「オカシュー」さんのページ

総レビュー数: 252レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月18日

高橋留美子先生の魅力をアピールする際には紹介する作品に特に注意を払う。

週刊サンデー作品(犬夜叉等)を最初に勧めるのはリスクが高い。 
魅力あるキャラクターや設定がありながら週刊連載という時間制約の厳しい創作環境が作品を間延びさせている部分がある事を認めざるを得ないからだ。

「めぞん一刻」を出すのがテッパンだと思うが前半はラブコメ色よりギャグ色が強い。
ので怒涛の後半まで楽しむのは確実に好きになってからの方がよろしかろう。

そんな中、高橋マンガ初心者にオススメできるもっとも優れた一冊が本作「傑作短編集」だ。
そしてできたら2集が良い。私もソイツで目覚めたクチだ。

増刊サンデーに半年周期で掲載されたシリアス作品が4本入っている。
当時「うる星」に距離を置いていた私は衝撃を受けた。
高橋留美子はこんな凄いシリアスが描けるのか、と。

高橋シリアス作品人気はその後もうなぎのぼりで「人魚シリーズ」が開始される。
だがたまたま人魚シリーズが連作可能な作品構成だったからで他の作品も決して見劣りはしない。

まとめっ。

週刊連載のメジャー作品だけで高橋留美子を判断するのは早計。
ギャグ、ラブコメ、シリアスと多くの顔を持つ高橋留美子の全てが味わえる短編集。

第2集「炎トリッパー」

何も言わずまずはこれを読んで欲しい。大人気作家となった秘密はここに隠されている。





ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-11 00:59:31] [修正:2010-07-11 00:59:31] [このレビューのURL]

最強のボクシング漫画は何だ?と問われた時、迷う人は多かろう。
それ程ボクシング漫画に名作は多い。
そんな数ある名作群の中で私が全てのボクシング漫画の頂点だと思っている(思い込んでいる?)のが本作「ライスショルダー」である。

ショッ、ショルダー!(言いたいだけ)

「ふざけるな!」
「ジョーは、竜児は、元気は、一歩はどーした!?」というブーイングも聞こえてきそうだが(私にとっては)本当なんだからしょーがない。

本作には今までの全ての名作の濃いエキスがぎゅううっ、と詰め込まれている。
ジョーのハングリーさや竜児のミラクルパンチや元気の父への愛、一歩のひたむきさなど無論他にもエトセトラエトセトラ。
読んでビックリ見てビックリ、それ程の作品であるのだ。

ただ現在連載中の作品なら何故もっと話題に上らないのか、それにも実は訳がある。

その訳、それは主人公が「女性」(!)だからである。

ショッ、ショルダー!

「女性ボクシング漫画」これだけで敬遠する人は多いのではないだろうか。
もともと作者のファンの私でさえ本作を読むのをためらっていた。ボクシング漫画そのものが「男」達の熱いドラマを描きすぎてきた為に女主人公にためらいを感じてしまう。

中々偏見を解くのは難しいかもしれないが「食わず嫌い」で名作を見過ごしていたりした事を思い出して欲しい。
「囲碁」が分からなくて「ヒカルの碁」を読んでいなかったとか。
「競艇」に興味が無くて「モンキーターン」を読んでいなかったとか。
「萌え」が嫌いで「よつばと!」を読んでいなかったとか。(これは違うか。)

知識が無くても知らないジャンルだったとしても関係なく面白い!それが名作の掟。

「ジャイキリ」はあるし「神なる社長耕作」はあるし「ムッタ」はあるし「へうげ」もある。
そんな今熱い雑誌モーニングで彼らを喰う魅力がそこには確かに存在する。

ショッ、ショルダー!

「わかった、わかった、一歩を読んでいるから終わったらね。」という人はちょっと待って欲しい。
一歩が世界チャンプになるには200巻はかかる。(俺予想)
そんなには待てない。

本作なら初戦で世界チャンプと戦うよ。(おい。)
2戦目も別ランクの世界チャンプと戦うよ。(おいおいおい。)
ザコは相手にしない。それがショルダー。

今が旬の漫画が通りますよ、皆さん!

そのほか「うっちゃれ五所瓦」等作者なかいま先生ファンの方々ももちろん十二分に楽しませる作品にも仕上がっている本作。
もう立ち読みでもいいから。

読め。

ショッ、ショルダー!!







ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-01 00:59:59] [修正:2010-07-01 01:20:37] [このレビューのURL]