「まれら」さんのページ

総レビュー数: 112レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年02月12日

HPのシュールなイラストに惹かれて読んでみた。緩い萌え系の漫画を予想していたのだが、終始一貫して特有の暗さがあり、何か特異な印象を受けた。癒しや萌えと言うには少し陰がありすぎるし、ギャグというほど笑うようなものでもなく、今一つ位置づけを図りかねる感じがする。あえて言えば昔話の印象かも知れない。
ただキャラクターは完成されており、グッズやイラストには向いているだろう。

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[投稿:2008-01-12 03:16:27] [修正:2008-01-12 03:16:27] [このレビューのURL]

作者初の青年誌連載と言うことで、他の作品と比べると随分露出度が高い。(と言っても、今時は中学生でも喜ばない程度だが。)
あるいは制作側の意向であって作者の本意ではないのではないかと思ったのだが、後書きを見ると結構楽しんで描いているようである。
内容は良くも悪くも相変わらずで、超マイルドな味わいの割には本格的なSF仕立てになっており、考証も細かい。この路線でもっと読んでみたいと感じた。

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[投稿:2008-01-07 01:06:58] [修正:2008-01-07 01:06:58] [このレビューのURL]

6点 異界録

阿鬼と五行先生を主人公にした民話的作品と、独立した志怪小説的な作品が交互に並べられているため、あまり牧歌的にも陰惨にもなり過ぎず、心地よいバランスを保っている。以下各話寸評。
「犬土」軽い蘊蓄作品だが、アンチクライマックスの結末が却って深い余韻を残す。異世界の導入には程よいジャブになっている。(6点)
「異界録」表題作だけあって本格的な怪異談。虚実の境界をわざと曖昧にした導入から瞬く間に異世界へと話が移り変わり、まるで山海経の世界を思わせる幻想的な作品。(7点)
「妖鯉」阿鬼たちも登場するが狂言回しに止まっており、何か昔話を聞くような味わい。(5点)
「幽山秘記」性善説・性悪説や輪廻を題材にした面白い話だが、あまりにテーマが深く、その上登場人物がビッグネーム過ぎて、消化不良に陥っている感がある。長編で読みたい。(7点)
「鬼城」阿鬼と先生の出会いのエピソード。見鬼としてのデビューがいきなり殷墟という大物ぶりを発揮する阿鬼が見事。(6点)
「小人怪」寓話のような味わいだが、グロテスクにして滑稽な小人たちに妙な味がある。ストーリーとしては一番面白いかも知れない。(7点)
「魔婦」阿鬼のモテモテシリーズその1。春蘭が可愛い。(6点)
「三呆誤計」他作と打って変わったようなコメディ作品。道術ネタのドタバタギャグというのも類を見ない。(5点)
「花仙境」阿鬼のモテモテシリーズその2。(みょうがネタを引っ張っているし、本当にシリーズとの認識かも知れない。)公英が可愛い。(6点)
「毛家の怪」比較的軽い話が続いた後に来る怪談。時代設定も他と異なるようで、かなり異質な印象を受ける。(6点)
「連理樹」仏教的な題材が取り上げられるのは珍しい。ラストはやはり突き放したようなアンチクライマックス。(6点)

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[投稿:2008-01-07 01:06:01] [修正:2008-01-07 01:06:01] [このレビューのURL]

最初期から10年間程度の範囲の短編集。作者自身が後書きで語るようにホラー中心になっている。同じホラーでも絶叫する類ではなく、背筋がぞくりとするようなものが多い。以下寸評。
「不安の立像」日常に潜む実体のない恐怖を描く。デビュー間もない頃の作(デビュー作との表記もあり)でありながら、既に完全な諸星ワールドを形成している。(6点)
「子供の遊び」謎の生き物が実に猟奇的で、おぞましい姿なのに見入ってしまう。同様のモチーフはその後の作品の中に繰り返し登場する。結末も秀逸。(7点)
「復讐クラブ」シニカルな小品だが、毒の利いたオチがいい。(5点)
「海の中」穏やかな詩情漂う作品。こう描けばいかにも美しい話のようであるが、その実は水死体のモノローグというところが異様。(5点)
「ユニコーン狩り」作者は照れているが、きわめて真っ向から夢と向き合ったファンタジー作品。すべての作品の中で最もポジティブな作かも知れない。『今年はじめて見る一角獣』のフレーズが実に美しい。思春期の不安定な精神状態を直撃すれば、人生が変わるかも知れない。子供の頃に読みたかった。(9点)
「真夜中のプシケー」比較的正当なホラー漫画。装丁(表紙)のモチーフにもなっているようで、基調となる位置づけかも知れない。(6点)
「袋の中」猟奇的な作品であり、殺人や屍姦など何でもありなのだが、それ以上に人間の心理描写の方が怖い。(6点)
「会社の幽霊」近代社会の脆さや組織の異常さを描きながらも、妙に戯画的なドタバタに帰着するところが可笑しい。ブラックユーモアの味わい。(5点)
「子供の王国」頽廃的な味わいの中に奇妙な不安感が織り込まれている。面白い話なのだが、読むのが苦痛なほど嫌悪感を感じてしまい、それでいてどうしても読んでしまう。作者はロリコンに対するカリカチュアである旨の自己評をしているが、幼女街娼のくだりなどは作者一流のリアリズムに溢れ、軽薄な批判以上の黒い世界を感じさせる。(8点)

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-01-03 16:41:10] [修正:2008-01-03 16:41:10] [このレビューのURL]

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