「やじウマ」さんのページ

総レビュー数: 63レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年01月20日

最近ジャンプのマンガ、というか少年マンガに盛り上げ所でくどいばかりにナレーションとかモノローグを多用するという演出をやるものが多くなった気がする。

そういうの読む度に、「うぜぇなあ」、「絵を見りゃ分かるんだから黙ってろよ」、とか思っちゃう。マンガの描き方の教科書とかに「何でも文字で説明するのはやめましょう」とか書かれてた気がするんだけどなあ、とか思っちゃう。マンガ描かないけど。
でもある時ふと、これってもしかして富樫のマネしてるのかなあと気づいた。そういえばハンターにはやたらとナレーションとか多い。キメラアント編からやたらと多くなった気がする。

ハンターハンターは超絶おもしろいマンガだから、みんな影響を受けて、富樫のカッコよくて一番マネしやすい部分をマネしたのかなあ。
だとしたらみんな面白いモノが描きたくてこの演出を取り入れて、結果的にサムイことになってんのかなあ。だとしたら呪われてるな。とかなんとか思ってしまう。

なんか、この人の文章が持ってる特殊さって、普通の人が目指してるものと違う気がする。なんというか詩的なんだよな、ポエム的というか。
(ポエムって言ったら昨今バカにされるけどさ、あれは間違ってると思う。)

少ない言葉でこちらの想像力を引き立てることが出来る言葉の使い方というか、そういう才能があるからあの演出も許される、様になってるのであって、普通の人がやってもダメだよなあ、なんて思った。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-09-15 16:30:02] [修正:2016-09-15 16:30:02] [このレビューのURL]

いろいろと忘れられないことがたくさんある。でも実はいちばん衝撃的だったセリフは「失礼な!黒人はみんな知り合いだとでも言うの?」だったりする。

ウォッチメンをWATCHMENで登録する意味がどこにあるというのだ・・・!そのせいですごい探しにくかったよ!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-10-21 20:29:14] [修正:2012-10-21 20:29:14] [このレビューのURL]

 とても大切な漫画。
「そういうことはガンダムかロックマンにたのめよ・・・」助けを求めにきた宇宙人に平然とそんなことを言ってしまう主人公。
「神様、クロちゃんが地獄に落ちますよーに・・・ !」「すまないよー、崖から落ちて鼻血じゃすまないよー!」「タジマヨーコが聞いたら怒りそうなフレーズだな」「ヤバい!ライオンに免疫のない地区に入った!」「スモールライター!」ギャグっていうものには制約なんてないこと、漫画でやっちゃいけないことなんて何一つないことを教えてくれた素晴らしい読み物。
 ギャグをやりながらも常に自分達のやってることに対して一歩引いた目で見ている登場人物達。ひねくれることがどんなに大切か、小学生の時教わりました。当時の子供向け漫画とかアニメに出てくる正義一徹、優しくて強いキラキラした主人公は信じられなかった。だって周りにいねーじゃん。
 いま読むと作者は少し人格に問題ある気がするんだけど、でも読者、子どもをバカにする事だけはしてなかった。小学生が残酷で暴力的で大人なんて簡単に騙してしまうずる賢いヤツらで、でも実は移ろいやすくてちゃんと悲しいっていう感情を持ってて自分が思ってるほど強くなくて大人の理不尽な暴力に逆らえない生きものだってことをわかっていたはずだ。だから今読んでも全然陳腐じゃない。あれだけブッとんだギャグ書いてるのにシリアスな話でも全く違和感なく楽しめるのはなぜなんだろう。
 ボンボンに連載してたからいいのだ。コロコロに連載してたら去勢されてた。そうしなかったから子供の目に止まったんだ。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-08-29 14:58:03] [修正:2012-10-21 19:41:15] [このレビューのURL]

 話がよくわからないし登場人物が何を考えてるかの心の動きもよくわからないのにおもしろいというのはとてもすばらしいことだと思います。
 次にお話がどうなるか、というところじゃなくて次に何が出てくるのか、で読者を楽しませる漫画。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-08-15 14:07:46] [修正:2012-08-15 14:07:46] [このレビューのURL]

疑問なのだが、なぜ誰もエディ・キャンベルのアートのすばらしさについて語らないのか。

 登場人物の顔ははっきりと見えない。目や口や鼻といったパーツは描かれたり描かれなかったり、しかも時々変わっていることもある。
 だから読んでいる人間には登場人物の名前と顔を結びつけることが困難になっている。主役のウィリアムやアバーラインでさえそうだ。娼婦達に至ってはほぼ同じでセリフによってやっと判別がつく。
 終始こんな感じだから登場人物達に感情移入することも相当難しい。こんな絵日本の少年漫画誌に載せたらそっこくたたき出されるはずだ。

