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10点 プラネテス
広大な宇宙と向き合うために、それぞれの姿勢で立ち向かう姿が描かれているSFマンガ
読者の目を広大な宇宙に向けさせて、自分と対話させようとする話の数々はかなり練り込まれていた
舞台は未来の宇宙でも、内容はチャリンコで坂を全力疾走で転げ落ちてるような漫画だった
作者の幸村誠は反骨精神剥き出しな、ロックンローラーのようなやつだ
漫画で全人類を幸せにしてやるっことを大真面目に考えてる大馬鹿野郎だ
でも、そういう大馬鹿野郎は大好きだ
どっちかっていうと、オレよりも年上の中年達のほうが、この10代の頃の熱病みたいなのに感化されるような漫画だと思う
一般向けそうで、この漫画は年上向けなのかも
人は苦痛を知らねば、幸福を知ることもできないとなんかで読んだ
どん底中のどん底を知らないで生きていこうとするほど、幸福は遠ざかる矛盾のなかに人間はある
でも、どうなんだ
どん底知らないと伝わらないのか
まぁ、愛があふれて愛マヒ中毒になってる日本で、今更愛なんて叫ぶなよっていう気もするが、漫画界で大真面目に叫んでるヤツがいても許される位の世の中ではあって欲しいね、ほんと
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-11-28 03:33:51] [修正:2006-11-28 03:33:51] [このレビューのURL]
6点 アフター0
内容は読切作品なんだけど、
藤子F不二雄の漫画とかハッピーピープルとは違い、
ブラックな内容は殆どないから万人受けする感じの内容。
ただ設定が理屈っぽくて、ネタの柔軟性に欠ける。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-11-27 18:18:18] [修正:2006-11-27 18:18:18] [このレビューのURL]
8点 GANTZ
もうひたすらに淡々としているのです
普通の日常から始まって、突然の死。ありえない敵。なぜか戦闘。とありえない現状が続くんです。そこも淡々としてるんです
淡々と進むからありえないバトルの連続がすごい現実として伝わってくるんです
リアルな絵柄の戦いは、内臓でるは、潰されるはのグロいシーンの連続なんです。でも、そこも淡々としていてるんです。かえって現実なんだと思わせるんです
それほどまでに淡々として見えるのはひたすらなまでに作者の主観を消しているからだと思います
主観が入ってるのはタイトルのおっぱい姉ちゃん達だけだ…たぶん…
スピードと迫力のある戦いが日常でひたすらに続けられる意欲作
大分風呂敷を広げてきちゃったけど、うまくまとめてくれる事を期待
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-11-27 00:37:10] [修正:2006-11-27 00:37:10] [このレビューのURL]
4点 ハヤテのごとく!
最初の頃は好きで読んでいたのですが…
読み進んでいくにつれよくわからなくなりアウト。
段々キャラに好感がもてなくなってしまった
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-11-24 23:59:30] [修正:2006-11-24 23:59:30] [このレビューのURL]
冨樫義博はだらしのない漫画家である。
休載は多く、たまに載ったかと思えば下書きのまま。
はっきりいってプロとしては失格である。
しかし彼の漫画には彼にしか描けないなにかがある。
読む人間の心を揺さぶる熱いものや、強烈なリアリティがある。
発想の広げ方が素晴らしく、キャラクターひとりひとりの存在感は生身の人間にも匹敵するほどのものがある。
どこか冷めたクールな漫画の空気を出せるのも、今の少年誌では彼ぐらいだろう。
あえて言おう
ハンターハンターは少年マンガ界で現在もっともおもしろく、わくわくさせる漫画のひとつであると。
冨樫先生、早く帰って来い。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-11-24 02:54:07] [修正:2006-11-24 02:54:07] [このレビューのURL]
10点 谷仮面
柴田ヨクサルのすさまじい魂の叫びが爆発していく作品
谷くんのパワーが魂レベルに比例してドンドン上がっていくさまは見ていて清々しいほどだ
後日談もちゃんとかかれてて、読み終えた後は満足するはず
