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7.81点(レビュー数:32人)

作者尾瀬あきら

巻数12巻 (完結)

連載誌モーニング:1988年~ / 講談社

更新時刻 2011-08-27 01:12:06

あらすじ 東京でコピーライターの仕事をしている佐伯夏子の実家は佐伯酒造という造り酒屋。
コピーライターの仕事が波に乗った矢先、兄が急死。亡き兄の意志を継ぎ、実家に戻った夏子は伝説の米「龍錦」で最高の酒を造ろうとする。

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夏子の酒のレビュー

点数別:
16件~ 20件を表示/全32 件

9点 ITSUKIさん

読むきっかけとなったのはこれまたこちらのサイトです。
サイトがリニューアルされてランキングの平均点算出方法が変わってから、いきなりランキング上位に顔を出してきたからです。ランキング工作対策のおかげでまた名作に出会う事が出来ました。

読んだ最初の感想は「あぁ、いかにも青年誌っぽい作品だなぁ」という事。
画風、キャラの設定、描かれるドラマ、少ししゃれたせりふ回しとか…連載時期が割と前なのもありますが、ここまで「ぽい」作品ははじめてしっかりと読んだので逆に新鮮でした。

題名に「酒」とある通り、この作品の題材は「日本酒」です。
主人公・佐伯夏子が病死した兄から受け継いだ伝説の米「龍錦」を復活させ、その米で最高の日本酒をつくる為に奮闘するというストーリー。
日本酒造りに欠かせない「酒米造り」を通して、日本の農業の抱える問題を描いていきます。
「日本酒とはどうあるべき」という作者の強い主張がキャラクターに代弁されていて、読んでいて自分が楽しめたのは自分が今実際に酒を造る人間じゃないからだなぁと思うほどでした。
実際に酒を今造っている人にとっては頭が痛い話ですし、フィクションとはいえ大きなお世話だといってやりたくなるんじゃないでしょうか。

次々と直面するさまざまな困難を乗り越え、その姿に徐々に周囲も夏子に惹かれて変わっていくという王道なストーリーです。
展開には無理がないし、夏子の恋愛についても最後までどうなるかやきもきさせられた続きが気になるうまい構成でした。
あとこの作品が成功した理由は主人公を女性にした事じゃないでしょうか。
泥臭い話もどこか華があるし、なにより日本酒を飲む美人っていうのがすっごい絵になるんですよねえ。

絵柄については誰でも読めるような青年誌っぽい絵です。全編通して安定して高い画力を持っています。
全12巻という長すぎない巻数でストーリーも最後まで目標がぶれず、しっかり描き切られています。
とにかく無駄がない12巻で濃い内容でした。

普段めったに酒を飲まない自分ですが、日本酒というものに興味を持つきっかけには十分すぎました。生活に影響出ました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-08 03:53:16] [修正:2010-03-08 03:53:16] [このレビューのURL]

10点 鈴森一さん

この漫画には、欠点と呼べるところがありません。
それなので、10点です。

感想ですが、私は夏子と兄との関係が好きでした。
亡くなった兄の目指した酒が夏子の目標となるあたりに、タッチの上杉和也と達也の関係を連想しました。
だから何っていうこともないんですが…。

また、夏子が酒造りを追求する中で、米作りの問題に切り込んでいくところもよいです。
龍錦づくりにはまる冴子と夏子、素敵です。

夏子のように純粋に生きたいと思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-12 23:43:00] [修正:2010-01-12 23:43:00] [このレビューのURL]

6点 tachuhikoさん

普通に面白い
神の雫みたいにダラダラやらず
12巻できっちりまとめとる。

料理や酒関連のどうしてもうんちく
だらけになる漫画の中では一番面白い
しかし最強に面白い訳ではない

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-30 14:48:41] [修正:2009-12-30 14:48:41] [このレビューのURL]

9点 mangaさん

めちゃくちゃおもしろいです。
無駄コマがなく非常に丁寧に描かれています。
漫画を読んだことがない人も
この作品なら抵抗なく読めるでしょうし
漫画の奥深さを知ることができると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-03-16 22:48:29] [修正:2009-12-30 14:26:35] [このレビューのURL]

7点 DEIMOSさん

酒造り、を題材にしたクリエイター漫画。

作り酒屋の娘、夏子が、亡き兄の思いを受け継いで、日本一の吟醸酒造りに挑む作品。
全巻とおして描かれるのは、ただ、それだけである。プロットとしてはそれ以上でもそれ以下でもない。
ただ、その過程で紡がれる困難と解決、人間同士のぶつかり合いを丁寧に描く姿勢にはただ感服するばかりである。

また、この話における酒造りとは、畢竟、エンターテイメントのプロデュースである。コンテンツ製作とのアナロジーでは、蔵元=プロデューサーだし、杜氏=ディレクター、醸造職人=スタッフ、農家=原作者であるといえよう。酒という娯楽作品にかける情熱は、往々にして、利潤追求とは反した行動原理を導く。現実的農薬農法と理想的有機農法の対立は、ポスト資本主義社会の環境調和指向型社会の到来を彷彿とさせる。もはや、夏子の酒は、ものづくりに携わる全ての人間に通じる普遍性をもっているのである。

そして、その熱い魂に共感した読者は、
自然と酒屋で酒選びをしてしまうことだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-11-01 19:44:49] [修正:2009-12-24 02:05:44] [このレビューのURL]

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