとそこに生きる不思議な少女の物語です。当時のリヴァプールで生きる中国の人々の生活をハロルドさんらしいコミカルさを忘れないタッチで描いています。もちろん悲哀と辛さがしっかりと描かれているわけですが。彼女が果たして7人のうちの一人なのか。そんな無粋な推測をしてみたくなる僕のような方は、読んでみることをお勧めします。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-06-18 17:19:49] [修正:2010-06-18 17:19:49] [このレビューのURL]
7点 少女ファイト
夢中になって読める作品であることは間違いありません。キャラはみんな愛すべき存在だし、バレーボールの試合の描写も丁寧かつ適切でさらに魅力的。極めて狡猾(ほめてます)な複線張り方とその回収のスピードの速さ。忘れ難いメッセージ性も適所に孕んでいます。
でもなんだろう、巻を進むごとに感じるようになるこの違和感は。おそらくキャラがみんな作者のコントロール下にあることに対する嫌悪感を拭えないんですよね。
あたりまえっちゃあたりまえ。批判の対象になることすらおかしいのかもしれませんが、この作者の作品はその欠点が露骨に出てしまっていることが多いのではないかと思わされます。あまりにもキャラの動きに、作り手の作為が感じられる。感じさせない作品の方が稀有なのでそれを求める方が我侭なのかもしれませんが。
『G戦場』なんかにも見られる特徴ですが、物語の中にいる人々だけで人間関係を完結させていることへの嫌悪感が残念ながらこの作品でも感じられるようになってしまったことが残念で仕方ないです。
5巻までは満点に限りなく近い漫画だったんですが・・・。これからの展開に期待しながら、見守っていきたいです。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2010-02-17 22:32:27] [修正:2010-06-09 18:42:43] [このレビューのURL]