「フクポル」さんのページ

<所持歴:全巻。収集中>

タイトル通り舞台は刑務所の中ですが、その中の医者にスポットを当てたジョブ(医療)系の作品です。

巻末に参考文献が多数挙げられてる様に、取材を重ねた上で描かれてると思われ、(言葉は悪いですが)いわゆる「塀の中」の医療面の実態が丁寧に描かれてます。
内容は「刑務所内の医療そのもの」というよりは、「医療面から見た受刑者の置かれる状況」という感じです。
なので、物語のメインとなるのは、あくまで「受刑者」

減点対象として挙げるなら、その絵柄。
正直地味で、それ以上にかなり不安定。登場人物の顔が全く定まってません。
これは今後に期待。



「命」に関わる仕事をする者には、何らかの責任がある。

これは、作中の台詞です。
そして、それをマンガ作品として世に出す場合でも、やっぱり「責任」はあるはずです。
エンターテイメントに執着し過ぎて、医療をテーマにしながら「命」を軽く扱う(描く)作品が見受けられますが(敢えて作品名は挙げませんが、小学館漫画賞を獲った獣医みたいなマンガとか)、本作はその心配は要りません。
(とは言っても、結果として読者に受け入れられなきゃそれも良し悪しですが)


掲載誌もマイナーなので、このまま埋もれていく気がしないでもないですが、それはちょっと惜しいかな、と。


期待を込めて7点。(絵柄のマイナスを含んで)

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-08-29 23:13:14] [修正:2010-02-07 20:46:15]