「まれら」さんのページ

総レビュー数: 112レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年02月12日

全編が不条理ギャグだったかのように記憶していたのだが、今読み返してみると、結構オーソドックスな作品も多かったことに気づく。50音の2周目、3周目と進むにつれて徐々に連作漫画や実験的な作品の比率が増えており、作者も逡巡していたように思う。3周目後半あたりは作者自身が何を描いてよいか混乱している様子で、後年の作風を考えると興味深い。
今でも面白いし一応笑えるのだが、その後氾濫した不条理マンガに食傷気味で、本家である本作まで陳腐化したように感じられる点が残念。「ろんばろんば」や「ドナドナ」を初めて読んだときの爆笑は蘇らなかった。
連載当時に採点すれば9〜10点もあり得たが、今では6点がいいところだろう。

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[投稿:2008-04-20 01:07:43] [修正:2008-04-20 01:07:43] [このレビューのURL]

同じ短編集でも、前作「夜の歌」に比べると随分洗練された感がある。無理やりな詰め込みではなく、素材の最も上質な切片だけを見せるテクニックが冴えている。また、内容もホラー・ミステリー志向から、よりファンタジー寄りにシフトしており、爽快感では前作を上回る。
確かに怪奇もので強みを発揮する作者ではあるが、「美食王の到着」のような、官能的・耽美的なメルヘンも実に捨てがたい味がある。

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[投稿:2008-04-11 00:55:53] [修正:2008-04-11 00:55:53] [このレビューのURL]

7点 レベルE

非常に面白いが、感動するといった類とは少し違う。どちらかと言えば「唸らせられる」とか「感心する」いった感じだろうか。非常に緻密な仕掛けとテンポの良いギャグで綺麗にまとめており、随分手のかかりそうな作品だと思う。ここまでの構成力があるなら、もう少し毒が強くてもいいのだが。
王子は結構ボロクソに言われながらも思いのほか好人物に描かれ、脇も意外なほど穏健でバカなキャラが固めている。そのせいか、設定の異常さ・悪趣味さに反して妙に読後感がいい。

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[投稿:2008-04-09 01:09:42] [修正:2008-04-09 01:09:42] [このレビューのURL]

諸星氏初の少女漫画誌連載作だということである。しかし実際読んでみて、1コマ目の「バラバラ死体が発見されました」で少々唖然としてしまった。特に少女誌だからと言って遠慮するつもりは全くないらしい。内容はいつもの諸星ワールド全開であった。
確かに伝奇的な作品群等と比べるとテイストは異なり、猟奇やナンセンスさが目立つものが多い。それなりに軽く読める話が多く、そこが他と異なる点だとは感じた。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-04-05 09:44:16] [修正:2008-04-05 09:44:16] [このレビューのURL]