元気がなくなった時にみると元気をわけてもらえる
再発行される度におまけが追加されていくところもポイント
新しいのにはエアマスターとの出会い編とかも追加されてた
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-11-22 21:27:51] [修正:2006-11-22 21:27:51] [このレビューのURL]
9点 ドラえもん
大人になってから読むと藤子さんの発想力や技量の高さに気づき、驚きました。
ジャンプ漫画がやってることは大体がドラえもんに通じるものがあると思う。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-11-21 05:21:15] [修正:2006-11-21 05:21:15] [このレビューのURL]
8点 蟲師
日本。
日本という国土に生まれて、やっぱり幸せだったな、と思えた漫画でした。
動物よりも植物よりも原生生物に近い不思議な生命体「蟲」(\"虫\"とはほとんど似ていない形をしています。虫嫌いの方はご安心を。カタツムリはいたけどね。)、それの専門家が「蟲師」で、主人公のギンコも蟲師の一人です。この作品は一話簡潔の短編集に近い内容になっています。
まずは世界観の素晴らしさ。作者曰く「江戸と明治の間にもうひと時代ある感じ」。描かれる舞台は、緑深い山奥の静かな一軒家、からぶき屋根の家々が並ぶ雪国、漁師達が暮らす静かな漁村の町――と、「ちょっと前まであったような日本の風景」です。強引なコマ割りは無く、物語も\"静かに\"展開していきます。その傾向が顕著に出ている第一話の素晴らしさは特筆すべきものがあります。風の音、水の音、床の軋みが聞こえるような、BGMの不要なこの「静かな世界」に一気に引き込まれました。着物、茣蓙、筆、日本酒、杯、行灯、蚊帳、刀・・・、一切「やかましい」シーンなしに、独特の空気観で1ページ1ページが彩られています。こんな風土を持った国に生まれたことを誇りに思いたいです。ハガレンもジャンプ系漫画でもいいけどさ、この漫画は真っ先に世界に輸出すべきですよ!世界中に、「日本はこういう風土を持った国なんです」と誇りたいですよ!
この「蟲」という存在も、なんだかいい。敵ではないし味方でもない。「お互い生を遂行している」存在。この「共存」していく対象として見ている、人間と、蟲師と、そして蟲の微妙な関係は、太古から自然を尊重し、協調し、守りあってきた日本人の姿を映しているようにも見えるのです。タヌキに化かされ、いるようないないような微妙な生き物たちが存在していた「ちょっと前の日本」。これははたしてファンタジーなのでしょうか。どこか懐かしささえ漂う、「日本の原風景」そのものを映し出しているような気がします。
日本古来の様々な慣習、伝説、故事に着想を得たと思われる短編一本一本それぞれ違う世界観を持っており、様々な物語を展開してくれるのですが、物語自体はツメの甘さというか、「え?だったらこうなるんじゃないの?」的な、成熟しきっていない脚本であることが顕著に出てしまっているのが残念でした。もともとあまり物語自体を作ることは上手くない方なのかな?着想はどれもいいんだけどなぁ。アイデアで止まってそこからのツメが甘いものが多かったように思えました。
それと、あまり関係ないことかもしれないけど・・・。今回僕は予算の関係で(笑)一巻しか買えなかったのですが、そこに収められていた5つの短編の作品順が見事でした。ミュージシャンのアルバムを聞いているような、交響曲を最初から聴いているような・・・。世界風景もかぶらないように並べられています。そして本のラストは、壮大な「命の終わり」を描いた物語になっているのです。山から海へ。命が始まり、そして終わる。山の奥深くから始まったこの本は、最後には「母なる命の源」である海で静かに終焉を迎えるのです。この話に出てくる漁師たちもグッド。本当に、かつて日本に生きていた「原風景の日本人」たちで、そのイキの良さや力強さは、懐かしさも通り越して勇気を与えてくれるような気がしました。
そんな具合にこの本を弟に見せてたのですが、読み終えた弟は一言、「これ、ブラックジャックじゃん」と・・・。ガックシ・・・
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-11-19 21:05:42] [修正:2006-11-19 21:05:42] [このレビューのURL]
10点 ぼくんち
幸せって何だろう?大切なものって何だろう?
