「オカシュー」さんのページ

総レビュー数: 252レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月18日

店長(ハヤオ)はいつも果物を飲みやすい100%アニメジュースにして提供してくれる。
ところがこの果実はそのままかぶりついてもイイらしい。

マンガ版風の谷のナウシカ。

皮(グロ)や茎(テーマ性)などで咀嚼しにくいかもしれないが大人になればそんな苦みも逆に味わい楽しめる。
もはや説明不要の宮崎アニメの原作漫画。アニメ版は「ナウシカがすりきれちゃう!」というくらい再放送されている。ただし世界観、登場人物は同じでもマンガ版の物語は深く掘り下げられ彩られている。

それとアニメお子ちゃま論もあるようだが私としては読んだのち、さらにアニメの評価が上がった。大人から子供まで幅広い視聴者層にあわせ主要エピソードを再構成したアニメ版の手際はマンガ版を読んで初めて分かる。 
ジブリブランドの確立に多大な貢献をした作品である事に間違いはない。

しかし良い事ばかりではなく逆にそれが足かせになっている部分も。
アニメが有名で高評価もされたがゆえにマンガ版が広まりにくかったのでは、と察するのだ。(アニメ観たからもういいや的な)

マンガ版は別モノのデキ!アニメの先があるのに!という心の叫びは漫画を読んだ多くの方が賛同してくれるのではないだろうか。
よってこのマンガをレビューし広める事はとても意義があるように感じられる。

目も眩むばかりの素晴らしい設定や環境問題等も織り交ぜた安易に答えの出せない善悪のテーマなどの美点は多くの人が語っている通りだが私がもっとも評価したいのは「キャラ立ち」。
 
キャラクターが立っている。脇を固める面々ももちろんだがナウシカがすんごい。どう説明したらよいかこの魅力ゲージ。
この畳みかけるような肉厚の物語の流れの中で生き生きと輝く主人公。
それは「物語の中のナウシカ」でなく確かに「ナウシカの物語」なのである。

ケチャは言う。「姫さまの事になるとみんな夢中なんだから」。
それもそのはず巻が進むごとにナウシカファンは増えつづけテトや風の谷メンバーはもちろんクシャナ、クロトワ、チャルカ、チクク、皇弟、ムシ使いから果てはおいおい巨神兵まで・・・

ナウシカ好きすぎ。

これはナウシカを好きになる物語と言ってよいくらいだ。
もちろん俺だって読者だって。

「わしらはみんな姫さまに恋しておるのです」

ただ良い作品であるがわずかにあるマイナス点も指摘しておきたい。 
それはアニメと違い実際の動きや音が無い事である。
「そんな事言ったら全ての漫画がそうだろ!」と言われるかもしれないがここまで浸透している宮崎アニメの漫画版だからこそこの悔しさはひとしおなのである。

(アニメ版での)ユパさまの跳躍シーンとか鳥肌モノだったし、大群オームの足の動きかたも(別の意味で)鳥肌モノだった。
だものでマンガを読みながら私の頭の中はアニメの動きの脳内再生が行われている。
安田成美の歌声がリフレインする程に・・・。

宮崎駿にアニメーション監督とか漫画家とか肩書きはいらない。

これがクリエーターの仕事。









ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-29 01:01:36] [修正:2010-06-29 02:01:11] [このレビューのURL]

潜水艦バトル漫画です。

潜水艦の戦いは心理戦がキモなのでハンターXハンターとか好きな人が「青年漫画も読んでみるか」と思っているならコレお薦めかもしれません。

なんやら説明の多い部分が出てきても飛ばして読んでかまいません。
私もそうしたけど全く問題なしに楽しめました。何せバトルの心理戦が激熱い!

