「まれら」さんのページ

総レビュー数: 112レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年02月12日

競技はよく描けているし、キャラも立っている。ただ、リアリズムに徹したがために少し窮屈なストーリーになってしまったように思う。リアルだということは、言い換えれば漫画でなければ表現できない要素が少ないということであり、現実のスポーツ観戦や実写ドラマ以上のパッションを感じることは難しい。
三四郎のような突き抜けたパワーを期待していたので、少し寂しかった。
(そうはいいながら、スポーツ漫画としては十分以上の良作。)

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[投稿:2008-05-30 00:33:53] [修正:2008-05-30 00:33:53] [このレビューのURL]

同じ短編集でも、前作「夜の歌」に比べると随分洗練された感がある。無理やりな詰め込みではなく、素材の最も上質な切片だけを見せるテクニックが冴えている。また、内容もホラー・ミステリー志向から、よりファンタジー寄りにシフトしており、爽快感では前作を上回る。
確かに怪奇もので強みを発揮する作者ではあるが、「美食王の到着」のような、官能的・耽美的なメルヘンも実に捨てがたい味がある。

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[投稿:2008-04-11 00:55:53] [修正:2008-04-11 00:55:53] [このレビューのURL]

7点 レベルE

非常に面白いが、感動するといった類とは少し違う。どちらかと言えば「唸らせられる」とか「感心する」いった感じだろうか。非常に緻密な仕掛けとテンポの良いギャグで綺麗にまとめており、随分手のかかりそうな作品だと思う。ここまでの構成力があるなら、もう少し毒が強くてもいいのだが。
王子は結構ボロクソに言われながらも思いのほか好人物に描かれ、脇も意外なほど穏健でバカなキャラが固めている。そのせいか、設定の異常さ・悪趣味さに反して妙に読後感がいい。

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[投稿:2008-04-09 01:09:42] [修正:2008-04-09 01:09:42] [このレビューのURL]

4コマの中では最も作者らしさが出ている作品かと思う。ほのぼの系に見えながらも鋭いネタを振ってくる作風であり、「アシベ」のようにキャラ人気が先行したり、新聞4コマのように制約が多かったりすると本来の切れ味が発揮できていないように感じた。その点本作はまんがくらぶという格好の土俵を得て、闊達な作品になった。
ソフトな絵柄ながら妙にエゴイスティックなキャラばかりで、ギャグを離れて考えれば結構シビアな話題も多い。人間関係を茶化して笑いに持って行くのが上手く、ブラックな笑いもあり、見かけによらない辛口ギャグとして読んだ。
なお、再開版は未読。

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[投稿:2008-03-19 00:58:04] [修正:2008-03-19 00:58:04] [このレビューのURL]

伝奇と科学の接点を描くという作者ならではの難解なジャンルであり、その点は流石であるし、水準以上に面白い作品ではあることは間違いない。しかし、その分欲が出てしまって、この何倍かのボリューム感で読んでみたいと思ったのも確かである。
具体的には、集中連載に納めるために様々な伏線を無理やり詰め込んでおり、かえって一つ一つの要素が希薄になってしまっている。また少年漫画的なノリで全員をハッピーエンドに持って行こうとしており、その分気ぜわしい展開になった。
力がありすぎて大長編でないと本領を発揮できないというのも考え物ではある。

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[投稿:2008-03-16 23:19:43] [修正:2008-03-16 23:19:43] [このレビューのURL]

外伝と言いながらも、パロディやアナザーストーリーに逃げない真摯な筆致が好もしい。
ヒョウやとらのストーリーは本編の骨格にも波及する重い構成になっており、むしろ本編を補完するものとして併せて読みたい。
単体での採点は困難だが、仮に外伝だけを読んだとしても、十分楽しめる良作だろう。

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[投稿:2008-03-16 23:18:37] [修正:2008-03-16 23:18:37] [このレビューのURL]

結婚は一大イベントではあるが、それがために夢想に走りすぎたり、あるいは必要以上に深刻化したりする話は多いものである。本作は極めてまじめに、そして少しシニカルに現実と向き合った奮闘記である。
コミカルなエッセイ漫画の形態ではあるが、作者一流の切り口で次々と旧癖を看破していく手法は痛快であり、またなかなか考えさせられる。
そこらのマニュアル本などよりよほど実用的であり、下手なギャグ漫画より笑えるお得な一冊。

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[投稿:2008-03-16 00:10:04] [修正:2008-03-16 00:10:04] [このレビューのURL]

7点 寄生獣

非常に良質で面白い。SFとしても、ホラーとしても、アクションとしても、あまつさえ青春もの・恋愛ものとしても水準をクリアしている。最初は唐突に感じた設定も、最後はきれいにまとまった。
あえて難点をいくつか。
メッセージ性を強く打ち出そうとする姿勢は感じたが、スピード感のあるストーリーや盛りだくさんの内容と干渉して、もう一つ入り込めなかった。内容的にもSF等で繰り返し語られてきた思想からそう飛躍していないように感じる。(リドリー・スコットやキューブリック、本邦では宮崎駿の影を感じてしまうのは考え過ぎだろうか?)
また、物語終盤で主人公が何度か喪失感に襲われるのだが、それまでのリアルな描写と異なって少し浮いているように感じられ、余韻が足りないような印象を受ける。最終話も蛇足に感じた。
ともあれ、十分他人に薦められる良作。8点に近い7点を献上。

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[投稿:2008-02-14 01:38:01] [修正:2008-02-14 01:38:01] [このレビューのURL]

キャラ設定はいかにも少年漫画っぽい軽さがあるが、内容はくそ真面目に真っ正面から青春を描いたラブコメの王道。犯罪者はいても悪人のいない生ぬるい世界の中で、ひたすら青春が爆発している。臆病さや蹉跌など、すべて爽やかに笑い飛ばせる若さが素晴らしい。
あまりにも純真でストレート過ぎる話のようにも思うが、ここまで直球勝負で来られては、もはや照れや気恥ずかしさを感じる余裕はない。ただ素直に「あの頃」の気持ちに戻ればいい。
羨ましいほど清々しい作品。

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[投稿:2008-02-09 01:13:44] [修正:2008-02-09 01:13:44] [このレビューのURL]

自宅のごく近隣を中心に、極めてありふれた日常を描いているだけのはずなのに、何故か読んでいる方まで楽しくなってくる。作者の童心のような興奮が伝わって来るような、そんな暖かい作風。街に対する好奇心と愛着がしっかり感じられるのも好感度が高い。
ただ暖かいだけでなく、ギャグ漫画としてもレベルが高いのもよい。飾らない本音のコメントと作者特有の含蓄ある言い回しが、絵柄に似合わないスパイシーな笑いを誘う。
これは散歩に行きたくなる。

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[投稿:2008-02-04 19:25:20] [修正:2008-02-04 19:25:20] [このレビューのURL]

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