「yumenne」さんのページ

総レビュー数: 26レビュー(全て表示) 最終投稿: 2018年05月11日

8点 惡の華

 この漫画家はさながら昔の小説家のように、真摯に自分の内面に向き合っていてその姿勢がとても好きです。

青年漫画ではそういう人間的な内面を浮き彫りに語ろうという作品はよく見られますが、結局著者に自らに没入し人間を見つめ直すだけの気概はなく、大げさな空回りをしているような作品が多いと感じます。
この作品では、前衛的な独創的な構えを取りながらも、人間の内面に踏み込むことについてはむしろ慎重であるのがよかったと思います。

多分小説、文学が多少好きな人とかはこういうの気にいる人多いのではないでしょうか。

自分の趣味嗜好とはずれるところもあるのですが、全般的な姿勢は気に入っています。

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[投稿:2018-05-13 18:38:46] [修正:2018-05-13 18:38:46] [このレビューのURL]

面白い。
他の多くの方同様囲碁の盤上の詳しい攻防は全然わからないのですが、面白い話でした。少年漫画にしては珍しく、つまらなくなってしまう前にしっかり終わってくれた点も評価したいです。囲碁という特殊なフィールドにありながら、友情と努力、成長、といった少年漫画の王道をしっかりと抑えていたと思います。こういう手堅さ、作品を大切にする構えは女性漫画家に多い特徴だと思います。多分それゆえに自分は女性の書いた男性向け作品が結構気にいることが多いです。(あとは恋愛要素が結構淡白なのも女性漫画家の好きなポイントですね。)特に王道のストーリー漫画の場合顕著にそれを感じます。

少々残念な点をあげるとするならば、たくさん魅力的なキャラクタが登場する反面、そのほとんどがその場の使い捨てで、ヒカルの成長の踏み台となって消えていってしまう点でしょうか。少年漫画のインフレの都合上仕方のないことではあるし、フォローもあったけれど、魅力的なキャラクタが多い故に、残念でした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2018-05-13 17:03:49] [修正:2018-05-13 17:03:49] [このレビューのURL]

自分はリビドーがそんな昂ぶることはあまりないし性的欲求が芸術に昇華するのだという考え方にはあまり賛同できないけれど、これは面白い。
程よい長さにまとまっているのも良い。それにしても押見修造自身は女性器に対して学生時代このような純粋な興味を抱いていたのだろうか。流石にそんなことはないと思うけれど。

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[投稿:2018-05-12 09:57:53] [修正:2018-05-12 09:57:53] [このレビューのURL]

タイトルと表紙が良さそうだったので手にとった。結構楽しめた。
タイトルがかなり言い得て妙だと感じた。
グロテスクさ、醜悪なエロチックさを発散しながら、同時に温かい善良性が常に寄り添う。ストーリーも短編ごとに大きく変わっているのが面白い。(時代劇、sf、西洋の中世?など)
最近の青年マンガは芸術指向のあるものも、仰々しい言葉や、目を引く絵の演出技術のみが先行して肝心の作者の描きたい事は置き去りになってしまうことも多いと感じるが、この作者は自分の書きたい世界を大事に伝えてくれる。同時にそれが押し付けがましくもないのだ。(別にこの作者の他の本を読んでいるわけではないのだけど)

今後も奇をてらうというのでもなく、技術を習得するというのでもなく、自分の世界を大事に温めてくれれば自分は嬉しい。

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[投稿:2018-05-11 19:42:48] [修正:2018-05-11 19:42:48] [このレビューのURL]

読み終わったのはだいぶ前なのでいまさら書くのもおこがましいが、記録しておく。なるほど世界観に奇抜さはなかったかもしれないが、まあ別にそれだけが漫画の書き口ではない。この漫画の派手にならない書き味は割と嫌いじゃなかった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-05-13 20:20:13] [修正:2018-05-13 20:20:13] [このレビューのURL]

大きく奇をてらった作品ではないがよく練られていて純粋に読んでいて面白い。単なるバトル漫画というには大人びている。絵とキャラクタも魅力的。こういうまとまりのある作品は好きです。原作者が死んでしまったのは残念。ご冥福をお祈りします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-05-13 16:01:37] [修正:2018-05-13 16:05:06] [このレビューのURL]

普通に面白い。秀作だと思う。
作者望月淳(もちづきじゅん)は女性らしい。名前的に男だと思っていた。まあ、画風は多少女性的。でも別に基本は男性向け作品だと思いますよ。まあディーグレイマンみたいな感じかなぁ。

超個性的な世界観、設定、というものはないけれど。話がいちいち結構よくできていて、どんでん返しもしっかりしてるし、全体の一貫性も保てている。感動エピソードも、無理がなく、恥ずかしながら結構心が動いたところもあった。まあ絵が綺麗なのも原因かも。

こういうバトルファンタジー漫画を今更楽しめるとはあまり思ってなかったが結構楽しめた。

秀作だと思うが、綺麗にまとまっていてあまり余計な贅肉がないので、そこが気にいらない人は気に入らないかも。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-05-11 20:41:59] [修正:2018-05-11 20:41:59] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

自分は昔ゾンビという存在が本当に怖くて、何故か死ぬよりゾンビになる方が怖かった。たしか、もし家族がある日気づかぬうちにゾンビになってしまったら、という想像が耐えられないものだったのだ。
いつのまにか、幸か不幸か、自分も物語を面白くする工夫と現実社会は切り離すようになってしまった。

でもそんな自分にもこのマンガは怖かった。
多分結局このマンガがなしたのは、ゾンビものをリアルな絵柄と、等身大の人間を伴って、ありったけのリアリティを付与することで、ゾンビものを極限まで怖くしたということだろう。
特に一巻をほとんど丸ごと使って日常を描写したのはとても良かったと思う。
自分がどちらかといえば特殊な方かもしれないが、自分は生き汚くて、温かい、こういう人間の描き方は結構好きだ。(それにしたって花澤健吾のひねくれ方はやはり度を越しているとちょっと思うけれど。)

たいていの点においてこのマンガは成功していると思う。自分は引き込まれた。

ただエンディングは正直自分にも受け入れがたい。
別に全くつまらない終わり方ではないし、それなりの読後感は残るけれども、様々のものを置いてけぼりにして終わってしまった印象は拭えない。下手に世界観を中途半端に開示して読者を煽る必要はなかったのではないか。
おそらく、著者があらかじめ考えていたエンディングを変えたのではないかと推察される、少しつぎはぎのある印象は否めない。

しかし、それを踏まえても、大きな存在感を持った漫画であったのは疑いない。




ナイスレビュー: 1

[投稿:2018-05-11 20:14:07] [修正:2018-05-11 20:14:07] [このレビューのURL]

まあまあ面白かった。作者の世界観みたいなのはすごい伝わってくる。ただ長い巻数を読み終えるのは少ししんどい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-05-13 21:27:44] [修正:2018-05-13 21:27:44] [このレビューのURL]

この作者の話はどうもいつも行き当たりばったり感が結構滲むけれど、それでもなんか雰囲気はそこそこ面白いというのが奇妙なところ。
なんかこうヘタウマな絵と相まってエネルギー有り余ってるけど不器用、って感じが好感が持てる。
自分のような適当人間にはこれはこれで、嫌いじゃないかな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-05-13 21:20:58] [修正:2018-05-13 21:20:58] [このレビューのURL]

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