「」さんのページ

総レビュー数: レビュー(全て表示) 最終投稿: まだ投稿されていません。

10点 ROOKIES

ドラマ仕立ての展開は、予定調和そのものではありますが、心を打ちます。

先日、ボリビアから来た外国人女子学生が、思春期に見た
日本のTVドラマ「ルーキーズ」に深い影響を受けたと
涙ながらに語っていました。
劣等生でいじめを受けていた多感な思春期に自殺を
思いとどませるほど強い力があって、これを転機に彼女は
猛烈に日本語を勉強し、絶対に日本へ行くとの決意で
現在の自分があるということでした。
日本には弁論大会で一時的な来日ですが、母国で留学生の
椅子を勝ち取り、絶対戻ってくるということです。

日本人の漫画文化は、ドラマを輸出し、海外の人たちを
救っているのです。
思いもよらない波及効果です。

本作品は、臭い。
しかし、心が乾いている人には慈雨のような効用があります。
道が見えなくて悩める思春期の人たちには是非一読してほしいと思います。

名作だと思います。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-09-12 19:16:50] [修正:2019-09-12 19:16:50] [このレビューのURL]

10点 血界戦線

アニメ版の大ヒットがきっかけでかなり幅広い層に名が知れ渡った感があるが、実際のところ、この作品の面白さの本質は結構ディープなオタクでないとわからないのではないだろうか。
とは言え、原画展を開催できるほどファンの間口を広げつつ、熱意のある読者層を獲得出来ているので、作品のバランスは昔より良くなっていると思われる。
トライガンの頃より良くも悪くも洗練されているが、根っこは呆れるくらい何も変わっていないので、トライガンを読んでいた読者にこそ手にとってもらいたい作品である(トライガンの発行部数から考えると、血界を読んでいない内藤作品既読者は相当いるはずである)。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-08-08 20:05:34] [修正:2019-08-08 20:05:34] [このレビューのURL]

10点 喧嘩商売


ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-04-04 22:21:18] [修正:2019-07-14 19:52:59] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

本当に心が心地よくなることを突き詰めて、突き詰めていったら原始時代のような質素な生活に戻ってしまうかもしれないですね
今日では必要ないものが沢山あって本当に必要なものと要らないものを選択するのがとても難しい時代になってしまいました
必要のないものに執着してばかりで自分自身のことでさえ蔑ろになりがちです
だから皆苦しみ、要らぬ不安を抱え生きています
純粋で素直な感性を持ち生きていたのにだんだん複雑な世の中へ、これからも変化し続けていくのでしょうか
文明が発達するたびに私たちの真の、心からの感情を隠して生きて行かなければいけないような気がしてなりません
もはや隠すどころか自分の感情がどれが本物で偽物なのか分からなくなっている人はもう沢山います
いつか誰もがお金持ちで便利なものに溢れている世の中という意味でなく、みんなが幸せで生きやすい世界になっていってほしい
まずは自分から変わっていこうという気持ちになりました
相手が誰であっても、どんなに酷い裏切りを受けたとしても許し信じ続けること
全ての悲しみ苦しみをまっすぐに受け止めるということはなかなかすぐに出来るものではないかもしれませんが、人を愛することの幸せというものは全ての人が必ず感じることが出来ると思います
少しずつでも主人公のようにそう感じている人が増えれば本当の意味での幸せを誰しも掴むことができるのではないでしょうか

漫画を評価する際に作者がどんな主義主張を作品に織り込んでいるかというのをみているので画力、作中人物の個性、伏線の甘さ、辻褄の合わない所などは評価にいれておりません

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-06-29 20:51:51] [修正:2019-06-29 20:51:51] [このレビューのURL]

10点 寄生獣

新一とミギーの会話や「勢い余って2周しちまったぜ」などセリフが面白い
戦闘シーンにも色んなパターンがあって面白い
色んな要素を10巻という少ない巻数に詰め込んでいるので密度が凄いです

一番好きな漫画 10点です

ナイスレビュー: 1

[投稿:2019-05-28 07:45:25] [修正:2019-05-28 07:45:25] [このレビューのURL]

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-05-03 16:48:50] [修正:2019-05-03 16:48:50] [このレビューのURL]

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-07-30 18:23:43] [修正:2019-04-07 20:07:07] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

