「あおはな」さんのページ

6点 三国志

横山三国志は「功罪」入り混じる三国志でもあります。

この作品を「史実の吸収」と捉えるのかあくまで「エンタメ」と捉えるのか。

本作品が三国志演義がベースにして記述されていることを予備知識として持たない読者に本書を読んで「三国志の歴史を勉強した」と錯覚させている可能性が高いという意味では「罪」。しかしあくまでもエンタメとして本書を把握するにあたっては漫画の歴史上意味が深い作品(というよりエポックメーキング)という意味で「功」。

あくまで横山三国志は「フィクション」であってそのうえでの価値があるということをもっと伝達したいです。

本作の影響で蜀びいきが横行しているけれど、実際の三国志は「曹操対その他」なのでむしろそういった意味では一見オーバーに描かれている蒼天航路のほうがはるかに実話に近いですね。(孔明と曹操。武力系の人が余りに脚色されていることを除外すればほとんど史実どおりですから)

こんだけぶっこいた後で言うのも何ですが、読む価値は十分にあります。でも個人的に「コレは歴史じゃない」ということを前提に読んでいただきたいです。

あと蜀を際立たせる効果の1つとして魏の軍師の顔を「故意」に同じ顔にしたことが個人的にめちゃ不満なので1点減とさせていただきます。(この効果について横山先生自身がカミングアウトされておられる記述あります)

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[投稿:2010-11-06 17:09:07] [修正:2011-02-02 19:21:32]