何で人は一人では生きられないんだろう?
こんな疑問に対して、特に最近の人は孤独主義的な回答をする人も多く、実際僕も「人は一人で生きていくものだ」なんて思ってはいました。いろんな人に助けられながら、それでも孤独な道を行くのが人生だと思っていました。
この作品で、その価値観が引っくり返りました。
物語は、日本のどこかの貧しすぎる港町。三年間家出していた母ちゃんが、主人公の一太と二太のところへお姉ちゃんを連れて戻ってくるところから始まります。出てくる登場人物全員が、もうどうしようもないくらいダメダメで貧しい人たちばかりで、その貧乏っぷりが、まるでノンフィクション?ってくらいのリアリティ(新幹線の改札のつり銭を獲ったり、走行中のバスに飛び込んで慰謝料を「ボーナスボーナス♪」と喜んだり、駐車場の車からガソリン盗って売り払ったり・・・)。ヤクや賭け事やセックスが横行してるムチャクチャな舞台設定は生々しく、「昔」の話ともとれるし、また「未来」の話とも取れるあたりに、この作品の強烈な、ある意味で\"普遍性\"を感じたりしました。
しかし、そんな最悪の舞台設定の中でも、一太や二太は様々な出会いや別れを通じて、色んな間違いをしながらも、やがて少しづつ成長していきます。ワルの\"こういちくん\"の所へ弟子入りし、多くのことを学んでいく一太兄ちゃん、「辛いときこそ笑うんだ」が信条の\"姉ちゃん\"とともに生活しながら町の人たちを見つめていく二太。ヤク中の父ちゃんの世話をしながら、やがて笑顔で運命を受け入れるさおりちゃん、街一番の長老の鉄じい、一太との切なすぎる逢引を共にした\"浜辺のルリ子\"・・・他、挙げればきりが無いほどに様々なエピソードが描かれ、そして儚く消えていきます。どのエピソードをとっても、人間の人生とか儚さとか優しさとか暖かさを、物凄い説得力を持って語りかけてきます。
終盤、登場人物たちが最後に選んだ道もひとつひとつが暖かくて切なく、人間的に大きな成長を遂げている姿は感動的で、表紙一つとったって、一巻→三巻までに表紙に描かれている人物がだんだん減っていくアレを見ただけで、もー物語の展開を知る人は涙無しには直視できないと思います(しかも笑顔・・・)。成長していく、生きていく、そして死んでいく・・・壮大な\"人生列車\"。これからもこの世界は続いていくし、受け継がれるものもあれば、そこで途絶えるものもある。だけどそれでも、人間が生きている以上、決して無くならないものがある。現代の裕福な人間が失ってしまった「幸せ」の真実の意味を、この作品は圧倒的な力を持って呼び起こしてくれました。「泣くことは悪いことじゃない、感情表現なんだから泣かなきゃ損だ」なんて言ってた友人よ、これを読み終えても、まだそれが言えたら「図太いね」って小一時間問い詰めてやる。愛って何だっけ?家族って何だっけ?優しさって何だっけ?人が死ぬって、どういうことだっけ?・・・そんな重たいテーマに、ひとつひとつ丁寧に答えが出されていき・・・(でもクサくないのが凄い。本物の持つ説得力だと思う、これは。)人間は生きていく、続いていく、終わらない物語―――。壮大な人生観。「ずっとずっと愛し続けよう」という言葉の重み。・・・いくらでも言えちゃう位、この作品は、もう、本当に・・・優しさに溢れているのだと思います。
紛れも無く、後世に語り継がれるべき傑作であることは間違いありません。対象年齢はだいぶ高いですが・・・
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2006-11-19 20:56:48] [修正:2006-11-19 20:56:48] [このレビューのURL]