「オカシュー」さんのページ

このサイトの方々とは(多分)真逆のマンガの読み方をする人がいる。
きっとそんな読み方に顔をしかめる紳士もいらっしゃるだろうと想像する。

「読み捨て」である。まさに文字通り。

週刊誌だけではない。単行本(コミックス)もである。
通勤途中や会社の昼休みに読み、終わればゴミ箱へドサッ!である。
(最近は中古ショップが盛況なので単行本は捨てずに売るのであろうか。それも同じような事であるが)

漫画イコール暇つぶし、という位置付け。
もちろんそれを非難するつもりは毛頭ない。

確かにマンガの読み方として昔から存在している。特に4コママンガ等、週刊雑誌も含めそういう側面を持っている。
特におじさん達にはそんなスタイルを持つ人も多くマイナー系成年週刊誌なんかがそんな読み方をされていると感じる。

一方、少年誌でも「読み捨て」系マンガを描く漢(おとこ)がいた。
その名を木多康昭。その根拠となるマンガスタイルは。

1年後には劣化するであろう刹那的芸能ネタ。常識人は単行本所有をためらうのではないかと思われる程のお下劣な下ネタ。
その作風、デビュー作から変わらず「読み捨て」少年マンガのフロンティア(?)だと私は思ってきた。

その木多先生がついに青年誌デビュー。それがこの「喧嘩商売」だ。

相変わらず楽しませていただいていたのだがスタイルは変わらずと思いきや数巻を経てその作風に変化が生じた。
格闘マンガの要素が本格的に導入。
しかもそのレベルは他の同系統格闘マンガを凌駕しているのだ!

格闘系マンガ好きには是非読んでもらいたいと願う。

極めたと言われる程の下品な下ネタ、パロディも「真夜中の男だけのY談」と割り切り受け止めてもらえるならば、その笑いのセンスの良さに気付いてもらえるハズだ。
扱うネタはお粗末でも料理の腕が高レベル。それに加えて「読み捨て」ともう言わせないのめり込める格闘シーンも加わった。

タレント、芸能人が「化(ば)けた」と言われる事がある。
突然売れ始め人気者になった場合だ。彼らの中で何かが変わったのだ。

そう、それはマンガ作品でもありうるのだ。
対金田戦は完璧。ラストまでもの凄い。

「喧嘩商売」は化けた。







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[投稿:2010-04-13 00:26:52] [修正:2010-04-13 19:48:45]