 だがそれのなにが問題なのか。登場人物の顔が落書きのようになりころころと変わることは問題ではない。
 読めばわかるだろう、ここで描かれる世界は貧困によって正常な判断を失い日々を暇つぶしの酒と性でつぶし、さらには陰惨な殺人事件でさえ話の種、飯の種にしてしまう人々が住まう、つまりは地獄なのだ。
 そして住まう人々はそこになんの疑問ももたず自分達が地獄に暮らしていることも気づきはしない。それは100年たっても変わらないことも作中では明言される。
 そして唯一その事実に気づき抜け出そうと試みたのは幼い頃より残虐性を兼ね備えた人間であり、とった手法は連続殺人であるという皮肉。
 
 そんな地獄に顔が必要だろうか?だいたい闇の中から観たらどれが誰の顔かなんて見分けがつくわけがないのだ。
 色彩だって必要はない。血の色。流血シーンが多いこの世界では血をよく観るがすべての色はこの血の色で大丈夫だ。服の色も血の色で大丈夫だ、煉瓦の色も血の色で大丈夫だ、木々も血の色で大丈夫だ、海も血の色で大丈夫だ、空の色でさえ血の色で大丈夫だ。ここではトップ10で描かれたような見事な夕焼けなんてものは存在しない。そこには叙情という逃げ場はないのだ。エディ・キャンベルのアートは間違いなくそれを理解したうえで描かれている。素晴らしいとしか言いようがない。そして同時にとてもアブナイことでもある。
 
 例えば下巻で長々と書かれる殺人シーン。
 これを書いたのがデイブギボンズのようなアーティストや新井英樹のような漫画家だったらどうなのか。被害者の顔も取り出される臓物ももっとはっきり書かれるだろうし、なによりもっと感情的になっていたはず。そしてそれへの嫌悪感はもっと大きなものとなっただろう。
 だがしかし、それでは「嫌悪感」だけが付随されただけで終わってしまうはずだ。そこで終わってしまう。
 対してエディ・キャンベルによって描かれる世界でははっきり描かないことによって多重の意味の解釈が可能になってしまう。もちろん嫌悪感をもったまま読むということも可能だ。
 しかし本を2度3度読み、物語が最初から最後まで見事に繋がったそれこそ本文でも言及されたような関係のないと思われた様々な出来事が組み合わさってできた建造物のようなものになっていると気づいたときどうなるだろうか。
 博士が自分の連続殺人を正当化させるための理論が完璧であるかのように、まるで本当に神の意志が関係しているかのように思え始めた時エディ・キャンベルのアートはどういう効果を及ぼすのだろうか。
 「嫌悪感」や「否定」以外の感情を導き出すことも可能なのではないだろうか。自分は幸いにしてそういった感情を覚えていないがそのような感情を憶えてしまう人も少なからずいるのではないだろうか。考えすぎではない。だってムーアは本書で明らかにこの殺人者を肯定しているのだから。

 そういった点も踏まえてもう一度言うがエディ・キャンベルの絵はすばらしい。物語ありきで絵はあくまでオマケという意見は本書に対してとても多いが(ムーアに対しての比重が置かれた後書きからもしかして訳者ですらそう思ってるのではないか、という節はある)そんなことは決してないはずだ。
 今回はアラン・ムーアの物語、コマ割り、時代考証が素晴らしいなんて当たり前のことだから言及しなかった。(あとめんどくせえしな!)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-08-14 18:16:10] [修正:2012-08-15 12:36:13] [このレビューのURL]

 お世辞じゃなく日本漫画界の傑作のひとつ。
 
 大の大人が(これ書き始めたときたしかF先生は40代だった)子供、だいたい幼稚園から小学生、少し伸びて中学生ぐらい、までの対象のマンガで自分の人生観、親への愛、子供への無限の期待、失われゆく自然や動物たちへの哀愁、未来の無限の可能性、行き過ぎた、または間違った力への警鐘、その他諸々をデフォルメが絶妙に利いた老若男女誰でもが読める絵に乗せて語りまくっていくんだから。
 それも押しつけがましさを感じさせずエンターテイメント前提にさりげなく様々なところに加えていくから泣きを狙ってないくせにへたな少年漫画より十分胸を打つ。
 
 最近読み返してみてこんな簡単なことがやっとわかった。正直気づく前までドラえもんに高得点つけてる人はみんな過去の思い出のみでつけてるんだと思ってた。地味だからって物事の本質に気づけていなかった自分がホント恥ずかしかったです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-06-19 20:59:07] [修正:2008-06-19 20:59:07] [このレビューのURL]

得点のみ

ナイスレビュー: 0

[投稿:2007-03-09 21:42:33] [修正:2007-03-09 21:42:33] [このレビューのURL]

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