ものすごいガッツリ読めて満足感は極めて高いと思います。

特に不満はありませんがアメリカ上陸で終わっていたら最高だったかなぁ・・・。

(2010.5追記)
久々に読み直しました。ふぁっ、相変わらずの満足感。
沈黙は1年に1回くらいの割合で読み返します。そんな魅力があります。
やっぱ海戦バトルが抜群です。

そういえば作者のインタビュー、コメントでも「潜水艦同士の戦いが描きたかった。」「政治的な意味合いはこのマンガにはない」などとおっしゃっていました。
あくまで政治家エピソードは物語にリアリティを与える肉付けのようなモノの気がします。
例えばマトリックスが例のスローモーション特撮バトルを見せたいが為に創られたストーリーであるかのような感じ。

あ、もちろんどんな読み方をするかは読者個人の自由ですね。
私は海江田の天才をたのしめ!ってプレッシャーをすごく感じていてそこが良いと思っています。


所持巻数 全巻




ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-21 20:50:24] [修正:2010-05-29 23:40:26] [このレビューのURL]

漫画をレビューするときに全く別の媒体を例えに使う事がままある。しかしこの漫画レビューサイト自体をたとえて表現するのは珍しいのでチャレンジしてみる事にする。
家庭用ゲーム機なんてどうだろう。

それならプレイステーション3ではあるまいか。
すばらしいグラフィックと奥深いゲーム性、ストーリー性を兼ね備えているソフト(マンガ作品)を提供してくれるレベルの高いハードである。(うんうん)
もちろんまだ成長過程のハードでもあろう。例えばプレステ3はゲーム初心者には少し敷居の高い部分もある。

NEWマリオWiiを楽しんでいる私であるがコアプレステ3ユーザーの知人に言わせると「まだ2Dですか。オカシューさんライトユーザーっすね。」となる。
妻が密かにやりこんでいるWiiFitなど「あれはダイエット健康器具でしょ。ゲームじゃないっすよ。」と言われる始末。
WiiFit凄く売れているのだけれど・・・

そして「テニスの王子様」こそ「WiiFit」的作品なのかなぁ、と考える次第なのである。

「テニスの王子様」通称「テニプリ」。テニスで凄い事をするマンガだ。
しかしよくもまぁ、ここまで叩かれるものだ。まぁ本当に。本当に。

テニプリを夢中で読んでいる息子に意地悪く質問してみた。
「あんな必殺技やこんな必殺技、実際出来る訳ないよなぁ?」
それに対し子供はしれっと
「当たり前じゃん、そんな事。」と言ってのけた。

私の子供の時と同じである。そうなのだ。現実にはあり得ないのを分かった上で楽しんでいる。そう楽しめる。
人面列車トーマスも菓子パン頭ヒーローも楽しめるのが子供の許容量。

そこで輝きを放つのが超人系スポーツ漫画というジャンルなのである。

息子達の間では「イナズマイレブン」というアニメーションが現在流行っている。キャプテン翼をさらにエスカレートさせたような内容の作品だ。
フィールドにペンギンは走り回るしキーパーの手は巨大化する。超人系スポーツは昭和の遺物でなく子供たちの間では今も現役なのである。

ちなみに私もテニプリを充分楽しめた。車田作品を愛でてきた私にとってはテニプリのどこがムチャなのか教えて欲しいくらいなのである。

それで現在の凄まじいテニプリへの逆風は何故なのかを色々考えてみた。

テニプリの逆風その1、読者層とリアリティ

今の漫画はリアリティがもの凄く大切らしい。しかしながら非リアリティを楽しむのが超人系なのだが。
超人系スポーツ漫画の歴史は古く長い。王道といってもいいくらいだったろう。
私の知る範疇でも物心ついた時には巨人の星があった。侍ジャイアンツがあった。アストロ球団があった。ジャンプ80年代ならばリングにかけろやキャプテン翼であった。
そこでバッシング的なモノをあまり感じなかったのは漫画読者は卒業するものであったからではなかろうか。

野球漫画で例えると巨人の星に憧れて大リーグボールをまねして野球ごっこする少年時代。しかし成長すればビールひっかけながらナイターを観るようになる。
マンガは卒業している。自然に。それが遠い昔は普通であった。
しかし今は少年漫画読者の高齢化が。私のようなおじさんもジャンプ読むくらいなので、いわんや20から30代は当たり前に読む。

リアリティを本当に求めるのならプロの試合を観戦するべきで少年マンガに求めるべきではない気がする。
しかし年齢層の高い少年と言えない読者層は非リアリティの少年マンガにもリアリティを求め続けるのだ。

それ故充分楽しんでいる少年少女と楽しめない青年以上という構図が鮮明に浮かび上がっているのがテニプリではなかろうか。
(もちろん納得して楽しんでいる私のような大人もいるけれど)

