「フィロ」さんのページ

総レビュー数: 34レビュー(全て表示) 最終投稿: 2017年03月23日

富裕層の子女があつまる学園、そこでは読心術や駆け引き力などを養うため、ギャンブルの強さで決められる暗黙の階級制度があった。
強い者はスクールカーストでいう上位、弱い者は家畜と呼ばれ、虐げられる。
そんな奇妙な風習が根付いている学園に、ギャンブル狂の美少女、蛇喰夢子(じゃばみゆめこ)が転校してくるところから、物語は始まります。既刊6巻と外伝があります。

ギャンブル漫画なのですが、賭けられる額は高額で、人生そのものや、ときには命まで賭けることになってしまいます。なので、ジャンルとしてはデスゲーム物ともいえます。主人公が全て勝つのではなく、大敗することもあるので緊張感があります。

身近なゲームに独自のルールを加えたギャンブルが多く、親しみやすくもアレンジが効いていますが、特筆すべきは絵の美麗さ。
黙っていれば日本人形のような夢子や、ツインテールの強気なメアリ、個性豊かな生徒会メンバーなど美少女がギャンブルに荒れ狂い、おびえている様子や勝ち誇ってドSな表情に変わるさまなど、萌え絵とは違いますが好みの人にはたまらないと思います。
ある意味、名物である表情の変化を楽しむ漫画だといえます。

また、夢子の対戦相手は必ずといっていいほどイカサマを使ってきます。そのイカサマを夢子が見抜き、勝ち誇っていた相手を逆に追い詰めていくさまが水戸黄門的なお約束で、スカッとするところです。

しかし、夢子が正義感からイカサマを看破するのではなく、ギャンブルを楽しみたいからこそ、看破をすることで相手を同じ土俵に持ち込んでスリルをお互い味わいたいという「純粋なギャンブル狂」であるからこそ、勧善懲悪だと鼻につくことなく展開を楽しめます。

純粋なギャンブラーであるからこそ、夢子は命を賭けることは好まないし、諦めて戦わおうとしなくなった者全てに対して、夢子はそのままでいいのかと挑戦を問いかけます。
姉の入院費を支払っているとのことで、彼女が資金や、前述した信念や価値観を持つに至った背景も謎が多いのですが、これから伏線は解明されてゆくのでしょうか。


夢子の狂気にひきこまれる、美少女の表情の変化や先の読めなさがスリリングな面白い漫画だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-30 19:59:57] [修正:2017-03-30 22:39:56] [このレビューのURL]

「王ドロボウJING」「KING OF BANDIT JING」は全巻所有しており、私の一番好きな漫画のうちの一つです。万人向けのエンタメとして進められるかは別として考えると、悩んで7点にしました。

王ドロボウのジンと相棒のカラスのキールが異なる世界観をもつ都市から、それぞれの目的物を盗みます。
ときには、「物」ではないものまで……。
序盤はボンボンらしく少年漫画らしい絵柄なのですが、終盤と続編にかけて繊細で独特の絵柄になっていきます。

それぞれ全く違った性質をもった各都市にあわせて、盗むものは毎回異なります。この点で、キノの旅が好きなタイプの人にもオススメです。
その各都市の世界観は、オリジナリティ満載で構築されています。
私たちが夜、夢見るような愉快な夢や悪夢を凝縮させたような世界観で、少し毒をはらんだ哲学を滲ませています。
ネーミングはカクテルから名付けられているものが多く、センスのいい洋画へのオマージュも沢山あります。
童話のような右脳全開の甘々しい世界観でも、大人がかえってハマってしまうのは、この哲学が毒の効いた苦味としてアルコールになっているからと考えると、この漫画そのものがカクテルのような存在かもしれません。
台詞回しや結末が小洒落ており、一つの壮大な映画を見終わった時のようなカタルシスが各話のラストにあります。

漫画という媒体で、こんな表現ができるのか。
そう驚きたい方や、刺激を得たいアーティストにはオススメです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-25 23:14:13] [修正:2017-03-25 23:14:13] [このレビューのURL]

泣き虫で気が弱いのに潜在的Sの殺し屋イチと、 どMゆえに痛みに強く嗜虐性のあるヤクザ垣原が徐々に接近していくバトル漫画……ではなく、愛の漫画です。

すべての人を冷徹に駒とみなすジジイを黒幕として進んでいく話には、サスペンス要素があり面白かったです。
殺し屋のお話なので残酷に人が殺されるシーンが多いのですが、むしろ一筋縄ではいかない人の心理について色々考えさせられる部分がありました。
人の見ちゃいけないところを覗き見ているような背徳感に、お前はどうなんだ?と何か突きつけられているような気さえしました。

究極のSとMの邂逅というのを疑似体験できた気分でした。垣原のキャラが際立っていて最高。少しひねくれたものが好きな人にはオススメの漫画です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-25 21:34:24] [修正:2017-03-25 21:34:24] [このレビューのURL]

