「Mサトゥー」さんのページ

総レビュー数: 66レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年02月13日

5点 銀魂

天人と呼ばれる異星人の武力によって開国させられた江戸幕府。侍たちの抵抗空しく、天人の傀儡となった幕府によって廃刀令が発布され、かつての攘夷戦争で"白夜叉"と恐れられた坂田銀時は歌舞伎町で万事屋となっていた・・・というギャグ時々シリアスな漫画。

正直シリアスな話のアクションシーンは見れたモンじゃないです。特に初期〜中期は何が起こってるか把握できないこともシバシバです。最近の吉原編では多少の上達が見られますが、全体的に白っぽい絵柄のせいか地味な感じです。

ギャグは台詞回しや掛け合いで笑わせる方向性です。シリアスな話にもギャグが盛り込まれていて、アクションの残念な感じを緩和しています。シリアスな話にギャグが入ると緊張感がだれますが、元々ギャグ漫画だと割り切れば許容範囲です。デフォルメ絵に頼らないのも好感が持てます。

すごく面白い話とそうでもない話の落差が激しいので、全体を均すとこの位の点数になると思います。40巻を超えると完全に駄作に成り下がる予感がします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-27 17:13:02] [修正:2009-04-27 17:13:02] [このレビューのURL]

通読した感想です。

薬物の乱用によって「カブキモン」と呼ばれる異形に変わり果てた者が最後に流れ着く街・新歌舞伎町。その街に<キンサチ>と呼ばれる刀を携えてある男が戻ってくる。男の名は潮獅子丸。古巣に戻ってくるなり借金取りに追われる獅子丸。借金取りがカブキモンと化して絶体絶命かと思われたときに<キンサチ>が閃いて・・・

作者独特の適当でユルくて濃い、そんな絶妙な雰囲気は健在です。
しかし、そんな雰囲気の作品の中で、この作者にしては珍しく、登場人物の死についてしっかり描こうとしているので、どうも中途半端で唐突な印象になってしまっています。

細部について言えば、ラストの詰込みがひどいです。「武士沢レシーブ」の最終話みたくなってます(さすがに年表はつきませんが)。ギャグとして狙ってやったのだとしたら完璧すべってますし、ページ不足で描けなかったのだとしたらなお悪いです。そこは他の何を削ってもしっかり描くべきだったと思います。いいシーンなだけに勿体無いです。

上でも書いたように、作者の持ち味である「雰囲気」は強く出てますが、正直ファン以外には薦められません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-27 01:15:10] [修正:2009-04-27 01:15:10] [このレビューのURL]

通読した感想です。アニメは見てません。

「ひまわりの匂いがする侍」を探す旅に出る旅費を稼ぐため、団子屋で働いていたフウ。しかし、その計画は二匹の剣士との出会いで脆くも崩れ去る・・・

時代劇とギャグと派手な剣戟のちゃんぷるです。

侍二匹がとにかく切りまくる。しかも切られた側の描写がすごく軽くて薄い。
こんなふうに書くとダメそうですが、この昔の時代劇みたいな空気がいいんです。剣士二匹の暴れっぷりが痛快です。

一見荒い絵ですが、アクションシーンもしっかり描けてます。

ハンパな終り方なのが残念です。それが大きなマイナスになってます。
結局「ひまわりの匂いがする侍」って何だったんでしょう・・・?

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[投稿:2009-04-18 11:47:53] [修正:2009-04-18 11:47:53] [このレビューのURL]

3巻まで読んだ感想です。

無事に世紀末を乗り切った神の子・キリストと悟った人・仏陀が下界でバカンスを満喫する、という粗筋のゆるいギャグ漫画。

肩の力を抜いて読めるイイ漫画です。まさに6点な漫画。
仏陀とキリストのゆるい日常が笑えます。日常を描いたギャグはあまり好みではないのですが、この作品は日常を切り取るギャグに宗教ネタが絡むので、飽きることなく読むことができました。

宗教ネタは、それほどディープではありません。
最新3巻で登場した天界の新キャラは聞いたことはあっても詳細を知らない、というものがほとんどでしたが、問題なく笑えました。

ギャグ漫画ですが画力も高く、線が細くて繊細な絵柄です。

宗教に寛容な日本だからこそ認められる作品ですが、さすがにイスラム教のあの方は登場しないんでしょうね。

3巻で新キャラが登場したことで、これからがますます楽しみです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-14 23:59:54] [修正:2009-04-14 23:59:54] [このレビューのURL]