テニプリの逆風その2、ネットジェネレーション

急速に膨れ上がったインターネット民。ネットは誰でも書き込める。2ちゃんねるの猛威。
そこには人間の健全な社会生活では発せられない闇の部分が激しく照らし出される。

テニプリは最適の題材だったろうか。過去のものではなく現在進行形の連載中だったのも適したか。さらに人気誌ジャンプ。
これ程いじりがいのあるものもなかったろう。少年マンガなぞ突っ込もうと思えばいくらでも突っ込める。その中でも超人系は突っ込みの宝庫。

その知名度にあやかりヒット数を上げようとする輩や、あざけりおとしめる事で日頃のストレスの「ガス抜き」として活用されていった。

もしリングにかけろやキャプテン翼の連載がもう少し遅ければ同じ憂き目にあっていたかもしれない。
この時代に生まれたテニプリはやはり不幸であったのか。

テニプリの逆風その3、漫画雑誌連載という形態

普通に考えると嫌なら読むな、である。しかし漫画雑誌の連載という形態が「ついで読み」する作品を生みだした。
自分のお気に入り漫画を読むついでに読者は他の漫画も読むのだ。そう好きでもない作品までも。これは新しい漫画をヒットさせるチャンスをつくるのに有効な形なのだが一方で惰性で読む漫画をも作り上げた。

漫画は読むのに時間もそれ程かからないのでついには馬鹿にするため、ネットでネタにする為にだけ読む読者を誕生させた。

そんな状況をテニプリは背負ってきているのではないか。

まぁそんな訳でここまで読んだ方にはテニプリはとてもかわいそうな作品に思えてきたかもしれない。
しかしこれだけ書いておきながらそれは全く違うと言いたい。(はえっ!?)
作者は天然だなどという意見も違うと言いたい。私は氏を稀代の戦略家だと思っている。

ここからがテニプリの本当に凄い所であり真実だ。

テニプリの真実1

1990年代ジャンプ本誌の売り上げが激減した事があった。大きな要因の1つがドラゴンボールの終了であった。
そしてその後大人を意識した作品が多く登場。この方向性もダメ押しの一因となったようだ。読者予備軍と言われる小学校低学年への魅力を失う事となったからだ。

大人が自分目線で少年漫画を観て酷評した、いわゆるとんでも作品と称されるものはこの小さき読者達をターゲットに描かれている。
その需要は決して軽んじるものではないのだがマンガは嗜好品、大人とて自分の立ち位置で好き嫌いのみで評価し裁いていく。
テニスの王子様はその部分のカテゴリーをカバーしていたなかなかの実力者であると私は思っているのだが。

少年マンガが大人を楽しませる事はかならずしも正義ではないのではないか。
「少年」の「マンガ」がいびつに歪んできてはないだろうか。

テニプリの真実その2

マンガとは人気商売である。それで生活している漫画家は人気如何で金持ちにもフリーターにもなりうる。
そんな人気商売に不可欠なのはプロモーションである。作者許斐先生はそれが実に上手いし熱心だ。

他の漫画家もおこなっているキャラ人気投票や読者イラストコーナー質問コーナーなど言うに及ばずキャラのクラスメート募集などという一歩踏み込んだものまで行っている。
メディアミックスもアニメ、ゲーム、トレーディングカード、実写版、ミュージカルとなんでもありトリビュートマンガまである。
自分のイケメンも活かしてイベント出演やインタビューも数多くこなしている。

スピルバーグは名監督であるが同時に名プロデューサーでもあった。エンタメの世界において作品をどれだけ効果的に宣伝できるのかという事はとても重要なのだ。
作者は策士と言わざるを得ない。

テニプリの真実その3

これだけ否定的意見がネットで流されれば流石に作者の耳にも多少なりとも入っている事だろう。
モチベーション保つのは大変だろうと思っていたけれどどうもその考えは間違っていたようだ。

しつこく言って申し訳ないがマンガは人気商売である。でこのテニプリは一部の人達にかなり嫌われている。
しかし本当に嫌いな作品を葬り去りたければガン無視すれば良いのだ。
話題になればなるほどその作品は色褪せないし生きながらえる。

現在続編も連載しているのだが、アンチファンやパロディ等悪意も含まれているようなテニプリいじりがこの好調連載を後押ししている部分があるのではではないか。皮肉にも。いやこれも作者の想定の範囲内か。

それはテニプリマジック。

好きなファンだけでなく嫌いな人の関心まで集めてしまう作品。
「手塚ゾーンなんてありえない」と言いつつ読者はテニプリゾーンにハマってしまっているのではないのか?

