「まれら」さんのページ

同じ短編集でも、前作「夜の歌」に比べると随分洗練された感がある。無理やりな詰め込みではなく、素材の最も上質な切片だけを見せるテクニックが冴えている。また、内容もホラー・ミステリー志向から、よりファンタジー寄りにシフトしており、爽快感では前作を上回る。
確かに怪奇もので強みを発揮する作者ではあるが、「美食王の到着」のような、官能的・耽美的なメルヘンも実に捨てがたい味がある。

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[投稿:2008-04-11 00:55:53] [修正:2008-04-11 00:55:53]