主人公は、詐欺師を嵌める詐欺師のクロサギ。
この詐欺師を詐欺にかける、という設定がなかなか斬新です。悪い詐欺師を黒崎が罠にかけて叩きのめすというパターンの漫画です。

バトル物ではないので、派手なシーンはなく、言葉のやり取りが主体になるのですが、主人公黒崎の演技力や、マスターとの黒い関係など、引き込まれてしまうダークな魅力があります。逮捕に執念を燃やす警官や、白詐欺だが独自の信念をもつ白石など、一筋縄ではいかない登場人物ばかりです。黒崎の仇を探すサスペンス要素もあり、緊張感があって飽きさせません。

個人的には黒崎と違った理念をもつ詐欺師の白石が出てくる回は、パターンと少し逸れていて、とても面白く感じました。安定して読めて、詐欺の知識も身につく(?)良い漫画です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-25 20:10:48] [修正:2017-03-25 20:10:48] [このレビューのURL]

果てしない世界観の広がりや、ハンターという職業の魅力やドライさがいいですね。

この漫画のすごいところは、敵キャラが本当に怖いところだと思います。単純じゃなくて、どんな思考をしているのか読みとりにくいミステリアスさを登場人物から感じますね。幽白もそうなんですが、この独特のミステリアスな雰囲気はあまり他の漫画には見られないような気がします。

また、主人公以外の第三勢力同士で戦うというワクワクする展開も随所にあります。主人公最強とならずに、むしろめちゃくちゃ強い人物がわんさか出てくるところが、ハンターという世界に奥行きを与えてて面白いです。

そういう、豊富でミステリアスなキャラや、主要人物と思われたキャラが容赦なく撤退していく展開が、混沌とした世界観にリアリティをもたせていて、緊張感を失わずに読むことができます。

本気の画力がとても高いのに、ラフのまま連載されていて読みづらかった記憶があります。(単行本ではなおってるのかな…?)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-23 20:48:04] [修正:2017-03-23 20:48:04] [このレビューのURL]

7点 RAVE

[ネタバレあり]

王道ファンタジーですね。小学生のとき流行ってまして、教室の後ろで今週のRAVEについて複数人で話してました。

壁に挟まる太陽みたいなナカジマとか、映画とってるバカップルの敵とか、プリン軍団とかケツぷり団とか、小学生にとったらもう腹かかえるほどツボでした。

また、テン・コマンドメンツとかエーテリオンとかオラシオンセイスとか、中ニ心をくすぐられるようなセンスもたまりませんでした。素直に、次はどんなことが起こるだろう、どんな敵が出てくるだろう、とライブ感にワクワクしていました。

冒険したくなるような街の描写や、ハルの優しくて涙もろい性格が好きでした。
個人的にはゲイルの最期、シュダの再登場、ムジカとレイナの絆の銀、ジークの最期が熱かったです。最後が駆け足なのが勿体なかった。
大人になった今読み返したら、小学生のときほど夢中になれるのか、気になるような、こわいような。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-23 20:30:54] [修正:2017-03-23 20:30:54] [このレビューのURL]

中学生のとき、夢中で読んでいました。
主人公の葉のゆるさが、連載当時新しい主人公像に感じました。
ジャンプらしいバトル物の少年漫画ですが、濃いキャラクターや独特の雰囲気、ノリを楽しむのが正しい読み方かな、と思います。

雰囲気というか空気感が独特で、恐山ルヴォワール編をはじめとして、古い日本の情緒みたいなものが絵のタッチや背景から匂ってくるのでそこがすごいなと。
世界各地の民俗的な何か、にも惹かれるものがあります。タイトルでもある「シャーマン」的な要素の魅力が節々にあります。
生と死のあわいのような、普通の少年漫画にはないテイストが、とても味わいがありました。
そこがこの漫画のいいところですね。

バトル物や濃いキャラクターが好きな人にはオススメ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-03-23 20:09:52] [修正:2017-03-23 20:09:52] [このレビューのURL]

絵が一貫して綺麗で、読みやすいデスゲーム物です。

デスゲームだけあって、人が死ぬ場面も多いのですが、どことなくゲームの設定が人の心理の裏をついたような物も多く、読んでいて単純に「先が気になる」。
そうきたか、と意表をつかれた結果も多く、なかなかスリリングでした。

終盤は哲学というか精神世界のお話になってしまい、それまでのゲームで見られた主人公が知恵を振り絞ってクリアを目指す面白さがなくなってしまったので勿体ない気もします。

読み終わったあと、残るような影響はないけど、間違いなく、ハラハラしながら夢中で読める面白い漫画です。もっと知名度があってもいいと思う、まとまった出来の作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-03-23 19:32:11] [修正:2017-03-23 19:33:49] [このレビューのURL]