「菊丸が二人いる!?」ではなく「テニプリは読者が二タイプいる!?」なのである。
好きで読む人とそうでないのに読む人と。

テニプリは「嫌いな漫画」というジャンルでの人気作品ともなっているという実に不思議な漫画なのである。

テニプリの真実 総まとめ

「テニスの王子様」それは多くの少年少女を楽しませたとても評価できる漫画であり、同時に一部の人達から汚物のごとく嫌われている漫画でもある。
とにかく現在少年マンガ読者は年齢、性別等昔に比べ大きく広がっている。小学生が「ゴルゴ13ってなんかキモイ0点」というような対象読者でない正しいといえない方向性の評価がテニプリにも存在するのではないのだろうか。

それと嫌いになるのは自由なのだが腹を立てるようなことはないようにお願いしたい。無理やり読まされた訳ではない。自分で開いた漫画なのだ。
もし腹を立てている人がいたならばそれは怒りではなく嫉妬ではなかろうか。

ある漫画のセリフにある。
多くの罵声の中、不幸や逆境に押しつぶされるものもいれば逆に不幸の中でこそ妖しく輝くものもいる・・・この漫画、非常に罪作りな傑作と言えるのではないか。

越前リョーマは今も我々の度量を試し続けている。

「まだまだだね。」












ナイスレビュー: 7

[投稿:2010-01-31 13:17:54] [修正:2010-05-29 21:55:19] [このレビューのURL]

マイブームで勝手にキャッチフレーズを付けるのが流行った事があった。マンガにも読んだイメージだけで付けていく。
モンキーターンに私が付けたキャッチフレーズは。

「静かに熱い」

河合作品をよく読んでいる方なら多少は賛同してもらえるんじゃあないかと思うのだがどうだろうか。
躍動感は少し足りないかなと思う絵柄ながら熱くなる場面の遭遇率がやけに高いのだ。

実は河合マンガを読みだして日は浅い。2年経っていない。
その読書遍歴は「とめはねっ!」で興味シンシン、「帯をギュッとね!」で自分の中の好きな作家リストに登録、そして今やっとこの「モンキーターン」にたどり着いた訳である。

この作品を先延ばしにしていたのにはわけがある。競艇に興味が無かったからだ。
もちろんそれは今までに何度も繰り返してきた過ちだ。思い込みと偏見。

でも。ああ、読んで良かった。そう思える作品であった。

河合作品には女性ファンも多いと思うがこの作品は主に男性に合っている。
特に20歳以上の方に強くお薦めしたい。

その理由としては。

一、大人のバトルだ。
他作品と比べバトル色が特に強い。競艇バトルの面白さは作家河合克敏だから描けた面白さ。
この徹底的取材の上に紡がれた物語は冨樫作品とはまた違った大人の楽しめるエンターテイメントとして仕上がっている。

二、臭っ!
キャラがとても人間臭い。単純に割り切れぬ人のこころ。そして恋愛も大人の味わい。
青島さんは悲しすぎるし超脇役小林さんのお話を解する事は小中学生じゃムリ。
才能の無い人間があがいてあがいてそれでも前に進もうとする姿に感動できるのは苦渋をなめまくった大人の特権。

三、ギャンブルだもの
もーれつに競艇場に行ってみたくなる。そんな時成人なら問題なし。
舟券を買えばさらにマンガが面白くなる(?)

その他御当地競艇場が出てくるの楽しみの一つ。(我が県にもあります)
またトリビアとして競艇という題材は編集者に薦められての事らしい。自分に無縁だったテーマをこれだけ面白く描ききるのはやっぱ凄い漫画家だよこの人。

まぁ、そんなこんなで最後に一言言わせてくれよ。

競艇は水上の格闘技。

「モンキーターン」は静かに熱い!










