「左手」さんのページ

 「食うこと」に共感しない人はいない。描かれている状況はリアルであり、また日常であり、そのシーンをそのまま切り取りコマにした漫画です。
 漫画を読むというよりも、知り合いのおじさんのちょっとしたエピソードを聞いているような感覚に陥ります。その程度の話でも、現実は小説より奇なり、を体言している作品です。
 何が面白いと聞かれれば私はこう例えます。無数にある非現実世界の漫画から現実的な孤独のグルメにまるで世間話を聞きにいくように読んでしまう漫画界の公園のベンチ、と。
 読み終えたあとにしばらくしてまた井之頭さんに会いたくなるような漫画です。オススメです。

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[投稿:2011-04-08 19:26:01] [修正:2011-04-08 19:26:01]