荒木というのは、初期の頃から読んで行くと分かるわけだけど、人間の深さというものに非常に興味を持っている男なんだよな。
今時の感覚ではないんだよ。昔の人間が持っていた名誉心とか誇りというものに価値を置いているわけ。初代ジョジョは貴族の子弟だったじゃない。だから他のマンガとは一線を画するんだよな。
私は『ジョジョ』シリーズでは、「ゴールド・エクスペリエンス」の第5部か。あれが頂点だと思うな。マフィアという最底辺の人間存在を主人公とし、人間の最も崇高な何かを描こうとしているよ。

何が崇高なのかと言えば、それは「命懸け」ということなんだよ。ただ優れた能力を持っているとか、そいういう事ではないの。どんな存在であっても、命懸けで何事かをやることに「崇高」があるわけよ。
その命懸けの行為こそが古今東西のノブレス・オブリージュや帝王学の要諦であり、歴史上の偉人たちの共通点なんだから。
そこに人間存在の意義があるわけだから、それを「人間賛歌」と呼んでいるんだな。
その「崇高」を際立たせるために、反対概念としての卑しさもちゃんと描いているんだよ。また色んな価値観に生きる人間を次々と登場させているよな。
よく観れば、みんな一本通っている人物が多いことに気付くよ。それが大事なんだよ。
あの吉良だって一本通っている部分があるわけ。だから読者にも人気があって、死んだ後も活躍してるじゃない。チョコラータなんかもそうだよなぁ(笑)。

知的な攻防で魅せる部分も多々あるけど、本質はそこではないのな。善悪を超えた人間の意義と生命の躍動があるんだよ、あの作品には。
敵であっても何か感心するものがあると、物語は深くなるんだよ。
ダービー兄なんて、もうド変態でいいよなぁ。深さを求めれば、キャラも立つんだよな。
変態って、美学に通ずるものが多いんだよ。

「ジョジョ立ち」って誰かが気付いたわけだけど、あれは変態のポーズだからな。
要は自分の美学のみに生きる者の存在の姿になっているわけ。
でも町中でやってればただの「変態」なんだよ(笑)。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2018-08-10 11:30:36] [修正:2019-04-06 20:06:30] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

『ベルセルク』はもの凄いよなぁ。あれは間違いなく大傑作であり、壮大な物語として後世に伝えられて行くよ。

マンガがなぜ文学のように芸術足り得ないのかと言えば、もちろん隠すこと、即ち比喩というものがないためなんだな。まあ、それをやっちゃうと誰もついてこないからなんだよ。芸術っていうものは悲しみを醸しだす、誘引するものだからなんだよ。エンターテインメントは面白おかしくなければいけないんだから、漫画は芸術には出来ないの。
だから漫画の様式、構造というものは、すべて芸術から離れるようになってるんだよ。テーマもコマ割りも絵の要素もすべて、楽しませるために極められてきたんだから。
だが、『ベルセルク』はそこから一歩抜け出している。

まず、あの世界観が素晴らしいわけだけど、それは現代と中世の融合なんだよ。横軸にはな。さらに縦軸としての霊性の話でもあるわけ。
最初に読んだ時には、よくある化け物退治のパターンなのかとも思った。 しかし、その裏側に秘めていたものが現れてから圧倒的な深さを持つ作品になったなぁ。あれを読めば分かるけど、作者は最初はただの化け物退治の物語を描こうとしていたんだよ。単なる復讐物であり、その相手が超常的な化け物であるだけ。そのパターンは実は日常なんだよ。劇画でしゃぶり尽くされているものなわけ。
まあ、中世世界が好きな作家のようだよな。科学などという人間を腐らせてしまう力ではなく、人間自身の力で生きていた時代だ。その大好きな中世と現代というものを融合させたんだな。

ガッツは中世の人間の象徴なんだよ。ただ運命を受け入れて真面目に生きる人間なわけ。
一方のグリフィスというのは実は現代人なんだよ。中世にあんな奴は絶対にいない。運命を受け入れずに自称「夢」という妄想に向かおうとする奴はいないわけ。それをやるのは現代人だけなのな。だから「渇望の王」なんだよ。
しかし作者はここに恐ろしい思想を挿入した。それはキリスト教の異端である、グノーシス主義というものなんだよ。

