「フィロ」さんのページ

総レビュー数: 34レビュー(全て表示) 最終投稿: 2017年03月23日

[ネタバレあり]

原作は「駿河城御前試合」です。
御前試合で、真剣で源之助と伊良子が斬り合い、試合のシーンから過去のシーンへと繋がる形で話が展開してゆきます。


絵は上手いですが癖があります、山口貴由の絵に慣れている人なら大丈夫かと思います。残酷なシーンが多く内臓が出てきますし、登場人物のほとんどが狂っています。
斬り合いを楽しむ試合を開いた徳川忠長(実在した歴史上の人物)、虎眼流の師匠の虎眼を初めとして超絶にイカれてるキャラばかりですね。
ある種のホラーのように、おどろおどろしさが味になっています。癖になります。

源之助も最終的には、その封建社会の闇を拒むことはできませんでした。武士道の孕む狂気を書いた傑作だと思います。

後味が悪いのが嫌ですが、だからこそテーマ性を貫けた傑作だと思うので8点にします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-25 22:15:08] [修正:2019-01-01 23:24:25] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

綺麗なカイジって誰が言ったのか的を射ていますね。
涯はちょっとマガジンにはブラックすぎたと思います(良い子になーれのシーンがシュールすぎww)

正義感が強い若者のゼロが主人公なので、内容にすこーしだけ明るさがプラスされています。
ゼロは友達に欲しいような、頭が良くて信頼できる人柄です。スレた登場人物ばかりだと読んでて疲れてくるので私は好きですヨ。

生死が関わるというよりは、なっても重体までのギャンブルがほとんどなので、カイジよりマイルドです。
出てくるギャンブルでは、クォータージャンプと指切りジャックの回がスリリングで、解決法も鮮やかで好きでした。

いかにも続きますというような終わりかたが、当時ちょっと納得いかなかったです。それ込みでも名作だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-01-01 23:13:25] [修正:2019-01-01 23:19:42] [このレビューのURL]

新堂冬樹の原作小説は未読です。

愛妻家のサラリーマンが、悲しい過去を持つ教祖が作った宗教組織に洗脳された妻を奪還しようとするお話です。

絵は綺麗というかんじではないですが見やすくて、こういうテーマにもっとも必要であろう感情の変化の書き分けがよく表されています。狂った場面の人の表情に本当に狂気を感じます。

こんな手口を使うのかという怖いものみたさや、続きはどうなるのかという好奇心で、ページをめくる手が止まりませんでした。
そういう意味では面白いです。

ただ、エロ漫画じゃないのに下劣なエロシーンが多くて作品の品を下げているんじゃないかと思うと勿体ないです。
もっとも、カリスマを書く上でリアリティーを追求するために避けて通れなかったからエロも必要だったのかもしれませんね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-01-01 22:53:15] [修正:2019-01-01 23:02:31] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

背景は史実を元にして書いてあり、そこにフィクションの登場人物を織り混ぜて描いてあります。
歴史をよく勉強してあるなと思いました。

宮廷の華やかさで乙女心をゆさぶり、市民の苦悩に感涙させられます。

オスカルやアンドレを初めとするキャラクターは、その意思や感情にリアリティーがあり、引き込まれました。

気高く、品があって応援したくなるような人物造形です。

少女漫画は恋愛だけを描いたものが多いですが、この時代の漫画はスペクタクルロマン寄りが幾つもありますね。
心に残る漫画でした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-01-01 22:44:21] [修正:2019-01-01 22:44:21] [このレビューのURL]