「Mサトゥー」さんのページ

通読した感想です。

薬物の乱用によって「カブキモン」と呼ばれる異形に変わり果てた者が最後に流れ着く街・新歌舞伎町。その街に<キンサチ>と呼ばれる刀を携えてある男が戻ってくる。男の名は潮獅子丸。古巣に戻ってくるなり借金取りに追われる獅子丸。借金取りがカブキモンと化して絶体絶命かと思われたときに<キンサチ>が閃いて・・・

作者独特の適当でユルくて濃い、そんな絶妙な雰囲気は健在です。
しかし、そんな雰囲気の作品の中で、この作者にしては珍しく、登場人物の死についてしっかり描こうとしているので、どうも中途半端で唐突な印象になってしまっています。

細部について言えば、ラストの詰込みがひどいです。「武士沢レシーブ」の最終話みたくなってます(さすがに年表はつきませんが)。ギャグとして狙ってやったのだとしたら完璧すべってますし、ページ不足で描けなかったのだとしたらなお悪いです。そこは他の何を削ってもしっかり描くべきだったと思います。いいシーンなだけに勿体無いです。

上でも書いたように、作者の持ち味である「雰囲気」は強く出てますが、正直ファン以外には薦められません。

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[投稿:2009-04-27 01:15:10] [修正:2009-04-27 01:15:10]