グノーシス主義というのは、要はこの世界が実は悪魔に支配されている、という主張なんだよな。まあ、あれは宗教と言うよりも多分に実存的な哲学なんだけどな。
だから5人の超常的な悪魔の王(ゴッドハンド)がいて、その眷属(使徒)がいる、という構造になっている。そして眷属たちは、己の欲するままに振舞うことを許されている。
この思想に則って、現代人の欲望を正当化するということを重ね合わせたんだよ。
それがグリフィスの求めていた「自分の国を持つ」という夢だったんだな。あれはもう現代人の有名人になりたいとか、大金持ちになりたい、という妄想と全く同じなわけ。
ただグリフィスはそれを実現できそうな人間として構築されている。それは現代でも通用する、努力を重ねることなんだよ。しかも多大な努力をこなしていく人物に設定された。

一方でガッツには夢が無いよな。全く無い。ただ剣を振る以外の何も無い。しかし、グリフィスはそういうガッツに惹かれて行く。それは何なのか、という問題だ。
それはガッツが真の人生というものを歩んでいる、ということなんだよ。どこに出しても恥ずかしくない、運命というものを受け入れ、それと戦っている人間の美しい姿なんだよな。
グリフィスは違うわけ。ワガママなんだよ。だから他人を巻き込み、その屍を踏み越えてまで進もうとするわけ。

そしてあの「蝕」が訪れる。あれが何なのかと言えば、巨大な運命というものなんだな。誰もが死に滅び行くしかない運命。そういう死人しかいなくなる場所でないと現代人のワガママというのは実現しないということなんだよ。ワガママは必ず潰えて終わる。しかし、終わらないワガママがあるとすれば、それはこの世ではないんだよな。

ここに、この作品の醍醐味である多元宇宙論があるんだよ。あの幽世という存在がそれだ。
あれは私がよく言う「エネルギー」という思想なんだよ。
実はこの世界というのは影なんだ。エネルギーの影。エネルギーが流れて、かくあるべく出来上がって回転しているだけ。それもまたグノーシス主義の思想なんだよ。まあ、相対性理論の世界とも言えるしな。
そのエネルギーの世界、つまり本質の世界に通暁する者たちを描こうとする点に、この『ベルセルク』の最も崇高な魅力がある。
断罪の塔篇を経て、物語は大きく転回するな。この世が今までの世界ではなくなってしまう。あれはエネルギーの幽世が物質世界に融合しつつある新たな多元宇宙を示している。
クシャーンというのは中世世界だ。その王が滅び、中世と現代が融合し、さらにエネルギーがそのまま物質と等価交換する多元宇宙の世界に移行した。

『ベルセルク』の作品世界では、この世を覆っている物質的な秩序が綻んでいる。それは「黄金時代篇」の中で傭兵軍団であるという現実の物質世界の秩序に従いながらも、ゾッドのような化物が顕れることで分かるわけだ。
そしてついに物質世界は崩壊する。
その崩壊は「幽世」との融合によって為されるわけ。つまり、多元宇宙として干渉を認識しなかった「幽世」が認識されるようになった、ということなんだよ。この世の物質の秩序を構成していたエネルギーの世界が見えるようになった、ということ。

まあ、その導入にあたって、私はどうしてこんなにも見事に描写出来るのかという驚きを持っているんだよ。
あれは神智学やユダヤ教の奥義であるカッバーラの映像化だからな。新たに仲間となった魔法使いシールケの精神世界の描写なんて、知る者には本当に驚くべきものがあるんだよなぁ。
「物質がどうして斯くあるのか」という事が、あの作者には分かっているとしか思えないんだよ。タダ者じゃないんだよなぁ。
相当魔術に関して研究したんだろう。オカルトに陥らずにな。

で、私個人はあの「黄金時代」よりも後半の世界が崩壊してからの方が好きなんだけどな。ファンタジーというよりも、歴史的な象徴として読んでいるから。
あれはもうキリスト教社会と、それ以外の世界が融合した、ということを比喩的に表現しているんだな。現代社会はキリスト教的なもの、欧米的なものにあまりにも多く覆われているから分からなくなっているんだよ。

