ピンポンのレビュー
9点 souldriverさん
構成の過不足のなさ、キャラの魅力、独創的な構図やタッチ、意外な結末…全てが素晴らしい。
才能を持て余す能天気なペコと、才能を生かす気のないクールなスマイル。作者得意の二人の対比を中心に描かれる青春像は、天才であるがゆえの苦悩や孤独、努力では超えられない壁にぶつかった者の挫折感、スポーツをやっている人間なら誰もが感じる、けど誰も決して声を大にしては言えなかった、そんな真実を痛快に表現している。
主役級の二人から脇役に至るまで、それぞれの思いを胸に卓球に命を賭ける姿は、みんなどうしようもなくカッコイイ。
また、粗さと繊細さが見事に溶け合った絵は濃すぎず、薄すぎず、一度見たら忘れられないインパクトを持っている。ほとんど動きのない「静」の絵にこれほどのメッセージを込められたマンガがかつてあっただろうか。
青春という2文字をたった5冊の中に見事に集約してみせた作者の感性は驚異に値する。
文句なしに傑作。
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[投稿:2007-06-29 19:14:27] [修正:2007-06-29 19:14:27] [このレビューのURL]
10点 wowwow66さん
たった5巻のなかにスポーツ漫画に必要な要素が総てそろっている。それでいて絵も構図もセンス抜群。
某掲示板では厨なんとかだとか言われる作者だと思って読まないのは大変もったいない。この漫画的センスには脱帽するしかない。
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[投稿:2007-06-19 22:13:54] [修正:2007-06-19 22:13:54] [このレビューのURL]
10点 ytさん
作品としてこれ以上ないくらい完成してます。
塗り絵のようなカラーが絶品。
この作者にしか出来ない柔軟性のある表現も一見の価値あり。
5冊でよくここまで綺麗にまとまたなぁと感心します。
余談ですが、映画も好きです。
スーパーカー好きなのでサントラも買いました。
映画と漫画の太田のキャラの違いに戸惑うのも一興。
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[投稿:2007-05-07 02:07:53] [修正:2007-05-07 02:07:53] [このレビューのURL]
7点 カルマさん
全5巻で仕上げたという点で高評価。
短い巻数のなかで、各キャラの個性付けがしっかり出来ているのは結構すごいと思います。
絵が少し独特だけど、まぁ慣れれば問題ないかな。
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[投稿:2007-02-11 22:11:53] [修正:2007-02-11 22:11:53] [このレビューのURL]
7点 friendstudioさん
映画の方からこの漫画を知りました。いきなり関係ありませんが僕は映画が大好きで(笑)、「この卓出した映像センスは原作からも来てるのかな?」と楽しみにしてました。いやー!これは原作の力だ!「ずば抜けてんだよ、センスがっ・・・ハンパじゃねえっ!」
とにかく、凄すぎる絵。いまだかつてこんなに絵がうまい人は見たことが無いです(上手(じょうず)にあらず)。トーンをほとんど使わずペン1本で描かれた、陰影のハッキリとした独特の絵柄。パワフルな「空気の動き」までも見えます。さらにはタダモノではない、\"映像的\"を飛び越えたアングル、コマ割り、切り取り方・・・。漫画を読んでいるというよりは「映像体験」させられているような錯覚にさえ陥ります。特に漫画史上における金字塔の対決ではないかと思われる「星野VS風間」戦は最も気合の入った作画になっており、紙の中に飲み込まれそうなほどの圧倒的な迫力!もちろん作画だけではなく、挫折と栄光と苦悩を鮮やかに書き上げたストーリーに、磨き上げられたキャラ造形、随所に挟み込まれているユーモア・・・いずれもかなり高レベルでまとまっています。
ストーリーについて、もう少し。才能はあるのにやる気が無い月本が最初のメーン主人公ですが、彼が目覚めていくうちに、次第に主人公は星野にスライドしていきます。この二人のシーンごとの心情変化が非常に巧みに書かれており、展開も「ムダ」なシーンやわき道にそれるようなコトもほとんどなく、相当計画された上でのシナリオなのだなと思えました。また、二人だけではなく魅力的なサブキャラクターたち――挫折を乗り越えて\"役目\"を見つけるチャイナ、「飛べない鳥も居る」と苦渋の末に卓球を諦めるアクマ、最強ゆえの苦しみの果てに、最後に星野によって解き放たれるドラゴン(風間)・・・、さらにはコーチ陣の「バタフライ・ジョー」と「オババ」も加わって複雑に絡み合い(いや、ある意味単純?)、ふたりの主人公を盛り上げます。特に僕は佐久間(アクマ)にどーしても感情移入してしまって・・・ゲホゲホ。兎に角もこれらキャラクターたちの性格付けがいずれも強烈で、それらから放たれる痛快なセリフもこの作品の魅力です。セリフは最初から最後まで見事でした。日常生活で使ってしまいそうです(笑)
とはいえ単純には「スポ根」モノであり、シナリオも、陳腐と言われてしまえばそこまでという面はあります(笑)。しかしそれでも、「やっぱり、いい」と思える、これらのキャラクタ、シナリオ、そして\"映像\"。チャンスがあればぜひ手に取っていただきたい漫画です。この独特の絵柄、良い意味でも悪い意味でも、途中から慣れます(笑)
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[投稿:2006-11-19 21:04:28] [修正:2006-11-19 21:04:28] [このレビューのURL]
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