ナイスレビュー: 4

[投稿:2010-05-09 01:46:42] [修正:2010-05-09 02:30:33] [このレビューのURL]

今、人気の王道少年マンガを挙げるならば「ワンピース」「ナルト」「ブリーチ」辺りであろうか。
しかし王道イコール、ワンパターンでもある。それ系バトルは巷に溢れている為高校生くらいになると批判的な目で見てしまう諸氏も多かろう。

そんな時は「ハンタ」の出番だがそれ以外にお薦めしたいのがこの「覚悟のススメ」だ。
一癖も二癖もある内容はドリアン的漫画といえる。味にハマると癖になる。
 
作者は「シグルイ」で人気作家の地位を確立した山口貴由。しかしここは作品「シグルイ」は忘れていただきたい。シリアスのみの「シグルイ」の作風とは明らかに違うからだ。
原作無しの山口貴由の本質はなかなかのぶっ飛び具合なのだ。

1994年に開始された本作品、編集部が求めたのは「北斗の拳」タイプの漫画であったように思う。
事実、初巻では北斗の拳ばりの悲鳴シーンもでたりする。壊滅した近未来の地球が舞台であり主人公と悪の構図や兄弟どうしの戦いなどモチーフは非常に近しい。

しかしそれだけだ。
上記のかなりのかぶり具合をもってしてもそれだけだと言いきれる程の突き抜けたオリジナリティがそこにある。

いくつか挙げるとするならば。

一、名シーン、名セリフの数々
本当にもう名セリフのオンパレードだ。この辺は「シグルイ」を読まれた方には分かってもらえるのではないだろうか。
エピソード「後方支援」は最高傑作。

二、ちょいエログロ
「シグルイ」レベルはある。男性のイチモツとか下の毛とか妙に強調されているのでちびっ子は大きくなってから見よう。

三、完結してる。
流れるようにキレイに終わっている。最近の漫画に「だらだら引き延ばすなよ」と不満を漏らしている人にはピッタリあうはず。
ラストのオチのぶっ飛び具合もそうとうではなかろうか。

以上まとめるならば異色変身ヒーロー物。ただ異色の度合いがハンパないだけだ。
よって賛否両論なのはこのサイトの評価でも充分承知。しかし最近マンガを貸し続けていた知人に「薦めてくれた漫画の中で一番おもしろかった」との感想を聞きレビューを書く気になった次第だ。

ぜひ山口貴由の本気具合を一度確かめてみてもらいたい。

おっと、そうこうしているうちに「パソコン使わせろ」と我が家の戦術鬼(息子)がやってきた。
最後に名セリフの一つを引用してこのレビューを締めくくりたい。

負けるのが恥なのではない!
戦わぬのが恥なのだ!

そんなセリフを胸に秘め、また一つ稚拙なレビューを書きなぐる。




ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-04 03:23:59] [修正:2010-05-04 03:45:49] [このレビューのURL]

子育てを経験された方なら分かってもらえるだろうが、小さい子供が凄くかわいい愛らしいと思える期間はとても短い。
無論かわいいと思える事はその後も度々あるのだが、それ以上に憎たらしいと思える事が増えるのだ。

子供の見る物全てに感動する期間も幼少のほんのわずかであり、すぐ外で遊ぶのでさえDSやってたりする状態になる。
(DSは買い与えねば友達の輪に入れなかったりするし)

よつばと!は子供が天使に思えるほんのわずかな短い期間を切りだして見せてくれているのだ。
現実ではあっという間に過ぎる一カ月を8巻もの巻数にてこれでもかと描き出してくれる。
よつばが可愛く見えない訳がない。天使の期間だけみせつけてくれるんだから。

癒されるわ、癒されるわ。私もメロメロになりかけた。

もちろん作者あずまきよひこの天賦の才あればこそだ。
季節の変わらない夏だけエピソードを8巻延々描き続けて飽きさせないなんてそんじょそこらの作家じゃ出来ない。
マンネリにならないのは奇跡的手腕だ。

人生の輝ける一瞬を見事にとらえた「よつば」物語。
まさに大きく美しく輝き、すぐに消え去る打ち上げ花火のように。
しかしだからこそ人生は素晴らしいのだ。
アイスクリームが、もらえないお土産が、やんだが、ちょっとおいしい牛乳が・・・

また一つ傑作が生まれた・・俺の中で。





ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-12-02 00:07:52] [修正:2009-12-02 00:20:34] [このレビューのURL]

学園怪盗コメディです。良くできていておもしろいです。

コメディは連載が続くにつれてダラダラと同じパターンのお話が続いたりしますがこれは締める所を締めてラストに向かってキチンと進みます。
作者男性の為か少女漫画でありながらコマがスッキリしていて読みやすいです。

