「こみっくは」さんのページ

総レビュー数: 15レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年01月07日

「カンタレラ」の毒薬で有名なボルジア家、チェーザレの人生をすごく丁寧に描いた作品。

画力が高く美しく、建物や洋服が忠実に再現され、漫画というより芸術作品的な雰囲気です。

史実を知らない私でも、当時の情勢や宗教観が書かれていて、分かりやすいし好奇心がそそられます。
説明的なセリフも多いですが、エピソードを交えて伝える場面も多いのでわかりやすいと思います。

特にチェーザレの通う大学の生徒の相関で国の情勢などが解るのが面白い。
フランスが当時周りの国から「野蛮」と思われていたのは意外でした。

これを読んでから、塩野七生著のチェーザレの小説を読んだのですが、
この漫画の方が、わかりやすく、感情移入ができ、迫力がありました。

話がゆっくり進み、激動の展開というものがないので、物足りなく思う方もいるかもしれません。
個人的には、丁寧な描写によって、今の生活と離れた中世ヨーロッパの雰囲気に違和感なく溶け込めて好きです。


この作品、漫画大賞とかで好かれそうな気がする、と思っていたら2009年惜しくもノミネート届かず、だったらしい。
けど、ちょっと漫画らしさが少ないのかもしれません。


日本、中国の歴史漫画は多いですが、それ以外の歴史漫画は少ないように思います。

中世ヨーロッパは同じ名前、似たような名前の人がうじゃうじゃいるので、絵のない小説だと混同しなように読むのにちょっと疲れる。

今後、漫画でこういった歴史ものが増えたら面白いなぁと思います。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2011-01-08 00:02:02] [修正:2011-01-08 00:07:37] [このレビューのURL]

中学生の時に読みました。

次々と起こる展開、誰が敵かわからないスリル。

サスペンスに、超能力バトルあり、恋愛ありの少女漫画。
超能力バトルといってもなんでもアリって感じではありません。

大好きな双子の妹に命を狙われ、逃げる、逃げまくる主人公。

中盤、世の中が敵ばかりに思える状況で、いつ捕まるかとハラハラしました。緊迫感を書くのがうまいです。

主人公と双子の妹の戦いが、色々な他の思惑も巻き込み、時に協力的になったり、また敵対しながら進みます。

主人公に敵対する妹にも感情移入できるエピソードがちゃんとあり、
ダレることもなく、最後はせつないが見事な完結。泣けました。

恋愛がキーポイントであり描写もありますが、主軸ではないので男性にもおススメできる少女漫画です。

ただし、主人公のイイコちゃんキャラにイライラするかも。

この作者はどの作品も、全体的にキャラの魅力が薄い。
けれどもストーリーで考えると、この作者の漫画の中で1番出来の良い作品だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-12 22:23:44] [修正:2012-02-10 23:43:20] [このレビューのURL]



ドラマチックです。この時代の少女漫画にあって、今の少女漫画にないもの、、、それが圧倒的なドラマチックさだと思います。

主人公がドイツの音楽学校で恋をした相手がロシアの革命家であり、次第にロシア革命に巻き込まれていく、大河ロマン。
舞台も国をまたがり移り変わります。

男のフリをしている主人公という点はベルサイユのバラと同じような設定だが、家督争いや、侵してしまったある秘密の為、という男装の理由付けがちゃんとある。

前半はロシア革命とはあまり接点のない音楽学校の学生生活が描かれている。革命だけを期待して読むと、前半の恋愛要素たっぷりの部分で挫折する方もいるかもしれない。しかしサスペンス的要素があり、主人公の秘密がバレるバレないのスリル感がある。また、音楽に対しての学生達の想いも読み応えがある。そして後半への伏線もある。

多くの登場人物がいるが、その誰もが懸命に生きている。
恋愛に対して…、志に対して…、音楽に対して…、生きることに対して、すべてに熱さが伝わってくる。

古い描写が肌に合わない方もいると思うが、そこにうまく溶け込めれば、古い描写だからこその、美しさや熱っぽさが心地良いと思います。
それがあるからこそ、ドラマティカルな世界を堪能できる。

