「punpee」さんのページ

総レビュー数: 104レビュー(全て表示) 最終投稿: 2016年02月06日

中身が薄く、現実性が一番中途半端な料理漫画というジャンルをあまり肯定的に見てなかったのですが、この作品は普通に面白いんですよね。

料理の描写や、食べ手のリアクションの奇抜さとか、そんなものには何の関心も無いのですが、
単純に画力とキャラクターだけでそこそこ読み応えがあるという評価し辛い作品です。

特に画力は素晴らしいです。
大ゴマや構図の魅せ方が秀逸。

キャラクターに関しては、めちゃくちゃ魅力的って訳ではないですが、きちんと立っており、精神的な成長描写もあります。
「十傑」という強敵の集団に立ち向かうシチュエーションも好きなんです。
ハンターの「幻影旅団」や、ナンバー吾の「月組」の様に、色々な化学反応が生まれやすいシチュエーションなので。

あと、あまりデリカシーが無いKYでも決める所は決める、という主人公像が、
個人的に好きな少年漫画の主人公像なので、好感が持てます。

ただ、この読み味の作品が30巻オーバーとかなっちゃうと、流石に辛いです。笑

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-12-05 21:24:32] [修正:2016-12-05 21:24:32] [このレビューのURL]

6点 ねじ式

ちくま文庫のつげ義春コレクションの「ねじ式/夜が掴む」のレビューになります。


ねじ式に限らず、どの作品もなんか分からないけど面白い。
ストーリーとしては破綻していたり、思い付きの様な展開も多く、評価が難しい。
故になかなか人には薦めにくいし、好きだけどその面白さは説明できない難しい作品。


つげ義春はもちろんシュールだけでなく、中盤以降の、平凡な夫婦の生活を綴った連作「夏の思いで」、「懐かしいひと」、「事件」、「退屈な部屋」、「日の戯れ」なんかは、読後感も妙に爽やかでほのぼのしている。

現代では、奇をてらったシュール、不条理な作品はいくらでも溢れてるが、
この時代にそういう作品を世に出せた事は凄いと思う。

余談ですが、
現代ではpanpanyaがつげ義春に近い理不尽でシュールな作風として知られていますが、この方の作品はムカつくだけでした。笑

また、1冊を通じて侘しさや寂しさ、小さな幸せ等といった叙情性を感じさせてくれる辺り、表現力が非常に高い作家だと敬意を払いたい。


「必殺するめ固め」で妙にムラムラするのは私だけでしょうか。笑

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-12-05 21:23:08] [修正:2016-12-05 21:23:08] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

TWIMやRIN、キーチ等、あれだけクセのある作品を量産してきた作者の「初期衝動」が溢れた一作。

先に述べた作品群よりもクセは成熟されておらず、読みやすいです。
前半は社会人漫画です。
泥臭い営業マンが必死で奮闘し、これでもかと苦労と根性を積み上げても負ける見積もり合わせや、ラッキーパンチが決まって取れた大きな受注や、心動くものがあります。

後半はバッタリと仕事描写が無くなり、腕力で負けたラガーマンにリベンジするという展開。
個人的には前半の営業マン漫画をずっとやってくれていた方が好きだったのですが。笑

若いころに読んだ時はヒロインの靖子に何の魅力も感じなかったのですが、大人になって読むと、いい女だったんだなぁとしみじみ思います。笑

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-12-05 21:13:07] [修正:2016-12-05 21:13:07] [このレビューのURL]

よく分からない面白さがある、沖縄海洋SF作品。

めちゃくちゃ高度そうな知識や理論が出てくるが、どこまでハッタリなのかギャグなのか、、、
それでも登場人物はいたって真面目なので、なんとなくワクワクさせられます。

作者曰く、
「キャラやシチュエーションで遊びながら、予測のつかないスピーディな展開をドッキングし、藤子F不二雄と大友克洋を合わせた様な漫画」

そう語る様に、初期衝動を感じさせつつも、セリフやキャラクター、展開や演出等、確かな漫画的技術も裏付けされている不思議な魅力を持つ作品です。

改めて他の方のレビューを読ませて頂いていると、
確かに、うん、
導入部の1巻は、名作に出会えたワクワク感に満たされましたね。

しかしラストの怒涛のカオス展開からも、完璧な作品とは決して思わないのですが、
確実に言えるのは、この作品はこの作者でしか描けない様なオリジナリティ、エネルギーに満ちているという事。
アフタヌーン好きなら通っておくべき良作です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-12-05 21:08:55] [修正:2016-12-05 21:08:55] [このレビューのURL]

7点 COWA!

鳥山明で一番好きな作品です。
ストーリーもキャラクターデザインもタイトルロゴも、一話目が丸々フルカラーで掲載されているのも最高です。

最初から14話完結の約束なので、人気や盛り上がりを気にせずに、鳥山明が本当に描きたいものを、描きたいように描かせてもらってるのではないでしょうか。

子供の純真無垢な可愛さ、そしてキャラ同士の掛け合いの面白さは、
まさにお化けの男の子版「よつばと!」を彷彿させる読み応えです。

愛に溢れ、無駄が一切なく綺麗にまとまった名作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-12-05 21:03:15] [修正:2016-12-05 21:03:15] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

今、連載中の作品の中では、非常に楽しみな部類の作品です。

主人公の成り上がり、
魅力的なキャラクター、
壮大な目標と世界観。

オリジナル性は高いものの、ベースは史実に乗っ取っているので、
敵味方問わず、良キャラも死んでいきます。
死に方がドラマティックなので、演出力に長けていると思います。

現在44巻と、そこそこの長丁場ですが、今のところ中弛みは感じていません。
勢いや、テーマに対する目の付け所だけでなく、しっかり地力のある作家さんなのは間違いないですね。

唯一の突っ込み所として、
強いと設定されているキャラ達の体の大きさや人外じみた強さはやり過ぎ感がありますが、
ジョジョ4部で一部キャラクターがどんどん小さくなっていく事に対してあまり違和感を抱かなくなる様に、慣れれば気になりません。笑

一番痺れたシーンは、信vs輪虎のバトルのラストシーンですね。
その後の羌瘣がボロボロになっているシーンまで合わせ、最高でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-12-05 21:02:26] [修正:2016-12-05 21:02:26] [このレビューのURL]

プラネテス同様、この作者は良い意味で読み手を裏切りませんね。

卓越した個性を感じる作者ではないですが、
本当に丁寧なストーリー進行、構成、そして間やセリフ、構図といった演出力が秀逸。
作品に対する真面目さ、真摯さがひしひしと伝わってきます。

何よりも特筆すべきは、
「愛」とは何か、
「死」とは何か、
「何故生きるのか」といった問題提起に対し、一つ一つ解答を提示している。
それもブレの無いプロセスと、秀逸な文章力と演出力を持ってして高い説得力を感じさせる。

少しだけ中弛みを感じなくもない奴隷編に関しては、若干の無駄があったのかどうか、
これから行きつく先次第にはなるが、現在連載中の漫画の中では、トップクラスだと思います。

良質で良心的な良作。
これからの展開や結末次第では、名作と語られる作品にもなり得ると思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-12-05 20:58:45] [修正:2016-12-05 20:58:45] [このレビューのURL]

12
次の10件>>