和田先生は面白い漫画をたくさん描いているのでこれ以外でもイロイロ読んで欲しいなぁ。
しかしコノ作品、レビューどころか登録もなかったとは・・・とほほ。

某三姉妹怪盗漫画よりもダンゼンおもしろいと思うのですが、私個人は。

所持巻数 全巻

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-09-01 22:39:22] [修正:2009-09-01 22:39:22] [このレビューのURL]

「シェイプアップ乱」の頃から好きだった作者です。
でもこの作品は数年前2〜3巻買って、それっきりでした。

狂四郎を最初読んだ時に今まで以上に下品な下ネタとエッチシーンの連続で「も、もういいや」と思ってしまいました。
これは多分作者が少年ジャンプ時代に描き切れずにたまっていたうっ憤を青年誌で思いっきり(本当に思いっきり)吐き出して描いたのではないでしょうか。

しかしここのレビューを見て「それ程の作品だったか?」と最近続巻を買い続けてみると本当に凄く面白かったです。とてもビックリしました。
ギャグ漫画じゃあなくなっていました。1つ1つのエピソードが素晴らしい。

この漫画ハッピーエンドのエピソードばかりとは限らないので最後までドキドキさせられます。
何が正義で何が悪かハッキリさせていないのも青年誌ならではでとてもうれしい。

ヒロインでさえも時には悪魔のような顔になり他を呪い恨みます。
絶対正義の主人公の薄っぺらい少年漫画に飽き飽きしている高校生以上の人にピッタリの漫画です。

下ネタ、エログロで多くの読者を近づけさせないものの、それが乗り越えられれば大きな感動が待っている、そんな作品です。

所持巻数 15巻

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-24 20:25:23] [修正:2009-08-24 20:25:23] [このレビューのURL]

9点 KATSU!

久しぶりにみた新作で(コレ最近読みました)あだち先生の作品は凄い進化を遂げていました。
おかげで野球漫画で無くても先生の魅力がわかるようになってきました。

理由?マドンナ的立場であるものの今までのようないい子ちゃんでないヒロインが良いです。少しヒネた感じや絵柄だと目の下の線など違うヒロインを感じさせてくれました。

理由?友達が太っていないのが良いです。(ボクシングという題材が良かった?)

理由?そしてなんと犬がリアルになっている!これは何気に凄かった。私は凄くビックリしました。

もちろんあだち節は健在ですしボクシングはルールが分かりやすいので万人に薦められる作品に仕上がっていると思います。
不評もきかれるラストも私は特に悪く感じませんでした。

あだち作品は試合やその結果を楽しむのではなく人間ドラマを楽しむのが一番と思っているので、もしこれが打ち切りゆえのラストとしても上手に終わっているんじゃあないかと。

ただやはり多くの人もあだち=野球漫画だと思っているらしく大ヒットにはならずでしたが。
いい作品なのに残念です。

まぁいつかドラマ化か映画化するような気がします。
それくらい青春ものとして完成されていると思います。

所持巻数 全巻

ナイスレビュー: 2

[投稿:2009-08-22 21:25:34] [修正:2009-08-22 21:25:34] [このレビューのURL]

9点 S.O.S

くぅ〜っ!おもしろい!刑事サスペンス物です。
気まぐれに買ったものが大当たりの時のうれしさは計りしれません。

もちろん勝算はあった訳で細野先生の漫画にハズレは少ないし個人的趣味もあっています。
細野先生と言えばコメディ、SF、スポーツ、サスペンス等なんでもこなしてどれも平均以上というまさに漫画職人。

ありふれた女刑事ものにかかわらず取材能力と創作能力のレベルがものすごく高いのがわかります。
アイディアはいいのに勉強取材していないので空想だけの少年馬鹿漫画とか設定は完璧でリアル感バッチリなのに漫画的創作能力のない大人漫画とは一線を画すものです。

女の子には薦められないエグさがあるものの評価されるべき1冊と思います。
ちなみにコレを双葉社で描いているというのもイイ。

内容と出版社がかみ合っていると思います。
(双葉社さんに失礼?)

所持巻数 全巻

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-22 09:46:49] [修正:2009-08-22 09:46:49] [このレビューのURL]

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