高校の時回し読みをしていましたが、「ベルサイユのバラ」より「オルフェウスの窓」を高く評価している人が多かった記憶がある。

私もオルフェウスの窓の方が好きです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-17 21:13:13] [修正:2011-01-17 21:13:13] [このレビューのURL]


ミステリー同好会の4人+1匹が色々な事件に巻き込まれる、学園コメディ漫画です。

推理が主軸の話が多いが、オカルト、ファンタジーの話もあり、登場人物の奮闘を楽しむ物語。コミックスで7巻という長さなのでダラダラせず、どの話もうまくまとまっていますが、好みの話が分かれると思います。

主要のキャラクターが良く、この人達のドタバタをずっと見ていたい、と思いました。

本格ミステリーが読みたい人には物足りないかも。

絵はものすごく少女漫画ですが、恋愛色はほとんどないので男性でも読めると思います。

好奇心旺盛なこどもに読んでもらいたい。

こども心にはスリルもあり、ハラハラすると思います。それでいて全体の雰囲気は明るいという、良作。

こどもの頃読んだ時の感想なら7点つけてました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-13 21:34:37] [修正:2011-01-13 21:34:37] [このレビューのURL]

有名な作品なので読んでみました。

展開につぐ展開、常に読者をハラハラさせてやろうっていう勢いが感じられます。

何があるか分からない世界で、希望を感じられるものを発見するかも、という少しの期待を持ちつつ、裏切られながら一気に読みました。

SFあり、ファンタジー(空想と現実がごっちゃになる等)あり、恐怖あり。

恐ろしい雰囲気を醸し出す手法はさすがです。

あまりの超展開や、こども達の行動心理の唐突さにとまどう箇所も。
説得力がちょっと弱いようにも感じますが、当時漫画が今よりもっとこどもを対象にされていたこと、当時としての新しさを考えると、とてもクオリティが高い作品です。
こどもの頃に読んだらもっと衝撃が強かったハズ。

こども達が使命感を持って戦ったり、小さい子達を守ろうとする姿勢に好感が持てます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-12 20:18:34] [修正:2011-01-12 20:18:34] [このレビューのURL]

7点 寄生獣


10年前にトライした時は、グロイと思って1巻ですぐリタイアしてしまい、最近一気読みしました。今思えばグロさはどうってことない。

発想の奇抜感がすごいです。

人類の中に得体の知れない敵が紛れ込んでいる恐怖感が面白い。

ぐいぐい読ませる展開があり、両親とのエピソードはぐっときました。

主人公の心の迷いや成長も読みどころ。

それを通して、読者に問いを投げかけ、投げかけるだけでなく作者自身の答えもしっかりと出して結んでいるところがすばらしいです。

独特の奇妙な雰囲気があり、ハラハラあり、バトルあり、感動あり、人間への問いかけまである、といったとこ読み応え抜群の作品です。

10年前に読んでいれば、もっと衝撃が強かったと思います。惜しいことした。

同作者の『ヒストリエ』も雰囲気が違ったものですが、おススメです。個人的には『ヒストリエ』の方が好きです。


ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-07 22:34:57] [修正:2011-01-07 22:34:57] [このレビューのURL]

ネットの評価が高いので、手にとってみた作品です。

派手な感じはしないのに、つい先を読みたくなる作品でした。

よくあるスポコン漫画のシンデレラストーリーではありません。
バレエをやっている人の地道な努力や苦労、イベント的ではなく日常的な心理描写などが書かれています。

バレエの細かい技術的な面でも、壁にぶつかったり伸びていくのが丁寧に描写されています。バレエをやってる人なら、技(?)の難しさや、できた時の気持ちなど、共感できるのかもしれない。

高みを目指す人達の嫉妬心みたいなものも、まさに悪役といった感じではなく、リアリティがある。主人公達を見守る大人の目線も多くかかれている。

金銭事情や体質などの環境面も含め、厳しい現実面を思い知らされる。

「リアル」を読者に知らせ、感じてほしいというメッセージが一貫して伝わってくるのが、ひとつの作品としてすごいです。

バレエでなくても他のスポーツでも、何かを一生懸命目指してやっている人はすごく感情移入できるのではないでしょうか。きっと今がんばっているものに対して、モチベーションがあがると思います。
自分は特にそういったものはないけど、登場人物達を応援する気持ちでいっぱいでした。

