「鈴森一」さんのページ

総レビュー数: 87レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月07日

「タッチ」の香りがする野球漫画です。

本作は2005年から2010年にかけて週刊少年サンデーで連載されていました。
「タッチ」の頃とは違い、野球がそれほど若者に浸透しなくなった時代に連載されています。
しかし、この作品内の登場人物たちは、みんな「甲子園」に夢を見ていて、「タッチ」がブームだったあの頃のままです。

この「時代錯誤」感が、作品の大きな特徴だと思います。

携帯電話やインターネットはほとんど出てきませんし、主な舞台は、家と野球場と高校とバッティングセンター併設の喫茶店です。
メインキャラは喫茶店によく集い、ヒロインは喫茶店で働くこともあります。
完全に80年代のノリです。
いやー懐かしい。
あだち充先生の作風も当時とそれほど変わっておりません。
というか、「タッチ」との類似点は多いです。
(あまり書くとネタバレになるのでやめておきます。)

80年代に小中学生時代を過ごし、今やすっかりくたびれたおっさんになった自分にとって、この作品を読んだことが一種の清涼剤となりました。
元気をもらいました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2025-02-07 13:47:47] [修正:2025-02-07 13:47:47] [このレビューのURL]

1980年代の少女漫画です。
往年の名作だそうですが、私は2022年になってから
その存在を知り、ネットで取り寄せて読んでみました。

絵柄に、「古き少女漫画」を感じます。
動きは少ないですが、きれいな絵柄です。
特に、着物を着た女性の絵が素晴らしいです。

主人公は姉妹同然に育った2人の同い年の女性で、
その2人の女性の11才から23才まで(明治8年から明治20年まで)
を描いています。

異国への憧れ、勉学の努力、淡い初恋などを描いた学生時代、
恋愛がリアルな結婚へとつながる20才頃、
そして結婚後の数年間、と続きます。

物語性というか、詩情というか・・・そういうものを強く感じさせます。
抒情性豊かな物語で、素晴らしいと感じました。


全体的にセレブな雰囲気でロマンを感じさせますが、
私たちの実人生と妙にリンクする場面も多いです。

異国へ憧れ英語を熱心に勉強した学生時代、
大人になってそれを生かした仕事に就くが、
次から次へといろんな問題が発生し、
学生時代の夢を叶えたと浸る暇などない、
というところが特にリアルです。

また、万里子の結婚生活もリアルです。
セレブ夫妻なのに・・・庶民の自分が感情移入してしまいます。

豪華さと、抒情性と、人生のリアルさとが同居している
ところがこの作品の魅力です。

最後に短所と感じたところも書いておきます。
それは、数コマでストーリーが目まぐるしく動きすぎるところです。
この点は、2020年代の漫画とかなりテイストが違いました。
1つのエピソードがページの途中で終わって、
同一ページの次のコマですぐ次の話が始まる、ということが多く、
余韻に浸りにくいと思いましたが、そこは、
そんなもんだと割り切って読みました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-02-02 12:23:00] [修正:2022-02-02 12:24:06] [このレビューのURL]

おもしろいです。
実にいろいろな読み方ができるマンガです。
医療ものでもあるし、SFものでもあるし、ミステリーものでもあるし、社会派ものでもあるし、ヒューマンドラマものでもあります。
設定もストーリー展開も非常によくできている娯楽ものの傑作であり、加えて読んだ後に何かを考えさせてくれる哲学的な作品でもあります。
未読の方には、一読をオススメします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-08 22:47:49] [修正:2010-07-08 22:47:49] [このレビューのURL]

読解力の要求される作品です。
一度では完全に読解できず、何度も読み返してしまいました。

スケールの大きなSF作品です。

夜長に読み、作品の世界にどっぷりと浸かってください。



なお、ストーリーを読解できない人もたくさんいると思います。
そういう意味で、読者を選ぶ作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-07 23:10:44] [修正:2010-04-07 23:10:44] [このレビューのURL]