「佐々木裕健」さんのページ

この作品が『寄生獣』の前に書かれた作品であることに驚く人が多いみたいだが、私は逆に、ものすごく納得いった。

可愛い女子高生が喫茶店でウエイトレスのバイトをしており、そこでおこる日常のあれこれ、というあらすじだが、これだけ聞くとものすごくゆるくお軽い、萌え漫画のような気さえしてくる。しかし全然違うことは、実際読んで見れば一発でわかる。

登場人物一人一人が現実で生きているかのように意思を持って動き、その結果何かちょっとした(時には犯罪沙汰の話も出てくるが)出来事をまとめていく、ストーリーの定型パターンにキャラを載せるということは極力しないという誠実さをもって描かれている。

『寄生獣』でも、作品内で起こる出来事のスケールが大きくなっただけで、こういった地に足のついた誠実さという点では共通である。入れ物が変わっただけで、中身が変わったわけではないのである。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2007-06-12 21:26:22] [修正:2007-06-12 21:26:22]

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