「左手」さんのページ

総レビュー数: 23レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年04月07日

「面白くないけど、読んだほうがいい(特に心理表現)」
 中学生の時に殺し屋1を読み、やはりこのホムンクルスも気になってしまい読みました。面白いか否かは別にして、読んでおかないといけない気分になる漫画と思いました。

 話の内容は正直にいって自分の力不足からか深くまでは読み込めませんでした。少年漫画のような爽快感はなく、泥を被ったように鈍重な気持ちにさせる展開やストーリーの進め方が面白さの枷としてなかなか前へ進めない。つまらないと感じることもしばしばありました。

 しかしながら、この漫画の面白みはやはり心理表現。
 話のほとんどが2人で向き合って話しをするだけで、その会話の中からホムンクルス(内なる自分)が変化していく様子は漫画というメディアの表現力の限界に挑戦しているのではないだろうか。
 また、表現の可能性をより深くえぐる作品でもあると考えます。
 コマ割、ホムンクルスの造形や変化で、動きがないただの会話をよりスリリングで面白さを増す効果を付加しているのです。なかなかここまで喋りだけの場面で読者を引き込み疲れさせるのは、やはり作者はすごいと言わざるを得ません。

 この漫画のテーマといえる「人の外見と内面」は難しい題材でここまで、外見について踏み込んで厳しく言及している漫画は初めて出会いました。
 憶測ですが、かなりの抵抗と挑戦があったのではないでしょうか?
 人は内面が大事っていうけど、現実には綺麗・可愛い・格好いい方が絶対に不細工よりも得ですよね。

 このホムンクルスは面白いから読め、とはいいませんが、面白くはないけど読んだほうが絶対にいい、といえる漫画です。
 オススメです!

<全巻借りて読みました。>

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[投稿:2011-07-25 22:33:40] [修正:2011-07-25 22:33:40] [このレビューのURL]

 「土下座の新境地」
 板垣イズムを継承した漫画です。
 バキで使用した格闘漫画の表現方法で全く別ジャンルを描いたとしても通用することが証明できた漫画と言えます。
 しかし、板垣恵介自身が描いていないので、バキの迫力のある不自然な絵や説得力のある台詞よりも、どげせんの普通すぎる絵の構図や無理矢理感のする台詞が漫画の技術的に劣ってみえてしまった。バキを映画で例えるなら、どげせんはテレビドラマのような具合です。
 話の内容よりもどんな表現が飛び出すのかが期待される漫画と思うので、これからの期待も込めて、オススメです!

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[投稿:2011-04-14 02:58:39] [修正:2011-04-14 02:58:39] [このレビューのURL]