「佐々木裕健」さんのページ

露骨な性描写が気持ち悪い。(無ければよい、と言うのではなく、描き方が生理的に合わなかった。あんなにモロでなくても、表現はできるだろうに。作者の趣味だから仕方は無いけど。)

それさえなければ本当に非の打ち所の無い作品である。

登場人物全てが理性的なところ、狂っているところをもっており、しかもその「狂っているところ」こそが、単なる個性を越えて、今の日本社会の「豊かなんだけどどこか壊れている」といった感じを上手に反映させている。

この作品全体からは、どこにでもいる「善人」に対する強烈な怒りを感じる。もちろんこの場合の「善人」は、

表面は問題の無いように取り繕い、肝心の臭いものにはふたをし、他人に対しても自分自身に対しても嘘をつきながらだましだまし生きていて、しかもそのことさえも認めようとしない「善人」である。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-06-12 15:49:17] [修正:2007-06-12 15:49:17]

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