例えば、魔女シールケが最初の仕事を引き受けた村で、その村の教会が建っていた土地は元々水の精霊を祭っていた場所だと教える。
キリスト教というのは、そうやって元々の宗教を潰し、引き受けながら大きくなっていったんだ。プロテスタントが大きな力を持つ以前は、キリスト教もその多くが聖母マリア信仰だったんだよ。キリストそのものではなかったわけ。
その聖母信仰は、元々北欧にあった大地母神信仰とまた結び付いていた。
そういうことが、『ベルセルク』のあちこちに散見される。
あの使徒の怪物デザインの多くはベーコンのものだしな。どうしてベーコンをモティーフにしたのかも分かるとまた面白いんだよな。

まあ、ここからどういう展開をして行くのか、もう私もわからんよ(笑)。作者も実は大いに悩んでいるのではないかな(笑)?
なんせあまりにも壮大すぎるからなぁ。生きてる間に描き切れれば大したものだと思うよ。
ベルセルクは漫画界における『死霊』だからな。未完で終わって何の不思議もない。
「物語」として進行しつつ、読者を惹きつけていくのは大変な労力なんだよな。まあ、こういう作品を描ければ、漫画家になった甲斐もある、というものだろうな。


追記
少しだけ、一応書いておくか。
フランシス・ベーコンという男は、キュビズムに刺激されて人間存在の本質というものを模索した画家なんだよ。
あの顔シリーズが有名だよな。あれを見れば分かるけど、人間というものを探るために破壊と変形を試みた、ということだ。
どこまで変えて人間であるのか。そこに何事か見出そうとした、ということだよな。その発想はキュビズムから得ている。
他にもいろんな動物を合体させて人体を作ってみたり、と様々な模索をしているよ。
でも彼は前半の制作を全部捨てているんだ。ここが重要だな。そして10年後にまた活動を再開したわけだけど、その時に最初に書いたのがキリストの磔刑なんだよ。
ベーコンの研究をしたい方は、この点を重要視するといいと思うぞ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2018-08-09 10:23:16] [修正:2019-04-06 19:57:28] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

最初はどうしようかと思ったけどな(笑)。
後半は全くもって圧巻だったな。こういう壮大な物語が大好きなんだよ。
始まりはやっぱり大したことを考えてないんだよ。韓国人だから、韓国のことを日本に紹介しただなんてちょこざいなことをやってるよな。まあ「虎兄」の話だけは良かったけどなぁ。

物語の骨子は復讐なわけだけど、重要なことは、なぜ後半に壮大になって行ったのか、ということだよ。そこが重要なわけ。
『ヘルシング』の場合もそうだけど、最初は大したことを考えてないんだよ。でも『ヘルシング』の場合、作者が狂気に身を委ねたことが成功に繋がった、ということだよな。
『新暗行御史』の場合、何があったのか。
それは亜志泰という無敵のキャラを生み出したことなんだよな。人間では絶対に敵わない敵を、悪魔を。しかも究極の邪悪を設定したことにあるんだよ。
それに立ち向かうわけだから、納得の行く手段にするために相当苦しんだはずだよ。あの壮大なラストは、絶対に最初からは考えてないよな。

じゃあ、立ち向かうために何を設定したのか。
それは人間の歴史的な「命」というものなんだよ。つまり自己の生の最大の躍動をもって為した、ということなの。
最初はちょっとズルイ設定だろ? 馬牌で自分は何もしねぇで部下に全てを解決させるっていうな。だから序盤はどうにもつまらん物語であったわけよ。そこをバランスよくするために、主人公を病弱にもしていたんだよな。
しかし、生の躍動を考え始めてから途端に良くなっていったわけ。

あの「殺形刀(サルヒョンド)」なんて最高にいいよなぁ。それを操る元述の凄まじい命がまた良いよ。ああいうものが続々と生まれて行ったんだよな。
まあ、やり過ぎて春香なんて、もう人間ではいられなくなっちゃったわけだけどな(笑)。あまりの生の躍動で、ああいうことにならざるを得なかったんだよ。

後半から主人公の回想がどんどんスゴイものを生んで行くじゃない。それがあの壮大なラストに上り詰めるわけだ。
これはエネルギーのラインを示しているのな。いい回転に入ると物語は活性化して行くんだよ。人生も同じな。
理性で考えて行くと、どうしようもないつまらんものしか出来ないわけ。よく覚えておけよな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2018-08-09 09:27:55] [修正:2019-04-03 19:55:24] [このレビューのURL]

点数別のレビュー表示

月別のレビュー表示