8点 HELLSING

通読した感想です。

英国を脅かす怪物に対処するため組織された英国国教騎士団「HELLSING」が、多発する吸血鬼事件の謎を追う・・・

主人公・アーカードが圧倒的に強いです。強すぎて登場人物というより、世界観というか、舞台設定になってしまっています。
本当の主人公は、アーカードを必死に倒そうとする敵や、HELLSINGの面々ではないかと思います。

描写は流血シーンが多く非常に汚いですが、読めば読むほど目が離せなくなる不思議な魅力のある絵柄です。初期から後半にかけて段々画力が上がり、最後は無二の画風を確立しています。

表紙裏のおまけ等、読者を楽しませると同時に作者自身が楽しんで描いてます。個人的には「例のものは!×3」が再現度高すぎで笑わせてもらいました。絶対どっかにあんなキャラ出てました。

今更言うまでもなく、名台詞多数。ラストも綺麗にまとまっています。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-13 23:19:24] [修正:2009-04-13 23:19:24] [このレビューのURL]

13世紀の中国大陸を舞台に、精強な蒙古軍に「悪霊」と恐れられる女戦士シュトヘルと、敵国の「文字」に魅せられ、文字を戦火から救うために一族を裏切ることを決意した蒙古方の皇子ユルールの戦いを描いた作品。

「皇国の守護者」の作者の最新作です。
1巻を読んだ感じでは、相当長い連載になりそうです。
この作者の描く戦場は本当に生々しく、迫力があるので作風が生きる良いテーマ選択だと思います。
ただ、独特な絵柄のせいか、作品の見せ場のひとつであるシュトヘルのアクションシーンが、少し見にくく感じてしまったことが残念でした。

文字への憧れを語るユルールの表情がなんともいえません。
多くの人を巻き込んで一族を出奔するという、とても正気の沙汰とはいえないことをやってしまうだけの、強い憧れと情熱が感じられます。

続きが早く読みたいです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-05 13:19:35] [修正:2009-04-12 17:29:34] [このレビューのURL]

「ブラム!」の弐瓶勉の作品集。

弐瓶センセイさすがです。
帯の「弐瓶先生いったいどうしちゃったの」という本田透氏のコメントの通りはじけちゃってます。

表題作の「ブラム学園!」は「ブラム!」を自身がパロディーした学園モノ(笑)です。しかも、あの弐瓶先生がハヤリの萌え絵に手を出されている!
・・・もうココまでやられると原作のイメージがどうとかいう無粋な感想は出てきません。素直に萌え絵でベタベタな学園コメディーを楽しむしかありません。シボとかもはや原型とどめてません。

他にも「ブラム!」の後の時代を描いた作品や、商業誌未掲載作品も収録されておりファンには嬉しいばかりです。

コメディーから本格SFまで大満足な1冊です。先生の引き出しの多さには本当に驚かされます。
そのうえ全編フルカラー印刷なんていう事なしです。

萌え絵から本格SFな絵まで描ききる先生のウデに脱帽。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-04-12 01:48:39] [修正:2009-04-12 01:48:39] [このレビューのURL]

通読した感想です。

洋上の小国「皇国」に突如強大な帝国軍が上陸する。
皇国軍は北の原野で決戦を挑むが敗北。
再起かけて敗走する友軍を救うため、新城直衛は剣牙虎部隊(サーベルタイガース)を率いて絶望的な遅滞戦にのぞむ・・・。

とにかく面白いです。
上の粗筋だと、まるで新城が英雄のようですが、新城は「英雄」ではありません。戦闘の前には震えが止まらず、非情な作戦を実行した後は苦悩する・・・そういう男です。
その新城が圧倒的な帝国軍と戦うわけです。皇国の命運を背負って、血に狂いながら。


ペンでガシガシかいたような力強い絵柄で描かれる登場人物たちは敵味方を問わず印象的で、忘れがたい存在感があります。
そして、その絵柄で描写される戦場は本当に素晴らしいの一言に尽きます。

剣牙虎や天龍、導術などのファンタジーな要素も違和感なく作品の中に取り込んでいます。

全5巻と短く、その後が気になる終り方ではありましたが、一応巧くまとまっていて一つの作品として完結しています。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-04-08 23:58:30] [修正:2009-04-08 23:58:30] [このレビューのURL]