最後の方は作者を恨めしく思うような展開があったけれど、その展開からのラストの結びは最高だったと思います。

従来のスポーツ漫画に比べ現実的な分、スカッとするところは少ないと思います。
ですが、読み終わったあと、しばらく余韻が残りました。大御所だけに力量を感じさせる作品です。

同作者の他の作品も以前から気になっていたので、これをきっかけに読んでみようと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-07 20:58:48] [修正:2011-01-07 20:58:48] [このレビューのURL]


当時の『りぼん』での人気はすごかったです。

少女向け純愛漫画。
主人公の香澄とヒーロー役である久住は最初から両想いなのに、香澄の友達の真理子が久住を好きという三角関係のためだけに、ここまで話が長くなっている。

その為中盤以降、香澄と久住がなかなかくっつかない展開にイライラさせられる部分も。そのダラダラの部分を真理子と日野のエピソードをもう少し裂いていたら良かったと思う。

香澄があまりにも何もしないので、周りのキャラクター達がいてこその物語。悩んでいる描写が長いが、ささいなことで前に進めないのも純粋な若者らしくていいかなぁ、とも思える。最後はみんなハッピーエンドになれて良かったです。

全体的には、優しくロマンチックであり、コミカルな部分も多い物語。
最近ではウケにくいタイプの主人公かもしれませんが、恋や友情を初めて考えるきっかけに、小学生の女の子におすすめです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-22 14:59:37] [修正:2011-01-22 14:59:37] [このレビューのURL]

1話4ページというショートストーリーですが、うまくまとまっています。

異彩を放つ地味大学生、野田さんの魅力にハマればとても面白く読めるでしょう。

ちなみに私は面白かったです。

野田さんは、真面目でマイペース、天然というか空気が読めず、博識で好奇心旺盛、ポジティブで行動力がある、かなり変わった人です。

日常のふとしたことに疑問を抱き、いろいろと考える野田さん、自由で強い野田さんに畏敬の念さえ感じます。

野田さんをあまり知らない大学の生徒達は野田さんを敬遠しがちですが、読んでいるうちに「私は野田さんのことわかってるよ。」という気持ちになる。野田さんを受け入れる仲間達も良い雰囲気の人達ばかり。

ギャグ漫画に入るのかわかりませんが、ゆるーく、ほんわかした面白さがあります。

善良、脱力系漫画という意味では『聖☆おにいさん』に通じるところがあるかもしれません。

個人的には『聖☆おにいさん』より狙ってる感がないように思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-18 20:19:02] [修正:2011-01-18 20:20:32] [このレビューのURL]


アンドロイドが生活する未来。

ワガママで純粋な超高性能ロボットエレナ(性別無)と、そこまで性能は良くないが優しく良識のあるジャック。
探偵を営む二人のアンドロイドが依頼を受けて他の惑星へ行き、政争に巻き込まれる物語。

SFの物語だが中世の雰囲気もあり、独特の世界感が描かれる。

訪れた星で出逢った人々に巻き込まれていくストーリー展開も面白く、心理描写では、親子愛やロボットとしての苦悩なども描かれ、読み応えがある。

この作者は、人と人の関係、そこから生まれる感情の機微を描くのがうまい。

書きながら話を作っていったらしく、整合性が取れていない点も若干あるが、個人的には気にならない面白さです。ラストをうまく結んでいる。

うちに来てこれを読んでいた友達が、泣いてました(笑)


『輝夜姫』の中盤以降でがっかりした方は、こちらの作品は作者独特の作風も味わえつつ、うまくまとまっているのでおススメです。(『輝夜姫』の序盤ほどのストーリーテラーさはないかもしれませんが。)

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-17 22:48:51] [修正:2011-01-17 22:48:51] [このレビューのURL]

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