「ほげ」さんのページ
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- S.5X年生まれ(性別:男性)
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好きな漫画:ドラゴンボール、ブッダ、アドルフに告ぐ、火の鳥、ブラックジャック、僕の小規模な失敗、僕の小規模な生活,つげ義春全作品、めぞん一刻、ホムンクルス、ピンポン,天才バカボン,ナニワ金融道,カバチタレ!,AKIRA,魔太郎が来る!
最近気になる漫画:プルートウ、殺し屋1、七色いんこ、風の谷のナウシカ、三つ目がとおる,童夢,極悪がんぼ
好きな漫画家:手塚治虫,藤子不二雄A,藤子・F・不二雄,つげ義春,黒田硫黄
気になる漫画家:福満しげゆき,赤塚不二夫,東風孝広,大友克洋
基本的に好きな漫画は全て10点をあげちゃってますので、点数を見ても読みたいなと思われる漫画は少ないかもしれません。この漫画はここが良いと思ったから高得点、悪いから低得点であるというような点の決め方はしません。
手塚治虫やつげ義春,黒田硫黄なんかが好きで,『ナニワ金融道』とか『カバチタレ!』なんかも好きとくれば,筆っぽい絵というかきたねえというか,スタイリッシュな絵は好きじゃないみたいですね。
『ホムンクルス』の山本英夫は上手いですが,彼の漫画は汚いから許せちゃう。大友も上手い訳ですが,劇画劇画した絵ですし,やっぱりグロですからOK。『クロサギ』もヒロイン風の女の子の設定さえなければ・・・と思います。反面,現代漫画の最高水準という感じの小学館の浦沢直樹なんかは,受けつけませんね。『MONSTER』なんかは,ストーリーの導き方はまあまあだけれど,長すぎるし,残酷じゃなさすぎて飽きてくる。
大して面白いと思いませんでしたが,『刑務所の中』の絵は嫌いじゃないですね。まあ,ここまで言えばだいたい僕の漫画の好みが分かってくるかと思います。少女漫画なんかは全然受け付けませんよ。

8点 新のぞき屋
『のぞき屋』というタイトルだが、エロティックな漫画ではない。大学生の恒を通して、人間の本当の姿を探って行く物語である。のぞきを趣味にしている青年のスコープはそのための道具に過ぎない。のぞくことで性的興奮を覚えるためではない。
のぞき屋の青年は、恋人のさとみに対して常に「作り笑い」をして、セックスしたいという本音を言わない恒に、「ありのままの彼女を見届けて」みろと告げる。そのために探偵まがいのことをしろというのだが、青年に恒が「探偵」を依頼するのではなく、恒に青年が「探偵」を誘導するというところに、本作の主眼が見える。本作の主眼は、自分にウソをつき、セックスしたいのにしようといわないで、「作り笑い」でごまかしている主人公の恒を、本心に立ち返らせることである。人間は、のぞき屋の青年がスコープで覗いているように、強欲の世界だ。本作では性欲と名誉欲とが描かれているように、その欲望に沿って生きているに過ぎない。というか、それ以上の存在にはなりえないのだから、善悪の問題ではない。だが、ある一定の人間はどうかすると、その欲望を隠蔽したがるものだ。主人公の恒のように、自分にさえウソをつき、彼女にもウソをつき、のぞきを誘導する青年に散々言われてやっと開眼するといったところだ。恒は人間が欲望に沿って生きていることに気付かない振りをしている。青年は、その陥穽をついてくるのだ。
もっとも、本作の主題は、突き詰めれば非現実的になってしまうのは否めない。全てを疑ってかかり、本音を突きとめるというが、原理的にそんなことはできるはずがない。時間的な無理もあるけれど、第一そんなことをしたら生活が営めないし、孤独になるほかにない。だから、人間は、欲望に忠実であるという命題を抱えながらも、どこかではそれを隠蔽する他にない。人間は理性もあるといった考え方で、その命題を捉え直していくしかない。それが一歩間違えると、本作の恒のように、自分を隠蔽し続ける人間に成り下がってしまうということになるだろうから、バランスの問題である。人間は欲望のもとに生きるが、理性もあるということ、疑い始めたらきりがないということ。これがこの漫画から分かる。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2005-08-09 22:11:43] [修正:2005-08-09 22:11:43]