「はと時計」さんのページ

総レビュー数: 56レビュー(全て表示) 最終投稿: 2006年11月11日

9点 リアル

ため息が出る。
井上雄彦はなんてすごいんだろう。
障害者バスケを題材にしてこんなにも熱い物語を創る。
悲しいだけの話なら、他の誰かにも描けるだろう。
だが、ここには井上雄彦にしか描けないものがある。
生きようとする姿が熱いのだ。

生きるのは難しい。
だけど、生きなければならない現実の中、
生きるために強くなろうとする登場人物たち。
そして一人のうだつの上がらない青年の目線を通して読み手に問いかけてくる。
「あなたは?」
圧倒的な画力。物語の構成も申し分がない。赤裸々に描かれた登場人物たちがぐいぐいと物語の世界に引き込んでいく。
またもや傑作の予感。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2006-11-11 14:14:43] [修正:2006-11-11 14:14:43] [このレビューのURL]

混沌とした街に生きるクロとシロ。

人は根源的に孤独だ。
だからこそ一人ではいられない。
繋がろう、繋がりたい。でもうまく繋がれない。
何かが欠けているから。
そんな言葉が聞こえてきそうだ。

クロはシロを求め、シロはクロを優しく見守っている。

ここに描かれた世界はゴチャゴチャとして不思議な趣を放つが、
そうであるがゆえに一層ピュアで美しい詩のような作品に仕上がっている。
松本大洋の世界を存分に満喫できる傑作である。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-11 12:37:49] [修正:2006-11-11 12:37:49] [このレビューのURL]

落ちこぼれの集まる極東学園高校にすごい奴がやって来た。
食券めぐってバトル開始、一息ついて、またバトル。
なんて在り来たりな設定だ。
でも、この漫画物凄く面白い。
一番の見せ所はセリフ、言葉が熱い。
ガツンと来るものがある。
また、それを生かすためのキャラもいい、きわめて自然だ。
熱い言葉を発しても違和感が無い。
また、細部に渡る演出がにくい。
この設定でここまで描いてしまう作者の力量に感服です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-12-01 23:03:24] [修正:2006-12-01 23:03:24] [このレビューのURL]

島国の「皇国」に侵略してきた敵国「帝国」から
国を守るという架空の戦記物で
サーベルタイガーやドラゴンが登場するなど、
ファンタジーの要素が含まれている。
その一方で、物語には明治期の日本が投影させていて、
全くの作り話ではなく、どこか現実感のある作品になっている。
特に人物の描写や戦略などが丁寧に描かれているので、
ヒロイックな物語ではなく、実際の戦争に触れているか
のような感覚にさせられるところがある。
壮大な物語にも関わらず、
設定の一つ一つが計算されていて無駄が無い。
複線の引き方も抜群だと思う。
今後の展開が本当に楽しみな作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-12-01 22:43:27] [修正:2006-12-01 22:43:27] [このレビューのURL]

キャラがいい。
砂ぼうずのキャラが100点満点。
少年にしてすでに確立された自己があり、賢くて腕が立つ。
哲学は明瞭にして簡潔、自分の欲望に従って生きる。
もうこれだけ。そのためだけに自分の能力を使う。
邪魔なやつは殺す。いい女は犯す。
弱いやつが大嫌い。乳のでかい女が好き。
正義感などクソくらえ。兎に角、自分のことだけ考えて生きる。
気持ち良いくらいに清々しい。半端が無い。
それがコミカル表現されているから愛嬌がある。
キャラだけでも物語が成立する強みがあるが、世界観も良い。
文明崩壊後の砂漠化した世界という一見ありきたりな設定だが、
昭和を感じさせるレトロな要素が融合されており、
不思議な世界を創りだしている。
戦闘も良く考えてあり、結構楽しめる。
絵は戦闘シーンに耐えうる一方で、とぼけた感じがとてもよくでている。
人をくったようなところがあって、センスに溢れ、実に面白い。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-30 23:53:14] [修正:2006-11-30 23:53:14] [このレビューのURL]

エンターテイメントの一つの完成形。
高校柔道を舞台に泣き笑い
成長していく少年の物語。
嘗てこれほどはまった柔道漫画はなかった。
アクション、ギャクともに完成度が高く、
ストーリーも良い。
キャラも魅力的で引き込まれる。
展開が速く、読後感もスッキリ。
本当にいい漫画です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-18 23:04:00] [修正:2006-11-18 23:04:00] [このレビューのURL]

8点

引き込まれる。強烈に引き込まれる。
現在休載中の漫画でもっとも復活してほしい漫画だ。
冷め切った主人公が舞台の上で熱くなるさまに物凄く引かれる。
舞台に上がると人の変わる人間って確かにいるが、
ここに描かれているのはその究極の形、
天才の演技とはかくあらん。漫画なのに魅了される、息を呑む。
曽田正人の見せ方が上手いのだ。
バレエを題材にここまで描く力量にただ感服するしかない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-17 23:51:58] [修正:2006-11-17 23:51:58] [このレビューのURL]

三国志演義にあるような蜀(劉備)を中心に据えた物語ではなく、
曹操の立場から捉えたもう一つの三国志。
横山光輝の「三国志」はストーリーの面白さを忠実に再現した感じだったが、
この漫画はどちらかというとキャラの魅力を前面に出している感じ。
英雄の持つ超越した様と人間臭さが同居しているところがすごくいい。
また、表現が独特で、絵も好感がもてる。
三国志演義をはじめて読んだ時ほどの感動は無かったが、
物語の流れがほぼ分かっていてもこれはこれでかなり面白かった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-12-01 23:51:13] [修正:2006-12-01 23:51:13] [このレビューのURL]

7点 GREEN

農家の息子に恋して、押し掛け女房になろうというお話。
日常の瑣末なことを描きながらも、楽しく読ませる工夫がある。
独特の間がとても心地よく、自然と微笑んでしまう、
そんな感じの作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-21 21:06:52] [修正:2006-11-21 21:06:52] [このレビューのURL]

設定はシンプルだが、実に奥深い。
最初のシーンで今後の展開
を示唆するような描写をしたにも関わらず、
なお混沌として先のよめない面白さがある。
また、剣士の持つ狂気が見事に表現されている。
さらに道場に潜むマゾヒズムの描写は秀逸で、
物語の奥行きを一層深めている。
構成力があって見せ方が上手いので、そうした要素
を詰め込んでも軽やかで凛とした物語に仕上がっている。
期待の一作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-11-18 23:46:09] [修正:2006-11-18 23:46:09] [このレビューのURL]

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